毎日毎日漫画を読んで過ごしてる皆様こんにちは!(え、読んでないって?)


昨日、家族に「お前はいつ漫画から卒業するんだろうね」と深いため息をつかれました、ゆきおです。


いやぁ、でも我が家族ながらなんてナンセンスな輩なんでしょうね。


卒業?片腹痛し!!


漫画に卒業なんてありません、漫画は日本の文化!観阿弥世阿弥がのたまったように、「芸に完成はない」わけです。


新しい漫画が生み出され続ける限り、地の果てまでだって漫画を追いかける。


それくらい漫画を愛してるよ!


ラブ漫画!


そんな感じで冷めやらぬ私の漫画に対する情熱ですが、最近はたと気づいた。


最近…私、ホモ漫画のレビューばっかり書いてる…!!


イカンイカン、ホモのことしか頭にない人間だと皆さんに誤解されたら私の名誉が大変だわっ(名誉がもともとあったかどうかはおいといて)


というわけで久しぶりに全年齢なレビューですv(かわいこぶりっこ)





■レビュー■

「世界の果てでも漫画描き」は「テルマエ・ロマエ」で一世を風靡しちゃてるヤマザキマリさんのエッセイ漫画。

私はこの漫画を読むまで知らなかったのですが、なんでもヤマザキさんは世界を放浪しつつ漫画家をやってらっしゃるほどの大の「旅行好き」で(しかし、これを旅行と表現するのかがまた難しい感じです)先日、ツイッター上で担当編集さんと「ウェブ公開打ち合わせ」を行ったりして話題になりました。

一昔前までは、田舎の絵のうまい少年は「俺、漫画家さなっで、かぁちゃんを楽させてやっがらな…」などと言って青森駅かなんかから出る夜行列車に飛び乗って、東京に向かい 「編集部」に持ち込みして漫画とプライドををズタズタに引き裂かれながら漫画家を目指したものですが(途中フィクションです)今は便利な世の中、キューバだってニューヨークだってネットでつながってるし、入稿もオンラインだから無問題、ネットさえあれば世界中どこでも漫画家はやれるんですね。成るほど。

そんな放浪漫画家ヤマザキさんが旅…というか異国にちょっとづつ住み着きながら知ったあれこれ、愉快な人々についてをエッセイ漫画、今回はキューバ編。

キューバといえば美しいカリブの海!
陽気な人たち(アモーレの国だからねッ)!

しかし、ヤマザキさんがキューバを訪れた当時、キューバは社会主義の崩壊やらなんやらで非常に貧しく、大変な状態だったとか(ヤマザキさん自身もボランティアとしてキューバを訪れてますし)

「トイレの便座がどこを探しても売っていない」とか、「キューバの重要な輸出品・サトウキビの収穫に人々がまったくやる気を出さない…」etc 冷静に考えると、悲惨なキューバの現実がヤマザキさんの「メゲナイ、マケナイ」性格のお蔭で楽しく切り取られていて、ゲラゲラ笑って読んだあと数回読み直すと「あ…トイレの便座も売ってないくらいキューバの国は貧しいんだ…」と気づく、という 「ためになってかつ面白い」エッセイの醍醐味が詰め込まれた一品に仕上がってます。


巻末にはヤマザキさんのデビュー作であるという「スプレンドール!」という読みきり漫画も収録。

絵画の修復士の女性を主人公にした短編で、ヤマザキさんがアートな世界の住人だということがよくわかる一作。

漫画描いて育ったんじゃなくて、絵を描いて過ごした方なんだろーなー。


エッセイ漫画、ということであまりこのジャンルに馴染みのない方もいらっしゃると思いますが、ためになって面白いので「アンタ、毎日毎日漫画ばっかり読んで…いつ漫画を卒業するん?」と家族に冷ややかな目を向けられた際にも、「こんな面白くてためになる漫画読んでますのよ」と返せていいんじゃないでしょうか(笑)オススメです。