本屋二軒在庫無しで、三軒目にて発見しました。やれやれです。



 薔薇十字叢書 第五弾にして、もっともぶっとんだ設定ですな。
 あらすじにもパラレルストーリーとありますが、まさかの孫! 中禅寺夫婦と関口夫婦はともかく(いや、関口くんもちょっとあれだが)、榎さんに孫!
 あの人に嫁なんか来るのか!?(超失礼) 敦ちゃんか!? 他に思い付かんぞ!?

 木場刑事も出ますが、こちらは完全に他人の空似です。部下の名前は青木と木下ですが、木下さんのほうがこけし顔と言われてます。


 さて。ストーリーですが、折り返しの作者コメントで作者の三門さんが「好きなのは『姑獲鳥の夏』と『陰摩羅鬼の瑕』〜」ということで、その二作を思わせる作品でした。
 ちなみに登場人物のひとりは『陰摩羅鬼〜』で登場した由良伯爵の子孫という設定でしたね。

 しかし、だ……。何故に中禅寺孫と榎木津孫は女の子かね……。関口ハーレムとか、誰得かね。むしろ、関くん女子の方が私は嬉しいよ。逆ハー可だよ。守られる関口くん(女子)とか可愛いじゃないか。
 ……ん? それだとあんまり本編と変わらないか?

 しかし、それにしてもカラー口絵の“開けたらドッキリ”はいらんわ。まあ、これは私が女だからというのもあるんでしょうが。『天邪鬼〜』も、男性から見たらちょっとなぁ。だろうし。

 最後の辺で、じいちゃんな京極堂が登場してますが、「(関口祖父は)出がらしを玉露と偽って出したら、気付かなかった」といっており、孫は「祖父ならありそうな事だ」といってますから、まあ、皆さん、あんまり変わってないのだろう。
 榎さんも変わってないようだしね。孫に大人げなく、「探偵は僕だけ〜」みたいな事をいっているようだし。


 全体的を通して、普通に面白かったです。もうちょっと脇役を掘り下げてほしかったなぁとは思いますが。
 しかし……挿絵を見る限り、皆、可愛すぎますね(苦笑)。特に京極堂孫。しかめっ面の挿し絵が全然無いぞ。