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電子獣:灯火-2

「ぅ…、ットウカ!」

意識を取り戻した彼は飛び起きて、傍らに倒れる大切な少女の姿を確認すると直ぐ様その体に怪我がないが確認する。
幸いにも外傷は見当たらず、ただ気を失っているだけのようで。彼は彼女に擦り寄った。

「…ぅ、ん………ッウィザーモン!」
「良かったトウカ!」

飛び起きた少女が自分の名を呼んだことに歓喜して、はた、と体の変化に気が付いた。

「ウィザーモン!、じゃない…ルーフモン、無事で良かったぁッ…!…」
「トウカ…!」

小さく、灰色の毛むくじゃらな体にちょこん…とした四つ足。ふさふさとした二本の鍵尻尾。琥珀色の三つ眼――つまりは、幼年期まで退化していた自分にルーフモンは驚いたが、気を失う前の出来事を思えば頷けた。

「エテモン…!」

トウカも同じように思い出していたようで。歯を噛み締めた音が聞こえるようだった。

「太一…メタルグレイモン…」

トウカが胸元に提げる琥珀のペンダントと、未だ空のタグを握りしめた。

「タイチたちなら、きっと大丈夫」
「ルーフモン…」
「ね?」

見上げるルーフモンに頷いて、トウカは彼を抱き上げて立ち上がった。

『歪み』に巻き込まれた仲間が、置いてきた仲間が心配でないわけはない。なら尚更、早く帰らなければ。

何か手掛かりになるものはないかと周りを見回したトウカは、視界の向こうに映ったそれに誘われるよう、足を進めた。
曇天よりも曇った空。濃灰の木々や土。そして、開けた目の前に広がるのは――

「……海、…?」

黒い、大海原。
穏やかな、引いては返す波。ザザン、ザザン…と響く波音に、覚えてもいないだろう胎内を錯覚して。

少女は愛しい獣に縋るよう、抱く腕にキュッと力を籠めるのだ。

……………
無印【エテモン】辺り←タイトル忘れた;

うちの燈花は
ルーフモン(ウィザーモン)共々、太一たちと一緒に歪みに飲み込まれる→着いた先は現実世界ではなく暗黒の海/(^P^)\
此処で一悶着あって『導』の紋章を手に入れる…だがしかしぃ!!な展開にしたいです←←

デジモソ:灯火

「なんでオレ、進化できないんだろ…」

アグモン、ガブモン、ピヨモン、パルモン、ゴマモンは進化した。そして今や連続しての進化も可能なほど、強くなってきている。
進化できていないのは、自分とパタモンのみだ。

「トウカ、オレ、どうして進化できないんだろ…。オレ、足りないのかな。トウカを守りたいって気持ち、足りないのかな…」
「そんなことない。そんなこと、言わないで?インプモン」

目線を合わせるために燈花はしゃがみ、大切なパートナーの黒紫の体をぎゅうっと抱き締めた。

「トウカ…、でもオレっ…」
「確かに、インプモンはまだ進化できてない。だけどね、私はインプモンに何度も助けてもらったよ」

夜眠る時。闇を恐れた時。光を畏れた時。黒い歯車に震えた時。
すべての時、傍らにあったぬくもりのお陰で少女は立っていられたのだ。

「…逆に、私は、インプモンに必要なのか、そう不安になるの……」
「っトウカはオレのパートナーだ!オレだけの、パートナーだ、から……、そんなこと言わないで…!」

燈花が寂しげにその琥珀色の瞳を揺らせば、インプモンが強く言葉を返した。

互いに互いを思い合うばかりに生じたすれ違い。けれど、そのすれ違いさえ、この一人と一匹は力に変えてゆく。

互いを導き合い、離れないように手を繋ぎながら。

「オレの、オレだけの、大切なヒト……トウカ」
「うん?なに?インプモン」

「オレ、守るから」


小さいままでも。秘める想いは負けはしないから。

「守るから、トウカ」
「…うん。私も、あなたを守るからね、インプモン」
あたたかく笑うキミを。
傷付けるすべてから、余すことなく。

そして、願わくばその傍らに自分が在れますよう。

……………
無印【闇の使者、デビモン】辺り。

*辰真燈花(タツマトウカ):ヤマト兄弟の幼馴染み。クレスペールと日本のダブル←。父子家庭。紋章はベージュの『導(ミチビキ)』。
*インプモン(→ウィザーモン):パートナーデジモン。燈花大好き。なかなか進化できない事など、色々コンプレックスを抱えている模様。

マイナーもマイナー。パートナーのデジモン相手の話って需要有るのか?いやもうそんなん気にしなーい\(^O^)/


…でも反応在ったらすごく嬉しい←
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