14/01/15 00:36:(0):
▼WJ系:
こんな青火の第一歩

シューズを賭けたストリート勝負をしてから、何だかんだとバスケ勝負に付き合うようになって青峰は、ふと火神とはどういう人間なのだろうと考えるようになった。

それはささいなことから膨らんだ疑問だった。

火神との1on1も良いのだが、たまには大人数で勝負することもある。一番多いのは火神・黒子対青峰の2on1だ。
他者からの印象で、傍若無人ととらわれがちな火神だが、その実とても細やかな気遣いの出来る、過ぎればお人好しともとれるような男である。ストリート勝負に限らず、体力の少ない黒子の介抱を甲斐甲斐しくするという、知らない者から見れば異様な光景も、最近では見慣れてきた。

そんな男が、怒る場面とは一体どんなものなのだろうか。
初めはそんな、高校生男子のくだらない好奇心からだった。

第一印象から、あまりスキンシップの激しい方ではないのか、と肩を組んでみたりしたが、よく考えれば火神はアメリカからの帰国子女である。日本人の言うスキンシップ過多が当てはまるのか曖昧だ。最近では振り払われることもない。

「よぉ火神ぃ」

「!?あっ、青峰!?びっくりすんだろが!」

後ろから抱きついてみても、たったこれだけで振り払うでもなく放置。

「……青峰君、火神君で遊ばないで下さい」

ただ、相棒の方は心中穏やかではいられないようだが。



やがてこの好奇心は悪戯心へと進化し、火神を怒らせてみせる、という使命感へと変貌していった。

「かーがみー」

「うっ!?い、てーからやめろよ!」

肩を組みガッチリとホールドしてからの、耳たぶに噛みつき。

「わりーわりー」

からの、息吹きかけ。

「っ……」

くすぐったげに肩を揺らし、息をついた火神はちろりと青峰を睨むが、特に何も言わず。



「お前の口ん中どうなってんだ」

リスのように膨らむ頬を眺めながら、指で火神の唇を摘まむ。

「う?」

「口自体はそんなデカくねーよな」

言いながら摘まんだ唇を引っ張る。もごもごと何か言いたそうにしているが、残念ながら口の中がいっぱいで伝わらない。

「食い終わってから喋れよー」

「むぐっ……っお前が引っ張るから食えねーんだろがよ!」

「あーそうかよ、わりーわりー」

必死に飲み込んで文句を言ったものの、このスキンシップに関しての異論は浮かばないらしい。



「あー……突っ込みてえ」

「?何をだ?」

「……」

青峰は戦慄する。この空気で男子高校生の言う突っ込みたいはひとつしかない筈だ。
少なくとも青峰はそう考えている。誰だ脳味噌下半身にあるとか言った奴は。

しかしこのタイミングはある意味美味しいのではないだろうか。
流石の火神も、これで怒らないことはない筈だ。

「なー、お前ん中突っ込ませろよ」

「……は?」

「ち○こ」

抜き合い等は男同士よくある話だ。この程度なら冗談だと流せばお互いに気まずくなりはしないだろうし、怒る火神が見られるかもしれない。
にやにやと次の言葉を待っていた青峰は、

「……やだ」

火神の一言に、ただただ絶望感を味わうことになる。



ただひたすらに、火神が怒る場面を見たかった。
それだけのはずだったのだ。
しかし火神に触れ続ける内に、青峰は火神を好きになっていた。
怒りの感情は見たことがない。だけれどそれ以外の部分で多くの表情を見せつけられ、さこに惹きつけられた。

まじかよ……俺ホモになっちまった。

青峰がそう元相棒に相談するのはそう遠くないだろう。





実は付き合ってない青峰とかがみんのお話。
途中で書きたい場面を忘れてしまったので後になるほどgdgdです……orz
かがみんはアメリカ帰りなので、多少のスキンシップは慣れてそうだな、というのと、青峰は変な好奇心がありそうだな、というのと、青峰のちょっかいはエスカレートしそうだ、と思ったのがキッカケです、ハイ。

 

  
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