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ぎんひじ


『一番じゃなくても良いから…!』

夕日の差し込む教室で、土方は泣きそうな顔をして銀八に抱き付いた。
こんなはずじゃなかったのに。
そう思っているのに、抱き付いた途端に溢れ出した涙は止まることを知らず、顔を押しつけている銀八の白衣を濡らした。


土方の担任である坂田銀八は既婚者で、しかしそれを認めた上で土方は銀八に誘われるがままに身体を重ねた。
『俺、土方君みたいな子、好みなんだよね。』

何気ない、銀八にとっては何気なく言ったであろうそれは銀八にずっと想いを寄せていた土方を揺さ振るのに十分で。

『だったら、俺と浮気してみませんか?』

それに銀八はにやりと厭らしい笑みを浮かべたのを今でも鮮明に覚えている。

一年前の話。








「いや、だって奥さんにばれそうなんだわ。」

銀八は嫌嫌と涙を流す土方を鬱陶しそうに一瞥した。向けられた冷たい瞳に土方は青ざめる。最初から一番に成れないことはわかっていたのに、銀八に抱かれる度、形だけでも愛を囁かれる度に、土方の中の欲望は強くなっていって、いつかは離婚してくれるんじゃないか、自分を選んでくれるんのではないか、などと淡い期待を抱いてしまった。
「一番じゃなくて良いから、捨てないで…!」

一番なんて我儘言わないから。都合の良いセフレでいいから。
駄々をこねる子供のように縋り付く。
今の土方を作る全ては銀八で、彼が触れた肌は歓喜に奮え、見つめられれば熱くなる。





「土方君、つまんなくなっちゃった。飽きちゃったからもういらない。」









******************
多分もう書かないぱっつち。
かなりひどい銀八先生が書きたかったんです。

銃口(キラフレ)


「遊びましょう?キラ。」

炎の様に燃え上がる紅髪の少女は口元だけに笑みを貼りつけてキラに銃口を向けていた。

『貴方をずっと見ていたわ。遊びましょう?キラ・ヤマト。』


全国の原発制御システムを司るパソコンルームも現在は照明が軽く落とされていて、画面には『CAUTION』と言う文字が点滅し、アラートの赤い光が辺りを包む。キラの足元にも彼女の足元にも、骸となった数えきれない程の人が転がっていた。

「あなたは一体誰なんだ!僕の事をずっと見ていたって。どういうことだ!」

キラはナタルから受け取った拳銃を彼女に向ける。それを見てまた彼女は笑った。

「そうよ、そう。あなたは正義のヒーローから落ちていくの。堕天使、あぁなんて良い響きなんでしょう!」

あははは、と彼女の高笑いが辺りに響く。セーフティを外してキラに真っ直ぐ銃口を向けた。
銃を持つ手が震える。セーフティを外してあると言う事はこの引き金を引けば発砲されるということだ。幾度となく現場へ足を踏み入れたことはあるが、拳銃を持つのは初めてである。キラは警察官の父を持つ只の学生なのだ。

「フレイ・アルスター、君は!」

「忘れちゃったのね、キラ。」

少女、フレイ・アルスターは銃を構えた儘少し悲しそうな顔をする。まだ幼さの残っているその表情にキラはデジャヴを感じた。








************
書きあがる気がしないブラッティマンディパロ。
なんとなく日記にあげておきます。

拍手レス



からぱちもいつもありがとうございます!
励みになっています、

ではでは、拍手レスいきます!




♭六花さん

お返事遅れてしまい申し訳ありません。拍手ありがとうございます!雨兎です。
先日はこちらこそチャットに参加させてくださりありがとうございました!普段は出来ない帝人様の話がたくさん出来て嬉しかったです。また機会があったらよろしくお願いします!
では、拍手ありがとうございました!

桜が舞い散る頃に(緋色の欠片)


蒼黒の楔(緋色の欠片3)、拓磨悲恋ルート後捏造です。

かなり泣きそうになりました。いや、最後は泣きましたが(笑)
あぁぁぁぁぁぁ!もうだめ(´;ω;`)










桜が舞う。
長い冬が明けて、季封村にも桜が春の訪れを教えていた。
二枚の鏡を封じてから、初めての春である。

「珠姫さん、準備が出来ました。」
「うん。」

鏡の封印から何ヵ月。誰よりも大切な人を失った空虚感だけが珠姫を占めていた。ぽっかりと開いた穴には冷たい風が吹き抜け、寒い。縁側に吹き抜ける心地好いはずの風すら切なくて、どうしようもなく珠姫は涙を零した。
誰よりも愛しかった彼は鏡の契約者を倒す事が出来ず、自らが新たな契約者となることで鏡の暴走を止めてみせた。そうして、珠姫の目の前で、出来ないと拒んだ珠姫の前で、自分の身体に短剣を刺し、其の結果死んだのだ。
焼け付くような鋭い痛みに涙が止めどなく溢れ、後から守護者達が追い付いて来た時には血に濡れた彼を抱き締めたまま蹲っていた。その時から、彼女の時間は止まったままである。

「お花見、やめにしましょうか?」

そして、彼が死んだ後、彼の家を尋ねたら初めて会った優しそうな彼の母親に手紙を渡されたのだ。
『俺が死んだらあいつに渡してくれ。』
そう言付けてあったらしいそれはたった一枚の便箋。彼は死ぬ覚悟なんてとうの昔に出来ていて、彼らしくない綺麗な文字にまた泣いた。

「ばか拓磨。あそこは紅葉だけじゃなくて桜も綺麗だったじゃない。」

手紙を握り締めたまま走って辿り着いた先は、生命力溢れる若葉が生い茂る少し開けた場所だった。

「拓磨、春には行ったことなかったのかな?…何でいないの、拓磨。私、拓磨がいないと笑う事すら出来ないよ。」

かさかさと風で揺れては萌え盛る葉の隙間から明るい日差しが注ぐ。所々で小鳥の囀る声も聞こえた。此処はあらゆる生命力を感じることが出来て、彼らしい、そんな場所だった。

「拓磨、会いたい。」

ぽたり、ぽたりと瞳から雫が落ちて、手の中にある便箋を濡らす。至るところに散りばめられた紅葉が涙を含んでは滲んで広がった。

「…拓磨、会いたいよ。」









桜が舞い散る頃に

あそこの景色は綺麗だけど、

「私はあなたがいない世界なんて、耐えられない。」



20100428

依存故の愛情。(キラフレ会話)

「フレイはさ、戦争好き?」

「え?」

「戦争、好き?」

「…そんなわけないじゃない。」

「そっかー。僕は好きだよ。」

「え?」

「だって君の敵を倒せるんだ。ガンダムが僕の思い通りに動くんだ。」

「キラ…。」

「だから、僕のこと好きなら、僕の好きなものを嫌いだなんて言わないで。」

「そうね。私も戦争は好きよ。…あなたのこと愛してるもの。」

「そうだよね。愛してるよ、フレイ。」

「私もよ、キラ。」






依存故の愛情。






キラがいかれてるな!(笑)
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