TOX2/ジュード女装/キャラ&口調崩壊気味/何があっても許せる
2020-10-25 17:20
女子校に潜入!?
自宅でエルと一緒に朝食を食べていると、突然聞き覚えのある着信音が部屋中に響き渡った。
誰だろうか。小首を傾げながらもルドガーは椅子から立ち上がるとソファーに放置していたGHSを手に取る。
画面に表示された"それ"を目にした瞬間、ルドガーの表情が険しくなる。一瞬出るか出ないかで迷ったが、出なかったら出なかったで後々面倒なことになるだろう。
はあ、と溜息を吐いてからルドガーは意を決してGHSを耳に当てた。
───借金で困ってるルドガー君に良い仕事を紹介してあげよう。
借金でルドガーを困らせている張本人リドウからもたらされた仕事の内容は『とある要人の娘の護衛』だった。それをルドガーの自宅に集まった仲間達に話す。
リドウから、と言う時点で怪しいことこの上ないが、依頼主である要人の名を出すと、どうやらジュードはその要人を知っているようで「ああ、あの人か……」と呟く。
「なんだ、ジュード知ってるのか?」
「あ、うん。彼は源霊匣開発の協力者だよ」
ジュード曰く、その要人は数少ない源霊匣開発のスポンサーらしい。なるほど、それでアルクノアに狙われているわけか。源霊匣開発への資金を止めなければ娘に危害を加えるとかなんとか脅迫されたわけか。
ジュードもルドガーと同じ考えに至ったのか、険しい表情を浮かべて俯いてしまった。優しい彼のことだ「自分達に協力しているせいで関係ない人を危険に晒してしまった」と気に病んでいるのだろう。
落ち込んでいる親友を元気付けようと口を開きかけたが、ルドガーが喋るよりも先にアルヴィンがジュードの肩に腕を回す。
「大丈夫だって!まだ危害は加えられてないんだろ?これから俺たちでその娘を護りゃ良いんだ」
「アルヴィン……うん、そうだね」
アルヴィンの元気付けで幾らか気分が浮上したようだ。先を越されてしまったが、ジュードが元気になってくれたのならそれで良い。
それよりもこの仕事には大きな問題が一つある。
「盛り上がってるところ悪いんだけど……この仕事、皆でってわけにはいかないんだ」
「なに?問題でもあるのか?」
ガイアス──じゃなくて、アーストが静かに眉を寄せる。
流石リーゼ・マクシアの王様。眉を寄せただけなのに迫力がある。いやいや、今はそんなこと考えている場合ではない。アーストの圧で危うく脱線しそうになった。
余計な考えを振り払うように首を横に振ってから改めて口を開く。
「要人の娘さん、全寮制の女子校に通ってるらしいんだ」
「全寮制の」
「女子校」
「ですか?」
何故かジュード、レイア、エリーゼが分担してルドガーの言葉を繰り返す。
全寮制の女子校と言うことは即ち男子禁制でもある。もちろん男であるジュード、アルヴィン、アースト、ローエンは立ち入ることは出来ない。
あれ、でも、とレイアが首を傾げる。
「ルドガーはその女子校に入って良いの?」
「ああ、俺は寮のコックとして潜入することになっているからな」
この仕事を受けると決めた時点でリドウが既に手配してくれているのでルドガーは問題ないだろう。問題があるとしたらルドガーと一緒に女子校に潜入してくれる仲間だが。
「女子校なら私に任せて!」
「わ、私もお役に立ちます!」
レイアとエリーゼなら女子校に潜入しても周囲から特に疑われることはないだろう。それに同じ生徒になれば護衛もし易いだろう。うん、この二人は決定だな。あともう一人くらい欲しいところだが、残りの女性陣であるミラとミュゼは──流石に学生として潜入するのは無理があるか。やっぱり三人で潜入するしかないかと諦めかけたその時だった。ローエンが徐にルドガーの肩を叩く。
「適任者、もう一人いるじゃありませんか」
「……え?」
適任者とは誰だろうか?まさかエルのことか?いや、そんなまさかな。でも他に適任者なんていただろうか。
ローエンがにこやかにある方へ目を向ける。ルドガーもつられて同じ方へ目を向けた。
二人の視線の先にはジュードが立っていた。
「え?僕?え、嘘、冗談だよね……?」
ルドガーとローエンの視線を受けたジュードが顔を強張らせる。
確かにジュードは元から可愛い顔をしているし、身長もそこまで高くないし、細身だから女の子の服を着ても違和感はない、と思う。
いや、無理、絶対に無理だから、とジュードが必死に声を上げてる中、ローエンが笑いながら「私の手に掛かればジュードさんも素敵なレディになりますよ」と何処からかメイク道具を取り出した。いや、本当に何処から持ってきたソレ。
「私もジュードの女装みたいです!」
「じゃあ、私の服貸して上げる!」
エリーゼとレイアも乗り出してしまった。こうなればもう止められない。
部屋を貸してください、とローエンに言われルドガーは自分の部屋を提供する。
エリーゼとレイアに引き摺られていくジュードは珍しく涙目だった。
助けて、と叫ぶジュードをルドガーたちは見送る。無情に閉まるドア。合掌。
誰だろうか。小首を傾げながらもルドガーは椅子から立ち上がるとソファーに放置していたGHSを手に取る。
画面に表示された"それ"を目にした瞬間、ルドガーの表情が険しくなる。一瞬出るか出ないかで迷ったが、出なかったら出なかったで後々面倒なことになるだろう。
はあ、と溜息を吐いてからルドガーは意を決してGHSを耳に当てた。
───借金で困ってるルドガー君に良い仕事を紹介してあげよう。
借金でルドガーを困らせている張本人リドウからもたらされた仕事の内容は『とある要人の娘の護衛』だった。それをルドガーの自宅に集まった仲間達に話す。
リドウから、と言う時点で怪しいことこの上ないが、依頼主である要人の名を出すと、どうやらジュードはその要人を知っているようで「ああ、あの人か……」と呟く。
「なんだ、ジュード知ってるのか?」
「あ、うん。彼は源霊匣開発の協力者だよ」
ジュード曰く、その要人は数少ない源霊匣開発のスポンサーらしい。なるほど、それでアルクノアに狙われているわけか。源霊匣開発への資金を止めなければ娘に危害を加えるとかなんとか脅迫されたわけか。
ジュードもルドガーと同じ考えに至ったのか、険しい表情を浮かべて俯いてしまった。優しい彼のことだ「自分達に協力しているせいで関係ない人を危険に晒してしまった」と気に病んでいるのだろう。
落ち込んでいる親友を元気付けようと口を開きかけたが、ルドガーが喋るよりも先にアルヴィンがジュードの肩に腕を回す。
「大丈夫だって!まだ危害は加えられてないんだろ?これから俺たちでその娘を護りゃ良いんだ」
「アルヴィン……うん、そうだね」
アルヴィンの元気付けで幾らか気分が浮上したようだ。先を越されてしまったが、ジュードが元気になってくれたのならそれで良い。
それよりもこの仕事には大きな問題が一つある。
「盛り上がってるところ悪いんだけど……この仕事、皆でってわけにはいかないんだ」
「なに?問題でもあるのか?」
ガイアス──じゃなくて、アーストが静かに眉を寄せる。
流石リーゼ・マクシアの王様。眉を寄せただけなのに迫力がある。いやいや、今はそんなこと考えている場合ではない。アーストの圧で危うく脱線しそうになった。
余計な考えを振り払うように首を横に振ってから改めて口を開く。
「要人の娘さん、全寮制の女子校に通ってるらしいんだ」
「全寮制の」
「女子校」
「ですか?」
何故かジュード、レイア、エリーゼが分担してルドガーの言葉を繰り返す。
全寮制の女子校と言うことは即ち男子禁制でもある。もちろん男であるジュード、アルヴィン、アースト、ローエンは立ち入ることは出来ない。
あれ、でも、とレイアが首を傾げる。
「ルドガーはその女子校に入って良いの?」
「ああ、俺は寮のコックとして潜入することになっているからな」
この仕事を受けると決めた時点でリドウが既に手配してくれているのでルドガーは問題ないだろう。問題があるとしたらルドガーと一緒に女子校に潜入してくれる仲間だが。
「女子校なら私に任せて!」
「わ、私もお役に立ちます!」
レイアとエリーゼなら女子校に潜入しても周囲から特に疑われることはないだろう。それに同じ生徒になれば護衛もし易いだろう。うん、この二人は決定だな。あともう一人くらい欲しいところだが、残りの女性陣であるミラとミュゼは──流石に学生として潜入するのは無理があるか。やっぱり三人で潜入するしかないかと諦めかけたその時だった。ローエンが徐にルドガーの肩を叩く。
「適任者、もう一人いるじゃありませんか」
「……え?」
適任者とは誰だろうか?まさかエルのことか?いや、そんなまさかな。でも他に適任者なんていただろうか。
ローエンがにこやかにある方へ目を向ける。ルドガーもつられて同じ方へ目を向けた。
二人の視線の先にはジュードが立っていた。
「え?僕?え、嘘、冗談だよね……?」
ルドガーとローエンの視線を受けたジュードが顔を強張らせる。
確かにジュードは元から可愛い顔をしているし、身長もそこまで高くないし、細身だから女の子の服を着ても違和感はない、と思う。
いや、無理、絶対に無理だから、とジュードが必死に声を上げてる中、ローエンが笑いながら「私の手に掛かればジュードさんも素敵なレディになりますよ」と何処からかメイク道具を取り出した。いや、本当に何処から持ってきたソレ。
「私もジュードの女装みたいです!」
「じゃあ、私の服貸して上げる!」
エリーゼとレイアも乗り出してしまった。こうなればもう止められない。
部屋を貸してください、とローエンに言われルドガーは自分の部屋を提供する。
エリーゼとレイアに引き摺られていくジュードは珍しく涙目だった。
助けて、と叫ぶジュードをルドガーたちは見送る。無情に閉まるドア。合掌。
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