ちぇり!
眼鏡の奥の(ダンス/慈郎×侑士♀←岳人)
2012.3.19.Mon 16:26

「あれ、侑士。また掃除してんのか?」
「あ、岳人君。休憩入ったん?お疲れ様。」
「だから岳人で良いって。って言うかさ、そんなに頻繁に掃除しなくても良いんじゃね?侑士は綺麗好きだなー。」
「せやって、直ぐに汚くなるんやもん。男の子は元気やなあ。」
「……なあ」
「おん?」
「侑士って、そんなに眼悪いのか?」
「え、何や急に?」
「だって、掃除とか洗濯とかする時はいっつも眼鏡外してんじゃん。邪魔なんだろーけどさ、其れって詰まりそんなに視力悪いって事じゃないんだろ?」
「まあ…そやけど…」
「じゃあ何でいつもかけてんだよ。悪いなら悪いでコンタクトでも良いだろ?」
「えっ、嫌や!目薬なら兎も角、眼ん中に異物を常駐させるなんてそんな怖い事出来ひん!」
「常駐って…」
「それに…ほら、ウチ背ェ高いやろ?」
「低くて悪かったな!」
「そうやなくて!…せやから、席替えしても後ろん席に移動させられて…黒板見るんに眼ェ凝らすようになってな、視力どんどん落ちてしもて。せやから眼鏡外せられんのや。」
「へー…」
「背高うても良い事ばかりやないんやで?」
「ばっ、馬鹿にすんなって!…ってか、だったら眼鏡なんて授業中だけでも良いじゃんか。そうだよ、普段は外してりゃ良いんだって!」
「あっ、い、嫌や。あかん…!」
「何でだよ?」
「あん…その…」
「?」
「う、ウチ、自分の眼苦手で…」
「はあ?何だ其れ!」
「せ、せやって、吊り眼やし、小さいし、怖いし…」

「だから、逆だっての!」

「…え」
「侑士の眼、切れ長でめっちゃ綺麗なんだぜ!鏡でよく見てみろよ、可愛いとは言えないけれど凄い良い眼してんだから!」
「が、岳人…」

「俺、お前の眼好きなんだから!隠すなよな!」

「……っ!」
「……あっ、いや!す、好きなのは眼であって、その、べっ別に、好きってそう言う意味じゃ…!」
「…ふふっ。嬉しいわ、おおきに。岳人。」
「えっ?あ…、…お、おう。」
「そんなん言われたん、初めて…で……」
「うわっ?!ちょっ!な、泣くなって!」
「ご、御免な。ほんまに、御免…。」
「ゆ、侑士…」


「あーっ!がっくん、侑ちゃん泣かしてるー!!」
「「?!」」


「じ、慈郎?!ばっ、違ぇよ!俺が泣かしたんじゃ…!」
「そ、そうなんや。ウチが勝手に泣いてしもうただけで…。」
「どーもこーもない!女の子泣かすなんてサイテー!」
「う゛っ…!」
「侑ちゃん、もう大丈夫だかんね!泣かなくて良い…か…。」
「…芥川君?」
「ま……また眼鏡取ってる!ゴミが入ったらどーすんの!してきて!今すぐ眼鏡してきてー!」
「あっ、ご、御免な。い、行ってきます!」
「あ、侑士!」

たっ

「……」
「おい、慈郎!一体如何言うつも……って…何真っ赤になってんだ…?」
「…だ、だって。侑ちゃんの眼、見てらんないんだもん…。」
「……は?」
「侑ちゃんの眼、綺麗で吸い込まれそうで…。あんなの、他の奴に見られたくないC…。」
「慈郎…」
「特に跡部には絶対に見せたくねー!恋のライバルにあんなん見せたら、もっと頑張らなきゃいけなくなっちゃうもんね!」
「俺は良いの?」
「え?がっくん??」
「そ、そうだよ。俺だって…その、侑士の事…。」
「何で?」
「…は?」

「がっくんになんか負ける気ねーもん。がっくんなんて最初っから数に入れてないCー。」

「ば…っっ」
「あ、後5分で続き始めっからね。早く休んでねー!」

「ばっかにすんなよーー!!!」


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