セージ「なあ、そんなに牛乳飲んでも背は伸びないと思うんだけど……」
フラット「……?何を当たり前の事を」
セージ「え、知ってたんだ。じゃあなんでそんな豆に飲んでるの?」
フラット「お前、流動食って知ってる?」
セージ「……えーと、普通の食事が難しい人の食事……かな」
フラット「まあそんな所。牛乳も流動食の一種でさ、俺あんまり食事したくないから二食これで勘弁してもらってんの。一食は固形物じゃないといけないけど……」
セージ「あんまりどころじゃないと思うけど。でもフラット、アークさんには頭上がんないよなー」
フラット「んー……、あいつは弱味につけこんでくるから厄介で。うちに連絡入れるとかまじ勘弁……!!連れ戻されるって!」
セージ「お前どんだけ心配かけてんの」
フラット「心配性どもが勝手に心配してるだけ、俺は知らん、知ったこっちゃない」
セージ「まあ心配するなって方が無理そうだけど」
フラット「 …………むう」
リュセハ「あともう少しで暑さも和らぐぞ!」
セージ「へー、ふーん、そーなんだ……待ち遠しいなー……」
リュセハ「最近だらしがないぞ貴様」
セージ「貴様って言われたの久しぶりな気がする……」
リュセハ「たるんでいる!これが噂に聞くたるんでいる!」
セージ「なんか言葉おかしいよ」
リュセハ「情けないぞ!我と共に修行して気合いを入れ直すぞ!!」
セージ「こんな暑いときに修行したらオーバーヒートしそうだなー……ってかリュセハさん暑いの苦手じゃありませんでした?」
リュセハ「何を言っている、苦手だ!」
セージ「……超元気そうで何よりです」
リュセハ「夏は暑くて当然だろう?だから夏は暑さに少し耐性がつくのだ!これが修行の成果、だな」
セージ「リュセハのは気合いの割合が大きい気がする」
リュセハ「そう!お前の鍛えが足りんのだ。そら一緒に修行するぞ!」
セージ「ま、暑いときこそ汗かいてすっきりしますか……。いーよ、何すんの」
リュセハ「先ずはここの外壁に沿って1000周ランニングだー!」
セージ「いやいやいや、無理、死ぬ」
セージ「アークさんはずっと前からフラットの事探してたんですよね」
アーク「そうだね。逃げられてたんだけど」
セージ「……何かやったんですか、あいつ」
アーク「いや、特に何かしたわけじゃなくて、むしろしてないから探す羽目になったっていうか……」
セージ「してないから?」
アーク「音沙汰がなくてね、心配してる人が少なくないんだ。で、フラットを探して来てくれって頼まれたんだ」
セージ「え、じゃあフラットを家に連れ戻したりとかするんですか」
アーク「まあいずれは……。でも暫くは強行しないよ。あくまで無事かどうか見ておくのが目的だし」
セージ「はあ、大変ですね……あいつを見ておくとか」
アーク「腐れ縁だからね、もう慣れたよ」
セージ「でもそれじゃアークさんが気の毒ですよ。ずっと子守させられるなんて」
アーク「んー、でも他の人には出来ないと思うから。それに君達も危なっかしくて放っておけないしね」
セージ「えっ、オレも入ってるんですか!?」
アーク「勿論」
セージ「うう、アークさんに子供扱いされるなんて、自分が情けないです……」
アーク「あっごめん、子供扱いしたわけじゃ、」
セージ「いえっ、アークさんから見たらまだまだ子供ですから!オレ、今にアークさんに一人前だって認めてもらいますから……!」
アーク「う、うん、そう……頑張って……」
セージ「はいっ」
アーク(セージ君は私を買い被りすぎてるなあ……)
セージ「と、いうわけでお便りが届いています」
フラット「唐突に何だよ……」
セージ「何か悩み相談的な事をしてみないかって持ち掛けられてさ。暇だったから引き受けた」
フラット「面倒を自分から買って出るとは典型的なお人よしだな」
セージ「先ずは一通目ー。『最近背が伸びません。このまま成長は止まってしまうと思いますか?』……」
フラット「俺じゃない!こっち見んな!!大体伸びてるし!止まってないし!」
セージ「まあ成長期って人によるから、まだ成長期来てないだけだ、多分!はい次のお便り。ほら読んで」
フラット「えー……。ええと、『私は自分で言うのも何ですが、割としっかりしていて自分の今に誇りを持っています。今までもこれからも私は私に(中略)ですが、やはり結婚を視野に入れるべきでしょうか?』……長っ!そしてどうでもいい!!」
セージ「自分の人生だから、自分で決めることが一番かな。人に結論を任せられる問題じゃないな……。でもオレは、人生で一人パートナーを持てたらいいなって思ってるよ」
フラット「なんかお前場慣れしてねぇ?」
セージ「村の有線でこういうのやったことあるから。最後のお便りです『気になる人がいて、四六時中気になってて気が気でなりません。どうしたらいいと思いますか』」
フラット「うわあああ……。ちょ、セージ、裏裏」
セージ「え、あ……あー……。思いっきり私信だこれ」
フラット「何がどうしたらいい、だ。具体的にやりたいこと決まってやがるし!相談してねえし!絶対添い寝とかしてやんねぇし!!」
セージ「ていうか直接言えばいいのに……。ではご静聴ありがとうございました」
リュセハ「甘いのに、なぜかすっぱさがある気がする……!」
セージ「……え、すっぱい?そうかな……」
アーク「あんみつか……。私は餡そのままのが好きだよ」
フラット「いやお前は砂糖が好きなだけだ」
セージ「じゃあ黒蜜とかかけたらいんじゃないか?」
リュセハ「いや、別にこれでいい。不思議な味だ……今まで食べた事ない食べ物だ」
アーク「まあ、そんなに広く知られてる物ではないね、遠い地方の料理だから。夏場によく食べられるんだってさ」
フラット「……何でそんな詳しい……」
アーク「え、常識でしょう?」
リュセハ「そんな事言ったらお前以外ヒジョーシキになるぞ!」
セージ「うーん、甘いもの好きには常識って事、かな……?」
アーク「ああ!もう何してるの!」
フラット「うっ……。だってコレいらない」
アーク「まだ一口も食べてないでしょう、勿体ない!せめて出されたものは一口は食べるって約束したでしょ!?」
リュセハ「……む?食べたのに量が減っていない?」
セージ「いらないもの人に寄越すとか子供かよ」