僕は絵が下手だ。
それだけだ。


一歩夢に近づいた気がした。
気のせいだった。
軽音楽部に入ろうと思った。
でも言い出せなかった。
これも夢の一つから遠ざかる一歩だ。


もっと自由でありたい。
己のみの責任を負い、18年使役した身体を思いきり酷使したい。

くだらないことに力を使い、僕はもう18歳で、夢を見て、ティーンエイジャーの名をほしいままにするのもあと1年。
なにもせずに2ヶ月。

もしもなんて言葉は悲しい。
逃げだ。
現実の至る所にちりばめられている破片を、怖いから、何かあると怖いから、後戻りができないのは怖いから、未知なるものは怖いから、怖いから怖いから怖いから、目を背けて逃げた。

疲れるのがいやなのだろうか、それとももうとっくに疲れているのか。

見習おうと決心した目標は遥か遠くへ去り、想いは消えず、ただただ地平線のその奥を夢想しては、卑小な存在を嘆く毎日。

免許が必要だ。
車があれば、帰らなくてすむ。
僕の世界が必要だ。
誰にも邪魔されない。

一人で考える時間が欲しい。