彼からの返事
「もう少しだから・・・・・」
もう一度彼女、
「何がもう少しなの?」
また返信がきた
「待ってて、もうすぐだから」
怖くなった彼女はとりあえず彼の様子だけみて母親に報告だけしようとすぐに彼のアパートに向かった。
明かりが点いている。部屋にいることを確認してすぐにインターホンを押した。
返事がない
もう一度
もう一度
もう一度
返事は帰ってこない。
気配がないことを不可解に想いドアノブに手をかける。
開いた・・・・・
中に入るとなにやらゲームのBGMのような音が聞こえる。
彼女は恐る恐る彼の部屋のドアを開いた。
そこで彼女がミタモノハ
パソコンの画面の中、Sグレード装備に身を包み、城の玉座に座っている、彼の名前がついたキャラが満面の笑みを浮かべている姿、
そして足元には・・・・
昔見たあのころの優しい笑みを浮かべる
冷たくなった彼の姿があった。
リネUの大規模攻城戦
クラン無所属のSグレ装備のキャラがときどきあらわれる。
それはもしかしたら
彼の姿かもしれない・・・・
完
彼は「リネージュU」というネットゲームをやっている、という事は理解した彼女。そして質問は続く。
「どうして電話にでなかったの?」
「ああ・・・・・・PT中だった」
「なにそれ?ふざけてないでこっちむいてちゃんと話して!」
怠そうにゆっくりとこちらに振り返った彼を見て彼女は驚愕した。
何日も風呂に入ってないのがわかるボサボサの脂ぎった髪、目の下には遠目でもわかるほどのひどいクマ、頬から顎に剥けてカビのように生えた無精髭。
自分が愛していた彼とは別人のような姿を見た彼女は既になにかを諦めたような口調で言う。
「仕事はちゃんといってるの?」
「ん・・・ああ・・・有給とった・・・・・」
その言葉を最後に彼女は何もいわず部屋を後にした。
半年後、彼女の元に一本の電話がなった。
あの彼の母親からだった。
話を聞くと、会社から実家のほうに彼が仕事に来ていないとの連絡がきたらしい。彼女とまだ付き合っていると思っていた母親は彼の様子を見てきてくれないかと彼女に頼んだ。
どうしても断れなく、しかもあの時の彼の状態をいいずらかった彼女は渋々了承し、電話をきった。
しかたなく彼女は電話をかけてみる。
でない・・・・・・
メールを打ってみた。
「仕事どうしたの?」
「お母さんから電話があったよ?みんな心配してるよ」
返事がきた!
続く
一人暮らしの彼の家に着いた彼女は彼の部屋の明かりが着いていることを確認するとすぐにインターホンを押した。
しかし反応がない・・・・
益々怪しく思った彼女は何度も何度もインターホンを鳴らす。すると「ガチャ」っと鍵が開く音がした。しかしドアは開かない。
既に怒りが限界にきていた彼女は勢いよくドアを開け彼の部屋へ入った。
そこに他の女などはいなかった。パソコンをいじっている彼の後ろ姿だけがあった。辺りを見回すと一面ゴミの山。コンビニの袋だらけで足の踏み場もないほどだ。
とりあえず彼女は聞いた。
「なにしてるの?」
彼が返す。
「・・・・・・・・リネU」
彼女
「なにそれ?」
彼
「・・・・・・・ネトゲ」
続く!
ある男の話
あるところに一人の若い男がいました。
彼は23歳、今年度大卒で大手広告代理店に入社し仕事も軌道に乗り始め、プライベートでは大学時代からの付き合いである美人な彼女もおり、順風満帆な人生を送っていました。
そんなある日、彼は彼女との週に一度のデートをキャンセルしました。
彼女が理由を聞いてみると高校時代の友達から久しぶりに遊びの誘いがあったとの事で彼女もたまには昔の友達と会うのもいいだろうと快く許してあげました。
そして次の土曜日、明日は週に一度のデートの日、彼女はどんなデートにしようか彼に相談の電話をいれました。
すると彼は明日も友達に誘われているからデートはなしにしてほしと言ってきました。彼女腹を立てたがこれからは前以て言ってほしいといって許してあげました
そして次の週・・・・・・・
彼に電話をしてみると今度は電話に出ません。
もしかして浮気をしているんじゃないか?そんな疑問を抱き腹を立てた彼女は彼の家に向かいました。
続く