先日、マイカサンにメールをしたのですが、追伸で勧めていただいた映画を観る予定だと妹壱号に話したら隙あらば壱号が勧めてくる『拷問男』と言う映画があり、それをマイカサンに勧めてもらって私に観てほしいと罷り通らない事を言ってますが、ほっといて下さいねと書いた所、マイカサンが観る事態になってました。何でやねん!どうしてこうなった!あれ振りじゃないんですよマイカサン!どうして観ちゃったんですか!行動が早い!いや、もうこれ私のせいですけどね。私が余計な事を言ったばかりに。私のせいだ。助けてオカリン。観てないけど人に勧める映画じゃないよタイトルからして。罪悪感が涌き出て来るわいな。壱号に報告したら布教出来て良かったですと嬉しそうにしてました。何か知らんけどいつの間にか拷問男包囲網が出来てる。この2人が裏で繋がってるのではないかと一瞬、思ってしまいました。禊の為にもいつか観ます。


そんなこんなで今日は騙し絵の牙とマイカサンから勧めていただいた怪怪怪怪物!を観ました。以下、感想。



『騙し絵の牙』

いつ振りか分からない邦画。予告で見た時はサスペンス要素があるちょっと重い内容の映画なのかと思いましたが、実際に鑑賞してみたら思っていたよりもコメディな要素もあり、フランクに観れましたね。ちょっと思っていたのと違った。最近の観た映画で言えば女神の見えざる手に近い気がしました。主演の大泉サンが演じる速水が飄々とした態度で人が言い難い事も歯に衣着せぬ物言いをし、観ていて痛快で面白いキャラです。「人を騙して面白いか」と聞かれて「面白い」って即答しちゃう人。ただ飽くまで見てる分にはなので、自分の周りに居たら厄介かもしれない。実際、劇中でもあまり好かれていない人でした。それも含めて良いキャラ。キャラも面白いのですが、速水が雑誌存続の為に周りを引っ掻き回す策略も見ていて面白いです。そんな速水に振り回される新人編集者の高野チャンも本を愛し、自分の意志を持って一生懸命行動する姿は速水とは対照的でありながらも良いコンビでした。速水みたいなキャラに対して対照的にするのならただただ綺麗事を言うキャラが来そうなもので、それならきっと私は嫌だったのですが、高野チャンの発言には共感出来る事も多く好印象でした。二転三転するのは面白かったですが、大体、予想はついたり出来ます。最後はあんな終わり方をするとは思いませんでしたが。KIBAの意味も何かあるとは思いましたがあんなに単純だったとは。気付きたかった。騙されたと言う所までは行かないですが、久々に観た邦画が面白くて良かったです。本好きの方ならもっと刺さる映画かもしれない。前述の女神の見えざる手の方が好きですが。速水と東松が客で勝手にレースしてるシーン好き。後、そんなに出番はありませんが中村倫也サンが格好良い。好き。



『怪怪怪怪物!』

パッケージとタイトルからシンプルにホラー映画と思ったのですが、ホラー映画ではあるものの別の怖さがあるホラー映画です。スプラッター要素はあるのですが、直接的な描写は殆どないので個人的にはグロくはないです。血はタランティーノ映画位流れる。怪物が出て来るだけでもシュールなのにその怪物を通していじめっ子といじめられっ子が謎の親睦を深めると言うのがシュールさに拍車をかけています。しかし、怪物も元は人間で家族を思いやる姿はただの人間なんですよね。なので怪物への虐待も彼等の日常的に行われるいじめと何の変わりもなく、怪物だからと言って免罪符も何もないです。いじめの対象が怪物になった事により人間の醜悪な部分がより浮き彫りになり、人間と怪物の境目が曖昧にさせられます。最早、人を襲う怪物が実際居るのに人間の方が怪物に見えてきます。全員悪人ならぬ全員怪物と言うまさにアウトレイジ。怪物と言う共通の秘密を共有する事により、いじめられっ子がいじめっ子のグループに加わり、いじめの対象が怪物に移ります。自分を守る為にもいじめられっ子は怪物を虐待し、その時点で自分をいじめていた奴等と同じになってしまった訳ですが、この点が割と主人公が非難される点の1つではあるものの、今までの境遇を考えると割とやってしまうのではないかと思いました。完全に被害者とは言えなくなってしまいましたが、彼にしか解らないけども、1人ではとても抱えきれない恐怖や葛藤や罪悪感があのエンディングに繋がったかと思います。胸糞ではあったかと思いますが、因果応報と言えるあのエンディングを見てそこまで胸糞とは思わなかったです。全然、ハッピーエンドではないんですけどね。怪物の姉妹も勝手な言い分ですが、あの様な結末とは言えあれで良かったのかもしれないと思ってしまいました。それにしても中国や韓国の映画のイジメのシーンは過激なものが多い気がしますが実際はどうなのでしょうか。いつも気になりながら観てます。それから劇中で偶にポップな表現だったり、コメディが含まれているのですが、前述とのギャップが凄い。温度差でグッピーが死ぬやつ。我愛羅とフリーザ様のメイクを老人に施してジャンプフォースが始まったのは笑った。何だかんだで奉仕活動に着いて来てくれるいじめっ子とか怪物も空気を読んだりとかも笑えました。孫文パワーが1番面白かった。偶にどう言う事って思う事もありましたが。あの御爺チャンは何で死んだのですか。そんなこんなでタイトルやパッケージの地雷感が凄く、私もきっと勧められなければ観てなかったでしょうが面白かったです。



(詳録211208)