512号

話題:あーダメだ。めっちゃ好き

中指にはダイアモンド
髪の毛からは同じシャンプーの香り
首筋には赤い跡

わたしは彼のもの。
それが嬉しいなんてどうかしてる。
誰かのものでありたいと思うようになるなんて。

話題:好きな人との出会い

大好きな友達からの紹介だった。

メールしてみたら？
いやになったらやめればいいし
いい人よ

彼女がそんなふうに
誰かを勧めてくるのは初めてで
だからこそわたしは興味を持った。

名乗りもしないメールに返事したのは
ほんとただの興味本位。

「我が家でいちばん高価なものになったね」

大きなテレビがやってきて、彼もわたしも満足感たっぷり！ようやくまともな部屋になりつつあります。はやく落ち着ける部屋にしたいなあ。

話題:なでなで

嫌いなやつにこんなふうにしないだろうし、やっぱりなんだかんだで愛されてることに気付く。

頭撫でたり
ほっぺに噛み付いてきたり
セクハラまがいなことも
じゃれるようなキスも

適当にあしらわれてるんじゃなくて立派な愛情表現。

わかってるけど…さらに憎まれ口を叩く彼には溜め息で返すしかないです

話題:可愛いと思った時

照れ屋で恥ずかしがり屋な彼がたまに見せる緩みきった顔。

頑なに求められることを求めるわたしをうまく言いくるめることができなくなって、一瞬のキス。

可愛くて愛おしいけど

ほんとに、彼は、素直じゃない。


付き合いたての頃は、分かりやすい愛情表現がないと不安で仕方なくて、すごく怖くて、泣いたことだってありました。

わたしだけなんじゃないか…ってそんなこと思うのはあまりに悲しすぎるから、この不安定な時間がさっさと過ぎ去るように指輪を眺めて紛らわす。