気まぐれの愛

温かい気持ち(2)
2017.3.15 00:05
メインルームを出て長い廊下をひたすら歩いてホージーの自室へと向かった。
ドアの前に立ち、胸に手を当てて深呼吸…

(よし、これで…だいじょうV)
ドアをノックするが…返事がない。
恐る恐るドアノブを回すが開かない…鍵が掛かっている様子。
まさかとは思いながらも、射撃訓練場に行けば間違いない、ホージーの姿。

ゆっくりと歩を進めて、知らん顔で私も射撃開始。

「ジャスミン…こんな早くにどうしたんだ?」
「……射撃訓練、バキューンとな」
ホージーこそ、風邪を引いてるくせに何してるんだか…バンバンの言ってた努力の天才、まさにその通り。

「ホージー、終わったら自室に戻って休んで」
「…言われなくてもそのつもりだ」
「約束、してよ?ホージーの代わりは居ないんだから」
ホージーがSPシューターを構えると同時に小指を差し出す。まるで子供みたい、と自分を笑いながらも手は引かない。
「ジャスミン……?」
不思議そうにホージーは私を見つめると一度自分の手を見つめてから小指を握った。
「あぁ、約束する」
「絶対よ?破ったら、ボスに告げ口だから」

バレてるだろうけど、一応ね。
隣で射撃訓練をし、ホージーと同時くらいに終わり…訓練場を後にし自室へ向う。
長い廊下を一言も話さずに歩き、自室のドアを開けたホージーの後ろに続き中へと入った。
ジャケットを脱いでもしばらく布団に入ろうとしないのに心配になり手首掴んでベッドへと引っ張った。

「……っ!?…What's up?どうしたんだ、ジャスミン」
「どうもこうも、早く休むの!心配してるんだから」

グローブをしていてもわかるくらいホージーの手は熱かった。
ベッドへと座らせてわりと強めに肩を押して倒そうと試みる……が、失敗。
「……兎にも角にも、ホージー…ゆっくり休んで」
それだけ吐き捨てると急な恥ずかしさに部屋を出て行こうと踵を返した時、私の動きが止まった……

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