好き。
それは、本当に、真っ直ぐで。
【告白】
どうして、今さら。
正直、困惑した。
だって彼女は親しいとは言え友達で。
それにしか過ぎないはずで。
一度たりとも、彼女を恋愛対象と見たことはなかった。
それが伝わったのか、彼女は苦笑いを浮かべた。
だって貴方、言わなきゃ気付いてもくれないじゃない。
そりゃあそうだ。
言われるまで思ってもみなかったのだから。
なぜ、今。
茫然としたまま問うと、彼女は気持ち、眉を潜めて言った。
気付いてほしかったから。
叶わなくていい。
この緩やかな関係が壊れてもいい。
貴方の隣にいられる安心感よりも、
想いを知られない苦しさに、堪えられなかったのだと。
静かに告白する彼女。
自分は彼女の何を見ていたのだろうと思う。
伝えられて、よかった。
そう、呟く彼女はそっと微笑んだ。
なぜ、笑えるのだろう。
そのまま問えば、彼女は笑みを濃くした。
貴方は優しいから。
だから私を傷付けることは絶対しない。
そんなの分からないじゃないかと返すと、彼女は首を振った。
今、貴方は答えを出さない。
違う?
そう問われて俺は頷く。
これはそう容易に解決できるような問題じゃない。少なくとも俺にとっては。
すると彼女は小さく笑った。
答えを出す前に貴方を必ず落とすわ。
そう言って満面の笑みを浮かべる彼女に、
一瞬でも勝てないかもと思ってしまった俺がいた。
2011-4-13 22:25