個人的感想を書いています
ネタバレにご注意下さい
文才皆無です、長文・乱文にご注意下さい





この本は連作短編で構成されており、それぞれの小説の主人公は皆『友達』の意味を見失い、探し求め、やがて見つけていく物語となっている。それらは決して、ご都合主義な話ではなく全てが円満に解決するわけでもない。とても現実的で甘えがない、読んでいて何度も辛くなった。が、読み終えたあとの幸福な気持ちとなんとも言えない余韻がとても心地よかった。

それぞれの短編には必ず一人の女の子が登場する。いつもぶっきらぼうな言葉で素っ気ない態度、でも友達想いの優しい女の子。いつも小説の要所要所で登場し、彼女の何気ない言動で悩みを抱える主人公達が『友達』の意味に気付く。不器用でさりげない言葉や優しさが彼女らしい。

登場人物達が抱えている人間関係の悩みは、身を持って経験している人は特に共感出来るのではないだろうか。

出来れば学生のうちに読みたかった。そう感じているからか、今まさに学校に通っている人に是非とも読んでほしいと思っている。だからと言って読書感想文といった強制的に読ませたりするのではなく、例えば図書室にこの本がさりげなく置いてあり、何気なく手に取った子供がそれとなく読み、悩んでいる人間関係に光が…それこそ何かのヒントになればいいな、と願う。




とても良い小説に出会いました。