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悩みの種

セージ「オレは……、オレはさ」

フラット「……うん」

セージ「もうちょい派手な特殊能力が欲しかった」

フラット「……?」

セージ「こう、主人公らしい感じの、見栄えする感じのが欲しかった」

フラット「特殊能力あるだけいいと思うんだけど……。まあ、何が出来るかって刃物なら何でも使えますってのも、字面だと地味かもしんないなぁ」

セージ「何か特別な力とかさ」

フラット「お前中二病なの?」

セージ「だってさ、だって!周りのキャラが濃すぎて霞むんだよ!存在感が!皆いろいろな過去があって、妙な個性もあるのに、オレのは薄いんだよ、インパクトがさ!!」

フラット「つっても、特殊能力自体は希少なんだが。俺達はただ力が強いってだけだし……」

セージ「まあ……、グレンとオレだけなんだし、そう考えると、」

フラット「え、ルシアもだぞ?あと……リアと博士も入れとくか。あー龍も入れる?」

セージ「え?……ルシア?」

フラット「何だ知らなかったのか。まあいいや、お前ルシアの支持率って知ってる?100%だそうだ」

セージ「へえ……凄いなぁ、よっぽど慕われてるんだな」

フラット「普通そんなことは有り得ないんだよ。いくら好かれていようと、いくら万人に向けられた物でも、人は一人一人違う考えがあって思考も違う。全てに受け入れられるなんておかしい」

セージ「んー。まあ、当然っちゃあ当然だけど……。でも事実ルシアは受け入れられてるんだろ?」

フラット「……力ずくで受け入れさせられたんだよ、反対した奴は」

セージ「えー、と?力ずくって、どうやって?」

フラット「あいつ、直接脳に干渉して自分と同調させんだよ……。まあ平たく言えば洗脳」

セージ「……え」

フラット「今の地位に就いたのはまあ実力だろうけど、そんな能力も暗躍してたんだろうな」

セージ「そういうダークな能力じゃない分、オレ幸せかもな」

フラット「今の力、主人公らしいよ。それに何より、セージかっこいいじゃん。優しいし。俺今のセージ大好きだよ」

セージ「な、なんだよ、照れるじゃないか。恥ずかしげもなく言ってのけて……!!」

フラット「あはー。変な意味じゃないからな」

セージ「わかっとるわ!」
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