あの明日美子さんがなんと!青年誌に進出された。
モーニングといえば講談社さんの出している週刊漫画雑誌で、かの井上雄彦さんの「バガボンド」が掲載されている雑誌でもある。
井上さんと同じ雑誌にBL漫画家でもある中村さんが進出された。
BLファンとしてこんなに嬉しいことはありません。
単行本に「モーニングKC」と書いてあるだけで感慨深い。
…うん。泣けてきた。
ところが、そんな私の涙を「呼び出し一」は見事に!もう痛快なくらい裏切ってくれました!
中村さんに一生ついてきます。
というわけで前置き長すぎますが早速レビュー。
■あらすじ■
塚地肇、18歳と一ヶ月。
髪にパーマネントをあてた瞬間アラ不思議!
名も知らないけどメチャクチャかわいい後輩の女の子に告白される。
春だ、人生の春。
これから始まるめくるめく日々に胸をときめかせていると、家に帰れば両親はテレビの大相撲に夢中になっている。
肇の両親は筋金入りの相撲バカ。
小さな頃には肇を相撲取りに仕立てようと異常な量のゴハンをたべさせようとするなど、ことあるごとに肇を相撲の道に引きずり込もうとする。
大学受験を前にしてちっとも勉学に励まない肇に、両親が考えた肇を相撲業界に引きずり込むための次なるアイディアはなんと「呼び出し」になること。
呼び出しとは、取り組みの前に「にぃーしー●●山〜」とかコールをする相撲業界の裏方さん。
なんじゃそりゃまったく興味ねぇ!
ところがひょんなことから人生初、生の相撲を見に相撲の聖地・両国にひとり行くことになってしまう。
迷いながら着いた人もまばらな国技館で肇は相撲ファンの美人・ミサキさんと出会う。
ミサキさんは幼い頃は相撲取りになりたかったというほどの筋金入りの相撲ファン。
なんだかよくわからないけど、彼女といると胸がドキドキしっぱなしの肇は、彼女に「きみは呼び出しに向いてる」といわれ、呼び出しになる決意を…するのか!?
■レビュー■
読みながらお腹をかかえて笑ってました。
もう、なんだったんだあの「モーニングKC」の文字を見て涙ぐんだ私は。
すごい作家さんというのはほんとに、何を描かせてもどんなテイストでもすばらしい。
私が笑うも泣くも、明日美子さん次第。
明日美子さんの手のひらでコロコローと転がってれいれば、こんな楽しい世界があったのかとおもうような痛快な笑いの世界にもいけるし、心をえぐるような感情の渦に浸ることもできる。
で、この「呼び出し一」が連れて行ってくれる世界がどんなところかといいますと、へそで茶がわくような笑いの世界です。
主人公・肇は人生初のカノジョに足が浮きまくってるちょいアホ男子。
相撲びいきの両親に「俺は一生普通の体型で普通に働く!」と啖呵を切ったものの、勉学に力をいれるわけでもなく頭の中はつい最近できた彼女のことばかり…というとんでもないアンポンタン(笑)です。
でも、肇はとても憎めない奴で、このまっさらな肇が相撲という不可思議な業界をどう渡っていくのか、そしてできたばかりの彼女と相撲ファンの美人ミサキさんの間でどう揺れ動いて、最終的にどうなっちゃうのか!?というところが今後の見所。
…とまぁ、普通ならここまでなんですが。
私が勝手にイチオシ、最高に気になっているポイントがもう一点あります。
呼び出し「仁弥」さん!!!!
いままでも明日美子さんのキャラには腰砕けてましたが、仁弥さんはもう私の中のメーターを振り切って 一番好きな明日美子キャラ第一位です!
全然喋ってないし、彼がお仕事する様子がチラチラと描かれているだけなのですがそのストイックな魅力に、私の顔面は常に崩壊状態です。
呼び出しさん独特のあの衣装も彼の素敵さに拍車をかけていますです。
か、かっこいい…!
イケメンウォッチングの書としても優秀な(笑)「呼び出し一」、美人もカワイイのもお馬鹿なのも、愉快なのも取り揃えてますので、明日美さんをご存知の方も、そうでない方もぜひ一度!
明日美子さんってなんでこんなに違う作風を使い分けて描けるんでしょう。
もうすごいとしかいいようがない。