2017-6-15 07:00
蛙Гあの原っぱで相撲とろう(゜◇゜)」
卯Гいやいやあちらの鰐池でやりましょうぞ」
蛙Гなにゆえ鰐池なのだ?恐ろしい鰐(鮫)がいるではないか」
卯Гなぁに鰐と言いましても池に落ちなければ奴は陸に上がれぬ魚ではございませんか。それとも蛙のは池に落ちるのがそなた怖いのかぇ?」
蛙Г何を言うかわしは蛙だぞ?池なぞ私の庭みたいなもの故に怖くなどはないぞ?」
卯Гならばよいではありませんかよいでは♪」
蛙Гふむ。それもそうだな。ではでは鰐池で相撲やろうぞ相撲」
卯Гいざ鰐池へゆこうぞゆこうぞ♪」
*****
蛙Гさて、鰐池についたなうさぎどん」
卯Гつきましたね蛙の。」
蛙Гいざ」
卯Г順丈に勝負!」
蛙Гえいっ!」
卯Гやぁっ」
蛙Гとぉっ」
卯Гほっ!」
****
鰐(鮫)Г・・・ふふふ。主等ここで相撲とは良い度胸ではないか」
蛙Гひやぁ!」
卯Гおや?」
鰐Гよいぞ よいぞ 我に構わず相撲を続けよ」
蛙Гううううさぎどん鰐がでおった!!」
卯Г落ち着け蛙の。ここは鰐池、鰐殿がおっても不思議はないであろう」
鰐Гむ?おい・・・そこな白いものよ。我が恐ろしくはないのか?」
蛙Г(うううさぎどん!?)」
卯Г(なぁに心配なされるな蛙の。ここは私にまかせておくんなさいな)」
卯Гこれはこれは鰐殿ごきげんよう」
鰐Гふむ、身体に似合わず肝の座った奴だなお主は。もしやここが我の庭と知って参ったか?」
卯Гはい。仰る通り鰐殿の庭池と承知でこちらの友人と参った所存でございます鰐殿に挨拶もなしにお邪魔してしまい申し訳ないのですが私達は今勝負をしている最中でございます。そこで如何でしょう?鰐殿がお嫌でなければ勝負の行方を見定めていただきたいのですがご協力願えませんでしょうか?」
鰐Гほう?我に際を見届けてほしいとな?それは先程していた相撲だな?いいだろう。興が乗った故に見届けてやろうではないか。」
卯Г有り難うございます。ですが・・・見ていただきたいのは相撲ではございません。」
鰐Гほう…相撲ではないのか?」
卯Гええ、相撲ではございません。競争をしたいのでございます。この池の中央にあるあの丘までの競争でございます。」
鰐Гふっふっふ、卯が蛙とか?ふふふ」
卯Гはい。ですが、私は泳げないので勝負の行方はこちらの泳ぎが得意な友人に悠々と負けてしまうでしょう。かといって陸で勝負をすれば私が勝ちまする。」
鰐Гならお主はどうやってあの丘まで行こうというのだ?」
蛙Гうさぎどんうさぎどん!ここはやはり相撲でよいではないか?やはりあちらの陸で相撲をとろうぞ!?」
卯Гいいえ蛙の。私は貴方と真剣な勝負をしたいのです。相撲は毎日やっても勝負がつかないではないですか?なればこそここは鰐殿の池ぞ?鰐殿のお力をお借りいただければ私はあちらへ行く事ができるのです。」
蛙Гもしやうさぎどん…鰐の背に乗ってあちらまで一気にたどり着く寸法か!?それでは卑怯ではないか!」
鰐Гこのつぶれた顔の言う通りそれはいささか勝負とは言えぬようだぞ白いの」
卯Г落ち着きなさいな蛙のそうではない。そして鰐殿鰐殿、お力添え願いたいとたしかに私は言いましたがお借りするのは貴方様だけの背ではありませぬ。」
蛙・鰐ГГ?」」
卯Г鰐池の偉大なる主様、貴方様には多くの家来がいるでしょう。私は前々から偉大なる鰐殿の家来達がいったい何頭いるのかが知りたくもあったのでございます。ですが池を眺めてみても皆様のお姿が見えずで数が数えられないのです。」
鰐Гほう?たしかに・・・。我々は水中で暮らしている故に水面には中々出ぬからな・・・食事をする時以外はなっっ!!さぁて腹の虫も鳴いてきた事だしいい加減好おまえらを食ろうてやろうではないか!!」
蛙Гひぃぃぃい!!!うさぎどおおおん!!!」
卯Гお待ち下さいませ、落ち着き下さいませ鰐殿。それでは貴方様が困りますよ!?」
鰐Г…む?我に困る事などない。むしろ腹が見たされて今日一日を気分よく過ごせるではないか。」
卯Гよぉ〜〜く、お考え下さいませ鰐殿。もはや我々はもう貴方様に食べられる身となりましょう。」
蛙Г((うううさぎどん!!?))」
卯Гなればこそ最後は食われる身。故に最後の頼みをお聞き下され真にこの池の偉大なる主様であろう御方なれば慈悲の心もあるはずではありますまいか?願いを聞き届けた暁には私は私の家族皆で貴方様方の腹に収まりましょうぞ。」
蛙Г(((うさぎどん!?気でもふれおったかっっ!?)))」
卯Г((蛙の。いいから私の話に合わせなさいな))」
鰐Гふぅむ…。そこまで言うなら致し方ない。話を聞こうではないか。そして、そなたの身内も一つ残らず食ろうてやろう。して?勝負と我の家来がなんとな?」
卯Гははぁ、鰐殿の慈悲深きお心に感謝いたします。貴方様のような寛大なる鰐に食われるのなら私には悔いがござぃません。しかし気になるとすれば友人との誠の勝負さらには知りたくてたまらなかった主様の家来の数であります。これを一本勝負でなんと一石二鳥解決となりまする。」
鰐Гほう?勝負一本でどちらもわかるとな?」
卯Гそうでございます。」
蛙Гいったい何をする気なんだうさぎどん・・・」
卯Г説明はいたって簡単にございまする。先程お伝えしましたあちらの丘。ここからおよそ一勺と九百五十七寸(計30b)でありますね?」
鰐Гうむ。だいたいそうであろうな。泳げないなら狐や狸のごとく鳥にでもなって行くつもりではないだろうな?もしそうと言うなれば飛んで逃げられるのも惜しい…やはり今食ってしまおうか」
卯Гお待ち下さいお待ち下さい。飛んでいきますとも。しかし飛ぶは飛ぶでも私は狐でも狸でもございませんので鳥にはなれませぬ。私は私の卯跳びで鰐殿達の背中をお借りし駆けゆきまするのでございます。水面上にこちらからあちらに鰐殿達が並んでさえいただければ私は貴方様の家来の数を数える事もできる。そして真剣勝負にもなりましょう。」
鰐Гほほう?中々に面白い話ではないか…よいだろう。勝負が終わり数も数えたら我に報告して白いのの家族を連れて参れ。今夜はおまえらを肴に勝負の話で盛り上がってやろうぞ。」
兎Гはい。では鰐殿?お仲間を岸から岸へと並べて下さいませ。」
鰐Гうぬ。よかろう。ここを動くではないぞ。今皆の衆を呼んで参るから待っておれ。それとも・・・そのまま逃げるつもりではないだろうな?」
蛙ГΣΣッ!!?」
卯Г滅相もございません鰐殿。私達は貴方様が戻るのを待っています。卯と蛙は約束を守る生き物にございますから。」
蛙Г((うさぎどおおおん!!?))」
鮎Гならばよし。すぐに戻って参るからそこにおれ。」
卯Гはい、いってらっしゃいませ。」
蛙Г・・・。」
卯Г・・・。」
蛙Гうさぎどおおおん!!?」
卯Гなにかね蛙の?」
蛙Гなにかねとはこちらのセリフよ。ここで逃げずしていつ逃げる!?」
卯Гなぁに心配ないさ蛙の。」
蛙Г何を呑気な!さぁ!はよう!逃げよう!」
卯Г蛙の蛙の。まぁ待たれ。ふふ、仕方ないからそなたには先に伝えようかしらね、どれ、お耳拝借━━━━━━━━━━
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