ちぇり!
あんたがたどこさ(遊廓/白石×金太郎♀)
2011.11.8.Tue 23:50

とんとん

「あんたがたどこさ、肥後さ、肥後どこさ、熊本さ、熊本どこさ、船場さ♪」

とんとん

「…金ちゃん、鞠上手いなあ」
「ほんまに?!」
「ほんまや、俺より上手いで」
「白石よりも?」
「おん」
「…白石、鞠つけるん?」
「え?」
「せやって、いつもそんなん豪勢なの着とるやん」
「ああ…。でも、仕事が無い時は普通に動き易い格好しとるで」
「仕事…」
「うん?」
「そう言えば、白石の仕事って何なん?芸妓さん??」
「……………。

 せやな、芸妓さんや。」

「…ふうーん…」
(…何や、興味無いんかい…)
「綺麗やな」
「え?」
「綺麗や!白石、とっても!!」
「お…おおきに…?」
「ワイ、初めて白石を見た時な、女やと思ったんや。とっても綺麗な服着た、とっても綺麗な女の人!」
「お、女…」
「千歳は男の格好しとるし…。白石は、小春みたいな人なんやな。」
「小春?」
「ワイの友達!男なのに、女みたいな喋り方する変な奴なんや。」
「…ふーん」
「……?白石。ワイ、何か悪い事言った?」
「え?何で??」
「せやって、顔、むすっとしとる」
「……」
「……」

「…ぷっ」
「?!」

「ははっ、あかん」
「えっえっっ?!」
(何で、知らん男に妬いとるんや。金ちゃんがそないな目で男を見るなんて事無いのに。)
「し、白石?」
「いや、はは。何でもない。」
「ほんま?」
「おん」
「…なら、ええけど」

ごーん…

「あ」
「金ちゃん、鐘鳴ったで。そらそろ帰らんと。」
「おん…。何や、すっきりせんわ。」
「気ィ付けて帰りや」
「おおきに」
「……」
「あっ、せや!鞠、持っといて!」
「え?せやけど、此れ…。」
「今度、一緒に鞠つこーなっ!」
「……!」
「白石の鞠、見たいんや。約束やで!」
「はは…、約束て…。…ええで、見せたる。約束したるわ。」
「へへっ!楽しみにしとるからな!」
「おん」
「またな!」
「また」

ぱたぱた…

「……」

とんとん

「せやな。金ちゃんが、そないな目で見てくれる事なんてないんや。はは。」

とんとん

…とん

「……金ちゃん」





+++++

「金ちゃん、こんな着物着たいんか?せやな、女の子やもんな。」
と言わせたかった筈、なのに^ρ^


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