田中さんにもらった
忘れられない言葉。
私の事を、大事な人って
少しでもそう思ってくれる人がいてくれて…
しかし、世の中そんなに甘くないんですね。
葛原さんと田中さんが、2人で飲みに行ってしまったのです。
20歳くらいの男の子2人ですよ。当然のように、女の話になるでしょうよ。
葛原さんが、「江梨子と付き合っていたのに、突然振られた」と漏らしたのです。
なんてことでしょう。
なんてことでしょう。
その夜、田中さんからメールで言われました。
「葛原と付き合ってたんだって?」
血の気が引きました。
言い訳はできません。
ただ、
「えっと…付き合ってたつもりはないけど…葛原さんが言ったんですか?」
とだけ。
実際、私は付き合っていたつもりはなかったんです。ただセックスしただけ。
でもそんなこと言える訳なく、私は何も言えず。
田中さんから連絡はなくなりました。
当然です、私がすべて悪い。
その数年後、田中さんの弓道部後輩から、田中さんが私を本気で思っていてくれたこと、裏切りが許せなかったことを聞きました。
いつかどこかで会ったら、人として最低な行動で田中さんに迷惑をかけたことを謝りたい。
もしあの頃に戻れるなら、選択を間違わず、田中さんの隣に行きたい。
田中さんの歌う、
CHEMISTRYの『君をさがしてた』が懐かしいです。