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同じ時を欲しがって

両手で顔を挟み込む。



目が合って、微笑んで、



その唇にそっとキスをするの。















「なんか、久しぶりな感じがしますね」



「久しぶりな感じじゃないよ、

久しぶりなんだよ」








思いが溢れたらどうやって

「肩が…重い」






お風呂上がり、

ベットに仰向けに転がって


目頭を押さえて そう言うので

全身マッサージしてあげました。









腕を引っ張ってうつ伏せにさせて


背中に跨る。




お風呂上がりのすべすべとした背中と


お手入れを欠かさない

私の太ももが触れる。




「肌が触れるの気持ちいいね…



裸でマッサージしてもらっているの、

スペシャルな感じ…」



寝そうな声で呟く広い背中が

愛おしい。





「痛いことされているだけなのに


なんでこんなに気持ちいいんだろうって

思わない?」



「え?笑」



「だって押されているだけなんだよ」



「あぁ笑」





面白い人だなぁ。






足の指先の1本1本まで


丁寧に押していく。




30分近くやってたのかな?




終わって顔を近づけてにっこりすると


目を細めて嬉しそうな顔で


「ありがと」




そのとろけそうなお顔がたまらんです。

また僕に手招きをしている

「お風呂、入る?」


「うん」







ドアをそーっと開けると


おいで、と手を伸ばしてくれたので



するりと服を脱ぐ








向かい合って湯舟に浸かっていたけれど


向きを変えて背中を預ける



後ろからぎゅっと包み込まれる


その感覚が、好き







「出る?」



「いや」



「嫌?笑」



「暑いの?」



「うん」







浴槽の縁に腰掛けて

一緒にいようとしてくれるので


半身浴をしながら

その太ももに頭を預ける





そうして昔の話を

ゆったりと聞くのだ


同じ時を過ごしたのが運のつき

「あの時俺さ、

…お前のこと好きだったんだよね」




「お、おお」



「…」



「…」




「え、これって返事した方が
いいやつ?」



「いや、いらない」




「いらないんだ」




………





「幸せになれよ」



「うん」




「浮気すんなよ、


したら縁切るからな」



「わかったよ笑」





……





「今度飲み行こーよ」



「いいけど、他に誘える人

いなくない?」



「お前が良ければ俺はふたりでも」








彼の定義では


異性とふたりで飲みに行くことは


浮気に入らないのでしょうか。




今度聞いてみます。

僕らの行進は続く

揺れる電車、



じっ…と見つめる横顔




「なに?」




「ううん」













「すごい人だね、東京駅」


「切符買って来る」


「着いてくよ」



「なんで笑



…ありがと笑」




切符を買う背中に



右の肩だけくっつける




「じゃあね」



見送るのがさみしくて


さみしくて



振り返って笑顔で


手を振ってくれたけれど



私だってにこって笑って


手を振ったけれど





なんか、遠距離恋愛の時を


思い出すね、さみしいね
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