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狐、再会〜


竜宮城の檻で登場する冴が、光の速さでいなくなってしまいました。あれー?

ちょっと少なめの更新になりましたが、よろしかったらどうぞ!

あと先日の猫の日に、この日記にて一年ぶりの猫・犬の日話を書きましたので、よろしかったらこちらもどうぞ!! 

拍手お返事、停滞しており申し訳ありません!後日お返し致します。

猫の日と聞いて!2016


一年ぶりの猫と犬の日シリーズです。
去年の犬の日はお話しが浮かばなかったためスルーしてしまいましたが、今日は行きますよ!ハイレッツラゴー!!


*****


獣王のいる城の周辺一帯の子供たちは、学校に通う義務がある。
そして城下で一番!王室御用達!がうたい文句の服屋の息子たちも、元気に学校へ通っていた。

「おかあ!いってくるにゃ!」

「いってくるにゃ!」

「おー。気を付けてな」

まだ開店前の店の入り口から、子供がきゃあきゃあ言いながら跳び出す。彼らから少し遅れて犬頭の獣人イギュがのろのろと出てきて二人に手を振った。
手を振り返して、ダダダっと走ったかと思うと、兄のプローははっと思い出したように立ち止まる。
そして母を振り返り、

「おかあ!俺らが帰るまで、まだ産まないでにゃ!」

「ガマンするニャ!」

そういって二人して「がんばってにゃー!」と叫ぶと、改めて学校へと走っていった。
残されたイギュはというと、家の前で、しかも大声でまだ産むなだの、ガマンだの叫ばれて、恥ずかしそうに顔を覆う。

「我慢ってったって、勝手に出てくるんだから仕方がねぇだろうが…」

言いたい放題の性格は誰に似たんだか、絶対にあいつに違いない、と店を見上げる。
二人目の時に、マヤに産んでらおうという作戦が敢え無く失敗して、それからイギュは子供を理由にマヤに迫るのはやめていた。
かといって、いまだにマヤをニャンニャンするには至っていないのだが、子育ての忙しさのせいか、そのような欲求も薄くなってしまっていたのだ。

そして、先ほど出かけていった子供たちの弟のほう、キオンが学校に入学したのを見計らったように、マヤに迫られ、現在3人目を妊娠中である。

「お前も犬頭かな〜。そろそろ猫頭の子供も見たいんだけどなぁ」

そうポツリと呟いて、腹を撫でていると、家の中から声がかかった。

「イギュ〜大丈夫にゃ?もう産気づいたニャ?」

そしひょこっと、猫頭の獣人で夫のマヤが顔を出す。
どうやらマヤが数年、子供を欲しがらなかったのは、自分の忘れ物を届けた際に産気づいて、ちょっとした難産だったことが理由だったようだ。
イギュとしては、産んでしまえば子供は元気だし、産後も良好だったので、あまり気にしていなかったのだが、「苦しい思いをさせてしまったけど、それでもまだ子供がほしいにゃ」と真摯に訴えたマヤに愛を感じてしまったりしている。

今も、すぐに戻ってこないイギュを心配して、様子を見に来たらしい。

「大丈夫だよマヤ。心配しすぎだ。

オラ、仕事するぞ」

「えぇ〜!今日は一緒に、出産に備えて大人しくしようにゃ!」

「何でマヤまで大人しくするんだよ。同じ家にいるんだから、すぐに知らせるってば!」

「いたっ痛いにゃ!尻尾ひっぱらないでほしいニャ!」

そうして中に入っていく二人を、ご近所の獣人たちは「相変わらず新婚みたいだな」と生温かく見守っていたのだった。


***


学校の前、それぞれの教室に向かう直前のこと。

「ロウ様!おはようございますにゃ!」

「おはようざいますニャ!」

「ああ、おはよう」

学校には、王の子で、次期獣王になるロウも教養と団体生活を学ぶためにやってくる。兄のプローはロウと同じ年で、キオンが産まれたときの縁もあり、仲がよかった。

「おはよう。プロー、キオン。弟はまだ産まれてない?」

ロウの隣で挨拶したのはハクだ。ハクとキオンも同じ年である。
ロウとハクは、それぞれにこの兄弟から「弟が産まれる」と何度も聞かせれていたため、十分すぎるほど知っていたのだった。

「今日かもしれないと言ってましたにゃ」

「ガマンしてもらうんですにゃ」

「ん?ガマン?」

何を我慢するのかよくわからなかったロウとハクだったが、この兄弟はちょくちょく勢いに乗り過ぎて意味のわからないことを言うこともあるので、あまりつっこまないことにした。

「無事に産まれるといいね。じゃあキオン、行こうか。

ロウ、またね」

「あぁ」

「にいちゃんバイバイにゃー」

「おう!学校終わったらすぐに帰るからニャ!」

そうして上級生の教室と、下級生の教室に別れる。
鼻歌を歌うプローの横顔をちらりと、ロウが見る。

プローとキオンは、大人になれば猫頭になる。しかし今は母親の特徴が大きく現れる幼少期のため、思い切り犬の頭だ。



未来の王は思った。

この兄弟の、特徴的な言葉遣いと顔が、合致するようになるのは、何年後なんだろうなぁ。と。


*****


プローとキオンは、星座のこいぬ座プロキオンからもらいました。3番目はなんて名前にしましょうね。
あとイギュ母さんは、すっかりマヤを転がせるようになりました(笑


子豚な王子様35

バレンタインですがまったく関係のない子豚!
ハッピーバレンタイン!!

*****



「来たわね。いらっしゃい」

大男のソイとその妻のショコラに案内されてやってきたおうちでは、ショコラよりも少し年上のような女の人がいました。
まるで最初から約束してあったように出迎えた彼女に、エンとティカルがポカンとしていると、ウフフと笑って女の人はこちらを見てきます。

「夢に見たのよ。男の人が二人、私を訪ねてくるって…ってあら?ひとり?」

「ひとりと、子豚が一匹です。スフレさん」

意外そうな顔で首を傾げるスフレに、ショコラが笑顔で説明する。しかし彼女は納得できなさそうな顔で、「おかしいわねぇ確かにはっきりと男の子を見たのだけど」と呟いています。

しかしいないものはしかたがありません。ティカルだけは「もしかしてこの女の人は僕のことを言っているのかしら」と思いましたが、鳴いて自己主張するのは我慢しました。

「はじめまして、エンと言います」

「はじめまして、なかなかな大物になりそうね。あなた」

スフレの言葉に、エンはドキリとした顔をします。

「貴女にはどのように見えているのですか?」

「ごめんなさいね。具体的にはわからないわ。ただの人とは違うものを貴方から感じるの。
私も自分の力には、わからないことが多いのよ」

スフレの言葉に、エンは「自分の力…」と小さく呟きました。

「あの、そういう力が、怖かったり、うとましかったりすることは、ないですか?」

エンの質問に、スフレは首を傾げて少し上を眺めます。そして微笑むと「昔は少し」と返しました。

「小さい頃はもっと不安定で、予知もぼんやりとしていたの。
もうすぐ誰かが死んでしまうとか、どこかわからないけどいざこざがあるとか。

はっきりしないうえに、知りたくもないことがわかってしまって、困ったわ」

うんうん、と何故か大きく頷くエンを、その膝の上でティカルは不思議そうに見上げます。

「でも、怖がっていたら何にもならないって、母が教えてくれた。
大きな力は敵にも、味方にもなる。貴女はどうするの?ともね。

それからは、自分から「知らせるならもっと詳しく教えなさいよ!!」 って思うことにしたの。

そうすると不思議と、知りたいことを自然に予知できるようになったわ」 

そう言って笑うスフレは、見た目よりもずっと大きく見えるようにティカルは思いました。

「ピィ」

知らずに声が出てしまったティカルに、スフレは微笑むと、ティカルをそっと抱きあげました。

「貴方とお話しできないのが残念ね。不思議な子豚さん。

大丈夫よ。強く願っていれば、いつか望む場所に辿りつけるはず」

望む場所、そう聞いて、プラムの顔が浮かびます。 願っていたら、いつかプラムの元に帰れるのでしょうか。
確証はありませんが、スフレがいうと本当になりそうな気がして、ティカルは元気になりました。

「ぴぃ、ピギっ」

言葉を話せなくても、子豚が嬉しげにスフレの腕の中で飛び跳ねているのが皆にもわかりました。

「本当に不思議な子豚だなぁ…」

改めてエンが呟きました。


*****

これで繋がった


ようやく「竜宮城の檻」の冒頭部分と繋がりました。

アザミ姉さんがんばって!

え?あ!今日バレンタインですね!困ったな〜何も考えつかない…。
時期物と縁遠くなってますね。とりあえず後で子豚を書きます!

ゆきやこんこ


先週は予告なくお休みしました。お待ちくださっていたかた、お待たせしました〜!

展開について、王様の決断をちょっと悩んでいたんですが。
王様ぁ、ちょっとは目零ししてあげてよ〜。あ〜でも話が進まないので、このままでいいです。となりました。
続き頑張ります!!


普段、ほとんど雪の降らないところに住んでいるんですが、先週末はさすがに降りました。なのに用事が外のことばかりで、犬みたいに髪に雪をくっつけながらウロウロしてました。雪国の人は本当にすごいなぁと思います。
こたつで丸まっていたかったです〜。
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