ちぇり!
大切な人へ(軽音/仁王×ブン太♀+幸村♀)
2011.11.9.Wed 00:20

「ねえ、ブン太」
「うん?」
「俺の歌を、代わりに歌ってくれて有難う」
「な、何だよ、急に。て、照れるだろぃ…。」
「蓮二に聞いているよ。毎日、頑張って練習してくれてる、って。」
「あ、あは…」
「で、何で?」
「はい?」

「何で、自分の歌は歌わないの?」

「…な、んで、って…」
「まさか、考えもつかなかった訳じゃないよね」
「……」
「……」

ぐいー

「この!分かり易い素直で可愛い奴め!!」
「いひゃいいひゃい!ほめへんのほれ?!」
「…俺、ブン太の歌、聴きたいな」
「そんな事言われてもさ、俺、音楽の才能無いし、曲なんて作れないよ」
「そんなの、蓮二か仁王が作ってくれるよ」
「作詞するのだって、見られるの恥ずかしいし…」
「曲が出来た後に詞をつければ?」
「あ、そっか。…いや、でも!俺には文才なんて無いし、幸みたいな歌作れないよ出来…。」
「あのねえ、俺と同じじゃなくて良いんだよ。ブン太はブン太なりの文章で、ブン太なりのやり方で伝えれば良いんだから。」
「俺なりの…やり方…」
「そう。俺の真似なんて、しなくても良いんだよ。」
「…でも、何て書けば良いのか…」
「簡単さ!自分の好きなものについて書けば良いんだよ!」

「……好きなもの」



がら

「ブン太、歌出来たぞー」
「おっ、サンキュー!」
「いきなり曲作れ、言われて吃驚したわ。柳に頼めば良かろうに。」
「柳は幸専門なの!俺の曲なんて作っちゃ駄目なんだって。」
「……ふーん」
「帰って聴くな。有難う!」
「おう。…そう言えば、其れ、良い詞じゃの。」
「うわ、馬鹿!!読んでも感想とか言うな、って言ったじゃん!テメーが先に詞が無いと無理とか言うから、恥を忍んで俺はなあ…!」
「はいはい、すまんかったって」
「ったく…!」
「……なあ」
「あん?」
「其の…『大切な人へ』って……」
「…ああ、此れ?だって、幸が好きなものについて書け、って言うから。」
「そ、其れって…」

「幸をテーマに書いてみた!」

……………

「そうか…」
「な、何だよ?悪いかよ!」
「いや…、…別に。じゃあの。」
「は?ちょ、にお…!」

ぴしゃん!

「……何だ、あいつ?」


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