2011-11-12 18:37
※オリジナルのお話
大分間を開けましたね、いや、でも誰も読んでないと思うので。
↓追記にて
自分で首を掻き切った。
『彼女』は“死の概念”すら無いんだ、死ねないのなら自傷行為をしてもなんら死に関わりが無い。そうだ。
一応首を軽く縫い、包帯を取り出すとチェシャ猫が包帯の端をくわえ、帽子屋の首に巻き出した。
少しキツメに。
「痛い、痛いよチェシャ猫君。」
「ざまあみろっ!自業自得だ馬鹿!」
そう言いながら、その小さな体で帽子屋の首に包帯を巻き付けていくチェシャ猫は器用にも程がある。
痛がりながら、帽子屋は呟いた。
「……『彼女』に“死の概念”が無くとも早く傷が治るなんてこと無いらしいね?」
チェシャ猫は器用に包帯を端に結んでから、喋り出した。
「どんな生き方したらあんなんなるんだよ。」チェシャ猫は小さく表情を歪め悪態をついた。「自分は不幸です、って顔しやがって。ああいう奴が一っ番大っ嫌いだ。」
その言葉に帽子屋は苦笑いを溢した。それに気付いたチェシャ猫は申し訳無さそうに俯いた。
「ごめん、帽子屋……。」
「……良いのだよ、私は君に会えて“笑う”ことを知ったのだからね。」
有り難う、帽子屋は言いながら血塗れのYシャツを正した。上着はとりあえず持っていることにする。
チェシャ猫は軽やかに帽子屋の肩に飛び乗った。
「……アリスに私の隠れ家は教えておいたから、迎えにいこうか。」
「面倒だなぁ……。」
帽子屋は苦笑しながらチェシャ猫の頭を優しく撫でてあげた。
見上げた青空
血塗れた土山
血塗れた青空に救いは無い