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深紅の碑文(上田早夕里)


上下巻に渡る壮大なSF小説。前日譚『華竜の宮』は必読のこと。
近未来、人類滅亡の危機である〈大異変〉を近い未来に備えた地球。人類は陸上民と海の上に魚舟と生きる海上民に分かれて争っていた。
海上民の海賊であるラブカの一団を率いて陸上民を襲撃して暮らしているザフィール、陸上民と海上民の調停に努めながら救援団体パンディオンを率いる『華竜の宮』の主人公青澄。宇宙に憧れロケットを飛ばすことを夢見るユイ。この3人を中心に話は進んでいく。
ザフィールで現実を、ユイで夢を、青澄で理想と現実の折衷の難しさが描かれていて、様々な立場の人間がしっかと描写されている。
最後は少し予定調和にも感じたが、ぐいぐいと引き込まれて大変面白かった。

時砂の王(小川一水)


お久しぶりです、くさつにです。久々の更新になりますね。実はブログの存在が忘却の彼方でした。
何事もなかったかのように本の感想行きます。

大雑把に言うと、時間SF。ただし異星人との戦いもの。
地球が異星人・ETに攻め込まれて、地球人は太陽系の外に逃げたけど、ETは過去の地球にまで攻め込んで地球人を殲滅しようとして、それを防ぐためにメッセンジャーと呼ばれる存在が過去の地球へ向かう……という話。
メッセンジャー・オーヴィルが今まで渡って来た時間枝(22世紀の地球、第二次世界大戦下の地球、人類が生まれたばかりの地球)と、かなり歴史が改変された状態の邪馬台国とが、オーヴィルと彌与=卑弥呼の視点で交互に語られていく。
時間を超えた壮大な戦いはとにかく熱いし、オーヴィルはどこまでも人間的だけど超然ともしていて、彌与は毅然としていて超格好良いし、とにかく面白い。邪馬台国の解釈もなかなか斬新。
SF好きにも歴史好きにもオススメしたい一冊。
他にも小川一水の本を読みたいなあ。
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