2012-9-16 08:13
※フリーホラーゲーム『Ib』の二次創作SSです。
昨日急に書きたくなって、30分くらいで一気に書き上げました。
まさに『突発SS』!そのカテゴリーに偽りなし!(笑)
そんな訳で、初書きジャンル&練り込み皆無&低クオリティー、というダメダメな状態です。
とりあえず情熱のみ詰まっています。
また、メアリーのお話で、ギャリーもイヴも出てきません。
色々勝手な設定も盛り込んでます。
ゲームの重要なネタバレもしています。
ゲームをプレイ中の方、これからプレイされる方は、閲覧しないコトを強くお勧めします。
OK構わないよー!という方は、追記よりSS本文へとお進み下さい。
『メアリー』
小さな小さな女の子。
黄色の薔薇の園にたたんずんで、こちらを見つめる青い瞳。
ふわりと広がる緑のスカート。
金の髪は風に流され、陽に煌めく。
頬を薔薇色に染め上げて、可愛らしく微笑む一人の少女。
立派に飾られた額縁は、まるで外を映す窓枠にも見えた。
その下に掲げられたプレート。そこに綴られた文字は、『メアリー』。
この絵画の名前。
この少女の名前。
『メアリー』
存在しない、女の子。
ゲルテナ展、とシンプルに名付けられた展覧会で、彼女の絵はある一室に飾られていた。
その部屋の中央には大きな花瓶がおかれており、その瓶の中は黄色い花で埋められている。
美術館の館長は花と絵画のコントラストを眺め、満足げに笑った。
その背後では、清掃会社の社員が、やれ手入れが大変だと溜息を漏らした。
翌朝。
花瓶の回りに散らばる花びらに、社員は二度目の溜息をついた。
思った通り。…いや、それ以上の散らばりようだ。
美術館に来た子供が、悪戯に花をむしったのかもしれない。
「メアリーの花園を思わせる素敵な花が、全て散ってしまいますよ。」
人を近付けないようにした方がいいと、清掃員は館長に告げた。
しかし館長は、景観を損ねるから、と、彼の言葉を跳ね退け、花瓶に花を追加した。
三度目の溜息が空に溶ける。
さらに翌朝。
もう溜息は出なかった。
口はあんぐりと大きく開き、目は飛び出さんばかりに剥き出されている。
昨日あれだけ咲き誇っていた美しい花は、今、花瓶の中に何一つとして残っていない。
代わりに目を引くのは、床一面に広がる黄色。
一つ一つ、丁寧に、綺麗にむしり取られた黄色い花弁。
異様な光景に、清掃員も、館長も、言葉を無くして立ち尽くした。
悪戯にしては悪質で、異常で、あまりに得体がしれない。
沸き上がる恐怖に逆らうことなど出来る訳もなく、その日の内に花瓶は撤去され、メアリーの絵は他の場所へと移された。
「全く、気味の悪い…!
しかし、絵に悪戯されなかったのは不幸中の幸いだったな。」
メアリーの絵を大切に抱え、廊下を進む館長。
『花占い、もっとしたかったのに。』
小さく呟いた少女の声は、誰に届くこともなく掻き消えた。
不満げに膨らんだメアリーの頬に、気付くものは誰もいない。
終わり
まさにヤマなしオチなしイミなしです。
どこか尻切れトンボな終わり方ですが、これをスタート地点として、メアリー中心に物語を広げていくのも面白そうです。
…そんな予定はないけどさ!(爆)
次に書く機会があれば、その時はギャリーやイヴも出したいです。
Σとりあえず、書くの楽しかった!
自己満足バンザイっ!(^O^)/