《また、会えたね》

また、もう一度会えるのであれば・・・・






「ふぅ・・・」

向こうの世界からこちらに戻ってきて私は龍神の神子から普通の高校生へと戻った

ここは怨霊もいないし、戦いもない
改めて自分は平和な世界で過ごしていたのだなと思った



あかねは学校が終わると、桜並木の道を歩いていた

ここは桜が綺麗で春になるとあかねは毎日通っていた

でも今は秋のため桜は咲いておらず、葉が赤く色づいているだけだった

あかねはまたため息をついた

以前、一度だけ他の時代の神子や八葉と会う機会があった


その時あかねは、自分たちより何百年も後の八葉に心を奪われてしまった

しかし、時代が違うため何度会いたいと願ってもそれは叶わず、ここまで来てしまった

また会いたい・・・・もう一度だけでいいから・・・



彼はまるで桜のように綺麗で、人の心を捕らえてしまう人だった

「はぁ・・・・」

あかねは何度目かのため息をついた


「どうしたんだい?ため息なんてついて・・・」

「別にため息なんて・・・・・え?」

あかねは後ろからの声に振り向くとそこにはいるはずのない人が立っていた

「ひ、ヒノエくん・・・・?」

「やぁ、元気だったかい?あかねちゃん」

「どうして、ここに・・・・?」

「言ったろ?また会えるって」


そう、以前あかねの夢の中でヒノエとあかねは指切りをしてまた逢えると約束した

それが現実となったのだ

あかねは泣きそうな気持ちを抑え、下を向いた

ヒノエはあかねに近づき、優しく肩を寄せ抱きしめた

「会いたかったよ、ずっと」

「私も・・・会いたかった」

あかねはヒノエの背中に腕を回し、力をこめた




もう二度と離れない、だって私の心はあなたに奪われてしまったんだから・・・・







今日はお友達の誕生日なので、捧げさせて頂きます

おめでとうございます♪