昔、ものすごく憧れた人がいた。
僕が欲しいもの全部持っていて、足りないものは愛嬌で補う人だった。


今思えば、俺に一番近い人、一番似ている人だったから憧れたのかもしれない。
自分と同じ、なのに自分と違う。行動する人しない人。あいつが光で俺は影。
いや、影じゃなくて光が屈折しているだけなんだろう。



積極的と消極的、どちらが幸せか。
当たって砕けるのがどれほど怖いのか。俺はそれすら知らない。