今晩和、けんこーです。
眠いです。
何だか只管に眠いです。
何もしたく無かったのですが、買い出し序でに映画館へ來てみました。
本日は「凶悪」。
待ち時間が有りますので、先日観たDVD感想を続きから。
ネタバレや個人的感想がお嫌いな方はバックプリィズで何卒です。
(※今回はがっつりネタバレして居ります)
ではでは。
※と、書いてる途中でタイムアウトしてしまいました。
詰まり今回も長いです。
話題:映画感想
突然「女の子!女の子が観たい!癒されたい!」とフィーバーしたので、DVDを二枚借りてみました。
吉田大八監督の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」です。
こちらのタイトル素晴らしいですよね。
思わずに手に取ってしまうのは「限りなく透明に近いブルー」的です。
手前は勿論サトエリさんに癒されるべく選んだのですが……いや、面白かったです。
久し振りに素直に「面白いよこれー!」と云える作品でした。
自信(何の?)満々でレビューを漁ってしまいました。
結果、評価が真っ二つで「あれー?」です。
極力客観的に観たり書いたりを努めて居る心算でしたが……余りの割れッぷりに真剣に手前の感性が(手前自身で)心配に成りました……。
そんな偏った輩の感想を熟々と吐くよ!←
山に囲まれた和合家は、両親の急逝に見舞われる。
家には後妻の連れ子である長男とその妻、そして前妻の子で引き籠もりがちな次女が住んでいたが、葬儀の為上京して居た長女が帰って來る。
この長女がとんでもないトラブルメーカーで……。
と云うお話。
何かストーリィが有るかと云うとそうでもない。
長女は洒落に成らない駄目人間で、彼女に因って引き起こされるトラブルも笑えないレベル。
只管に閉鎖的で陰鬱で救いが無いのに、何故だか爽快で笑える、そんな映画でした。
じめじめした状況と反して突き抜ける、光過多の風景も加工済のように美しいです。
そして何より、キャストが素晴らしかったです。
長女の澄伽は自意識過剰な勘違い女。
自分を「女優になるべく産まれて來た」と信じて疑わず、
自分の演技が上手くいかないのは妹の所為
自分が売れないのは貧乏な実家が仕送りをけちる所為
自分がオーディションに受からないのは、審査員が馬鹿だから
と、心の底から信じて居る。
自分の失敗は他人の所為で、自分の為に他人を犠牲にすることに、何の躊躇いも覚えない……そのパワーたるや正に台風・天災の如し、です。
このキャラクターが生理的に不快な方もいらっしゃるようですが、個人的にはとても面白い!
欲望に忠実過ぎて、もう野生の獣みたいなんです。
半端無いエネルギーが、全て外に向いている。
それを演じるのがサトエリさんなモノだから、もう兎に角すこーん!とぶち抜けて居るのです。
こう云う役のサトエリさんは本当に素敵です。
「相棒」のミサエちゃんなんて至高ですよ。
因みにこの長女ですが、演技は全く出來ません(笑)。
しかも台詞も覚えません。
服装も「お上りさん」な田舎者的ですし(それでもサトエリさんのパーフェクトボディだと見映えしますが)、オーディションの時のつけまもずれている(笑)。
こう云う芸の細かさも面白かったです。
対して姉にいびられる次女。
いびりの原因は、中学時代に姉(と家族)をモチーフに、漫画(しかもホラー)を描いて投稿、一家を晒し者にしてしまったから……と云う何とも自業自得なモノ。
姉の身勝手さを堪え忍ぶ、地味な眼鏡美少女ですが……。
初めこそ、健氣に堪え忍ぶ姿も痛々しいですが、流石に姉妹です。
人間としての欠落度で云ったら姉とどっこいです。
陰湿ないびりに耐える姿もよく見ると……あれ?オカシイよ?
漫画を描いてしまう心情も、辛い現実からの逃避かと思いきや……あれあれ?何だかオカシイよ?
このコちょっとオカシイぞ。
姉の外へ向かうエネルギーとは逆に、内に引きずり込むエネルギーや半端無し!
姉に怯えつつもアドレナリンがどぱどぱ出ちゃってる演技が素晴らしいです。
両親が眼前で死んでも、兄の死の決定打が自分(だろうと思われる)でも全く平氣。
「あたしだって限界まで我慢したんだよ!」
が、いびりに対しての台詞なら救いも有るのですが……末恐ろしい(笑)。
演じた佐津川さんは理想の眼鏡美少女(おっぱいも大きい)で可愛かったです。
素敵な女優さんですね!
もう一人のヒロインは永作さん演じる兄嫁。
歪みまくった家族の中で、底抜けに明るく底抜けにポジティブで底抜けに空氣を読まない笑顔の女性。
夫に冷たくされても乱暴されてもいつも元氣。
確かにそれはあの一家の中に有って天使のようなのですが……。(永作さんは可愛いし)
矢張りこの人もちょっと変。
コインロッカーベイビーで施設育ちの工場勤務……そのヘビーな過去の所為か、笑顔も明るさもネジが飛んだ結果のように見えます。
夫に襲い掛かったシーン以外の彼女は、ドストエフスキーぢゃあ無いですけど、本当白痴だか聖人だか区別の付かない不思議な存在でした。
永作さん、素敵だなぁ。
そして可愛いなぁ……。
唯一のメイン男性は永瀬正敏さんです。
強烈な女性陣に囲まれ、一人真っ当な翳りを醸し出すサマは流石ですね。
しかしとても不憫なポジションにも関わらず、自業自得過ぎて何とも。
長女を受け入れられる器が無いのに足を踏み入れるから……(´・ω・`)
兎に角この4名を観ているだけで面白いです。
最後の「本当、お姉ちゃんは面白い!」と云う、噛み付くような妹の叫びは姉にとって最上級の屈辱で最上級の救いだったのでしょうね。
正に言霊でヒトが呪われた瞬間をみました。
この姉妹は殺し合いをしつつも、生涯離れられないのでしょう。
最後ですが、チャットの主題歌が凄く良かったです。
歌詞は頭に入って來なかったのですが、サビのフレーズ・曲調・声迄、作品に凄く合っていました〜。
センスいいなぁ、監督。
敬遠していた「桐島〜」も観てみようと思いました。
おしまい。