話題:遠距離恋愛


これからは一歩ずつでも、彼に歩み寄ろうかな、と。



昨日は、5月生まれのお誕生日会として、家族で夜ごはんを食べに行く予定があったので、けいちゃんも5月生まれということで、わざわざ帰ってきてくれました。

月曜から金曜までしんどい中がんばって働いてるのに、毎週毎週帰ってきてくれる彼は、やっぱりどうしようもなく優しくて、私想いだ。


お昼すぎに私の家にきて、彼に近付いた瞬間、知らない匂い。


「香水、付けてないよな?」

「え?付けてるよ」

「あ、そーなんや」


平然を装った軽い返事に反して、頭の中は鼻から入ってきた違和感ですこし動揺していた。

不愉快な、人工的な匂い。

リビングでネイルを楽しむお母さんが、悪気なく使っている除光液の匂いと混ざって、香水の長所は見事に打ち消されていた。

ベッドに寝転がる彼の横に腰を下ろしてみたものの、彼といるようで、彼ではないような違和感に耐え切れず、すぐに立ち上がってリビングに戻った。

一緒にいても違うことをしていたり、会話をしなかったり、というのはいつものことなので、彼は何の異変も感じていなかったようで、最近ハマったマインスイーパーを相手にひたすら苦悩の声をあげていた。


夜ごはんはもんじゃを食べに行って、私とけいちゃん、にいにとちいちゃん(にいにの彼女)、よちとみきちゃん(よちの彼女)とゆうちゃん(よちの彼女の娘)、お母さんといちたんと、9人の大家族で鉄板を囲みました。

家族が一番好きな私としては、家族で過ごすこの時間が幸せでたまらない。

ゆうちゃんから出題される理不尽すぎるクイズに付き合ったり、突如開催されたじゃんけん大会で盛り上がったり、とても楽しい時間を過ごしました。

ゆうちゃんのしつこすぎるあっちむいてホイに、いやな顔一つせず応えるけいちゃんを見ていたら、なんだかすごく微笑ましい気持ちになりました。


楽しい時間はあっという間で、22時過ぎには家に帰ってきて、はやめに寝る準備。

けいちゃんが始発で静岡に帰るというハードスケジュールだったので、日付が変わる前にはベッドに入りました。

毎週帰ってきてるはずなのに、夜にこうやって2人で話せる時間はなんだか久しぶりで、すこし緊張してしまう。


「けいちゃんって普段から香水とかつけとったっけ」

「夏になると汗臭くなるのいやだからなー」

「ふーん」

「なに?」

「なんか、けいちゃんの匂い、分からないのやだな、って」

「そんな匂いする?」

「うん。けいちゃんじゃないみたいで、そわそわする」

「そっか、ごめんね」

「んーん」


彼のこういう素直なところが好きだ。

私のよく分からないわがままにも、反論しないで優しく従ってくれるところが、好きだ。 


「別に汗臭くてもけいちゃんはけいちゃんだよ」

「ん」

「ね?」

「そうだね」


私の不安を知ってか知らずか、抱きしめる腕を強くしてくれる。


「来週も、帰ってきてくれる?」

「来週も再来週も、帰ってこられそうだったらちゃんと帰ってくるよ」

「ん」


不安なのはきっと、お互い様だ。

会話することを避けてきた私に、彼はきっと、すくなからず不安と違和感を覚えていたはずだ。

言葉にはしなくても、私の頭を優しく撫で続けてくれる手が、すべてを物語っている気がした。



また来週、会えますように。




拍手コメントありがとうございます。

追記でお返事です。