2014.1.17 Fri :未来
happy wake up
「…んっ」
僅かに身動いで、月森は眩しそうに目の前に手を翳した。
カーテンの隙間からきらきらと差し込む朝の光。
新しい今日が始まる。
ふと隣を見れば、まだ微睡みの中の彼女がいて…
ふわりと、自分でも気づかぬうちに月森の頬が幸せに緩んでいた。
そのまま、そっと手を伸ばして抱き寄せて、距離のなくなった無防備な姿に想いが溢れると、月森はぎゅっと強くその腕に愛しさを込めた。
どうしてこんなにも、もっとと願ってしまうのだろう…
二人で過ごす時間に満ち足りることを覚えて、心はどんどん欲深くなった。
飽くこともなく、彼女のことを知れば知るほどに、強く、強く。
甘い溜め息まじりに、月森は眠る彼女の額に綺麗な口唇を寄せた。
ひとつ落として、それは始まりのキス。
「君を愛している」
触れた柔らかな温もりに堪えきれず、ふたつめを印して、みっつめを色づかせる。
膨らむ想いは、はち切れんばかりに熱を帯びて増すばかり。
抱きしめて、見つめるだけで止まれるのならいいのだけど、通い合う気持ちのやり取りを繋いできた二人の時間は、もう過去には戻せはしない。
どうか伝えさせてくれないか…
目覚めた君に、残らずぜんぶ伝えたい。
君がくれた胸が震えるほどのこの幸せを──
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