弁当を食べる4人。
マユは誰も話さないのでどうしていいか分からずオロオロしていた。
「あのさ……」
テルがその沈黙を終わらせる。
「アヤには言ったんだけどさ。俺、ファリスを倒そうと思うんだ。」
テルの言葉にショウの箸が止まる。
「あの国王を倒すのですね。」
マユはそう言ってテルの方を見つめた。
アヤは一人無言でゆっくりと弁当を食べる。
「それで俺は、まずは父さんを探そうと思う。」
そう言ってテルはポケットから母親クヨミに貰ったルートを取り出す。
「これは危険だし、俺の問題だ。だから……」
テルは言葉を選ぶようにゆっくりと話す。
「私はついていきますよ。テルさ……んに。」
マユはそう言ってまっすぐテルを見つめた。
「そっか、ありがとな。」
テルはそう言って微笑む。
「それで簡単に言えば、一緒に行くか別れるかを選べってことだな。」
ショウはそう呟いてテルを見る。
テルは覚悟の決まった目で頷いた。
「そうか、少し考えさせてくれ。」
ショウはそう答えると弁当を再び食べ始めた。
「アヤさんはついて行くのですか?」
マユがそう聞くとアヤは一度止まるもゆっくりと頷く。
そして4人は弁当を食べ終えるとショウが一人で考えさせてくれと言ったのもあって、午前中は自由時間となった。
テルはアヤとマユをつれて5階にある買物フロアへ向かう。
エレベーターを降りるとデパートの1フロアのような場所であった。
「新しい服が必要ですね。」
服の替えを持っていないため新しい服を調達しなくてはならない。
とりあえずアヤとマユの服を買うために女性用のほうへ歩く。
そして二人は自分の服を選び始めた。
「これ、似合いますかね。」
そう言いながら水色のワンピースを眺めるマユ。
「マユはそういうほんわかした服は似合うと思うよ。」
テルがそう答えるとマユが嬉しそうに微笑む。
マユは水色のワンピースを片手に他の服を探しに歩いていった。
テルが振り向くとアヤが恥ずかしそうにテルの方を見ている。
「どうした?」
「私はどんなのが似合うの?」
アヤはぶっきらぼうにそう聞くが顔は赤く染まっている。
「アヤは……」
テルは返答に困り、苦笑いをする。
「一緒に探そっか……」
テルの返答にアヤは少し嬉しそうにするとそれを隠すように歩き出した。