本当に人を愛したら、その人なしでは生きていけなる、その人がいなくなったら死んでしまう、それが愛で、それくらいじゃなきゃ結婚なんてうまくいかない。と言っている人がいました。
わたしの恋人は、ある夜に、あなたが死んだらおれも死のうかな、と言いました。わたしは、きみがいなくなっても絶対後追いなんてしないからね、と言いました。
わたしは恋人がいなくなっても絶対に死んだりしない。そういう風に人を好きになったことがない。自分の人生や生命のすべてを他人に預けることは、わたしにとっては恐怖でしかない。

今日、コンビニで岡村靖幸と鈴木おさむの対談の記事を読んで、わたしは少し泣きました。
鈴木おさむも、奥さんがいなくなったら自殺する、と言っていました。仕事でなら自分のかわりなんていくらでもいて、自分にとっての存在意義は奥さんなんだ、と。
わたしは、恋人にダメなところをたくさん知られています。誘惑に弱いところもすぐ泣くくせに素直に甘えられないところも誰かをずっと恨んでるところも常識がないところも、全部知られています。だから、どうして恋人がわたしのことを好きなのか全然まったく分かりません。だけど、恋人は、あなたじゃなきゃダメなんだよ、と言います。
ありのままのわたしを愛してくれ、なんてことは絶対に言いたくない。少しでも素晴らしい存在になれるように、なるべくがんばっていたい。だけど、かっこつけてないわたしを好きだと言ってくれる人がいることが、こんなにうれしいことだなんて知らなかった。
わたしも、どうして自分が恋人のことを好きなのかよく分からない。だけど恋人じゃなきゃダメだ。他の男の人なんて全然ダメだ。いろいろなことがあって、わたしはすぐに自分の気持ちにブレーキをかけてしまうけど、なるべく、少しずつでも、自分が恋人のことを死ぬほど好きなことを、怖がらずに認めていこう、って、わたしは夜のコンビニで決意して、恋人の家に向かう電車に乗り込んだ。


いままで と これから。