私が中3のときの担任は、明らかに学校内で強い影響力を持っていた。生徒に対してはもちろん、他の教員に対しても。


 ともかく、私のクラスは異常だったと思う。
 テストの平均は常に学年一位、体育祭も合唱コンクールも優勝。各文科系・体育系各部活の部長が何人も所属していた。
 スポーツ万能な生徒もいたし、学年トップクラスの勉強が出来る人もいたし、ピアノが弾ける人なんか四、五人はいた。
 だから、大会なんかだと他のクラスが白けていた。明らかにおかしいうちのクラスが、どうせ優勝するわけだから。


 私は、人生で自分を受け持った教員の中で、あの教員より酷い教員に出会ったことがない。
 私自身が暴力を受けたことはないが、あの男の暴力は日常茶飯事だった。みんな知っていた。それが許されていた時代だったんだろうか?


 いまもあの男は、暴力的に小さな箱の中で抵抗も出来ない生徒たちに持論を語りながら、優越感に浸っているんだろうか?