生存確認 様の夏のテイルズ キッチン新刊に、クラトス×ロイドの小話でゲスト予定です。



[参加しました。]

●2014年5月3日(土) SUPERCOMIC CITY23
<<委託>> 東5 な-31a 生存確認+ゼロシキ 様

 テイルズオブエクシリア ガイアスxジュードプチオンリー「Destiny Link2」
●新刊 TOX2 ガイジュ 「そんな日常」  コピー 24P 300円。







【新刊 見本】



「えぇと、今、何って言ったの。」
「……今夜一晩、お前の家に泊めて欲しいと言ったのだ。ジュード。」
 腕を組んで仁王立ちした男は、表情を変えずに再度用件を言った。背の高さもあってか、その姿は頼んでいる側にも関わらず何処か偉そうだ。
(って、実際に偉いんだけどね。)
 何せ、相手はリーゼ・マクシアを統治する王様だ。その王が、こんな一般庶民の未成年相手に、自分の希望を押し通そうとしているのだから酷い話だろう。
 ……これは、パワハラになるのだろうか。だとしたら、相談場所は宰相であるローエン辺りに言えば良いのかと思考が飛んでいき始めているのは現実逃避以外の何物でもない。
 そんな少年の様子に眉を潜めたガイアスは、聞いているのかと声をかけた。
「も、勿論、聞いてたよ。
 でも、どうしたの。突然。今日、リーゼ・マクシアに戻るって聞いてたけど。」
 ガイアス王直々にエレンピオスへやってくるというのは、一大ニュースだった。
 数節前に無事医学校を卒業し、エレンピオスへやって来て源霊匣の研究の為に研究所に籠もっていたジュードの耳にも、この知らせは届いた。
 両国のこれからを担う存在ともいえる源霊匣。その中心地ともいえるヘリオボーグ研究所も王の視察の場所の一つになったというのも当然だろう。その辺りの詳しい知らせや訪問日時などのやり取りは全てバランが行っていた為に、彼が訪問する日時が事前に知らされていた程度であったが、リーゼ・マクシア王の視察があったのは今日の昼であるし、その場で研究所内の案内や研究状況などの説明の場にジュードもいた。
 そう、事前にエレンピオスで流れていたニュースでは、この研究所が最後の訪問地だった筈だ。
 しかし目の前の男性は、どこからどう見てもガイアスである。視察の時に来ていたア・ジュール王の着る正式な鎧姿ではなく、黒いスーツ姿は一般人のようにも見えるが、その身から発する気も、強い眼も只者ではないのは一目瞭然。これで別人であるならば、リーゼ・マクシアは目の前の人物をガイアスの影武者にスカウトすべきだろう。
 この服装は、リーゼ・マクシアの雰囲気ではない。まるで、エレンピオス内を自由に歩き回るため、お忍びの為に用意したとしか……。
 そこまで考えて、ジュードはハッとした。
(――まさか。)
 さっと顔色を青くした少年の表情に、ガイアスは唇を少し上に上げた。
「そうだ。明日はエレンピオスの中を見て回る。リーゼ・マクシア王ではなく、あくまで一庶民としての視点で、な。」
「……因みに、ローエンは?」
 一緒にエレンピオスに来ている筈の宰相の姿は、側には無い。昼の視察の時には、彼の側に一緒にいた記憶があるのに、だ。
 彼ならばガイアスの取ろうとしている行動を止めてくれるのでは、という淡い期待は、その後に続いた王の言葉であっさりと砕かれた。
「先にリーゼ・マクシアに戻った。
 俺は一人、ここで市井を見てまわると言ったら、ジュードが共に行動するなら良いと言われてな。数節とはいえ、俺より先にエレンピオスで過ごしているのだ。少しは詳しいだろうと。」
「ロォォエェェェェェン!!」
 さすがだ、と宰相を褒めて頷いている王をそっちのけでジュードは悲鳴をあげた。
 さっさと帰るなら、一緒に連れて帰って欲しかった。というか、何さり気なく自分に押しつけていっているのだ!
 確かに、リーゼ・マクシアとは文化も環境も異なる点は多いことは認める。それを知らずに町中をうろつけば……うっかり騒ぎを起こしたら。その後に、この男が、本来であれば帰国している筈のガイアス王と知られたら。国際問題に一直線だろう。それならば、ほんの少しでもエレンピオスの事を知っている、尚且つ信頼出来る人が一緒にいるべきというのは納得ができる。
 ただ……何故、自分の名指しだったのか。既にエレンピオスに来ているというのであれば、自分だけでなくアルヴィンもいるだろうに!





 ……この続きは、本でお楽しみください。