彼は「リネージュU」というネットゲームをやっている、という事は理解した彼女。そして質問は続く。

「どうして電話にでなかったの?」


「ああ・・・・・・PT中だった」


「なにそれ?ふざけてないでこっちむいてちゃんと話して!」


怠そうにゆっくりとこちらに振り返った彼を見て彼女は驚愕した。

何日も風呂に入ってないのがわかるボサボサの脂ぎった髪、目の下には遠目でもわかるほどのひどいクマ、頬から顎に剥けてカビのように生えた無精髭。

自分が愛していた彼とは別人のような姿を見た彼女は既になにかを諦めたような口調で言う。

「仕事はちゃんといってるの?」


「ん・・・ああ・・・有給とった・・・・・」
その言葉を最後に彼女は何もいわず部屋を後にした。




半年後、彼女の元に一本の電話がなった。

あの彼の母親からだった。
話を聞くと、会社から実家のほうに彼が仕事に来ていないとの連絡がきたらしい。彼女とまだ付き合っていると思っていた母親は彼の様子を見てきてくれないかと彼女に頼んだ。

どうしても断れなく、しかもあの時の彼の状態をいいずらかった彼女は渋々了承し、電話をきった。


しかたなく彼女は電話をかけてみる。

でない・・・・・・

メールを打ってみた。

「仕事どうしたの?」
「お母さんから電話があったよ?みんな心配してるよ」



返事がきた!


続く