えーーーーと
書きたいんだけど書くのが難しい出来事があったよ

すげえいいことなんだけど
未だになんだか信じられなくて、
具体的な実感も頼りなくて、
誰かに話すのも躊躇うくらい、
そんないいことがあったんだけど。




そもそもわたしは書いてしまうとどうしても穿ってしまうのだ












生気のない視線とか
少し吸ってすぐに火を潰す煙草とか
センスの好い服選びとか
出処がわからない微かな甘い匂いとか


此の手で触れたならば最後、
其の手で触れられたら最期、

どうしようもない感情が雪崩れ込んできて溺れそうだ
欲情を含んだ掠れ声を、
肌に這わせる両の手を、


枯れるほど欲しがった月日、
どうにもならなかった冬の終わり、
幾度かの、浅ましい期待と、
その度に思い知った景色。
(其れは余りにわたしに優しくない、)

幾年も、通り過ぎた。
わたしは相変わらず、進歩の無い日々を過ごしている。
周りの景色は随分変わった。
それなりであっただろう関係も、途切れたものさえある。
偶然と必然の渦からは誰一人として逃れられない。
わたしには十中八九当たる予感があるが、其れが答を示さなかったのは何故だったのだろうと少しだけ考えたりもする。
恐ろしい疾さで、すべてが移ろう。
でも、それでも、
今この瞬間を積んでく日々を、悪くはないと思うのだ。