ショーウィンド越しの商品が、やけに魅力的に思えるのと同じことなのだと思う。
普通にコミュニケーションを取って普通に仲良くなって、
普通に楽しく集団でまとまっている人々が時々羨ましくなる。

集団が苦手で、一人で居ることが何より好きで
価値観がそれとなく人とずれていて、あらゆる場面においていわゆる『少数派』で、
多分結構生きづらい性質だ、これは。

羨ましいなあ、と、ときどき同化してみようともがいてみるんです。
けれどどうしても水と油。
パッと見の色は似ているのに、その実はじき合って交わることは叶わないのです。
それが悔しくてやるせなくて、
けれど同時に「それが私」なのだと思う。
普通って、誰が思っているよりずっと難しくて貴くて、全然「ふつう」なんかじゃない。
だからきっと、私が「普通に幸せそう」だと羨む人々もきっと、普通ではないんだと思う。


ショーウィンドの先でキラキラ輝く宝物を覗き込んでいるんです。
あれが欲しい、そう思って手に入れた途端に何だかくすんで見えてしまう。
そんなものなのです。
手に入らないからこそ美しく見える、情景への賛美。

私はガラスの前で立ちすくむただの人間で、
ディスプレイされた美しさを手にすることは叶わないと、
受け入れて、割り切らなければならないのです。
そうじゃないとずっと苦しいままだ。


話題:ひとりごと