※本誌の流れがアレでそれなのに敢えてKYにサスケとナルトは木の葉でらぶらぶ
(いえす現実逃避!きらっ)
うちは一家は弟が心配で心配で仕方が無い

※いつも通り頭悪い







真夜中、さーて寝ようかなーと風呂上りの景気づけに牛乳を煽るナルトの耳に、通常ならばまず聞けないようなサスケの悲鳴が届いた。




うごぁぁぁ!?
「なっ何だってばよサスケェ!?」

寝室のドアを蹴り破り、ベッドにへたり込んでいるサスケの肩を掴む。
サスケの目はナルトを捉えていない、窓の外を凝視し、冷や汗をかいている。
尋常ならざるその表情に、ナルトも自然と臨戦態勢へと移ろうとして――サスケの言葉にすぐさま床で土下座をした。

「今兄貴と母さんと父さんが窓の外にィー!!」
「なんだって!?お父様、サスケを俺にくださいってばよ!
「あぁぁぁ幽霊に話掛けてんじゃねぇよしかも父さん怒ってんじゃねぇかあぁぁぁ

なにやら叫んでいるサスケもサスケだが、枕元に立った亡霊に結婚の許しを請うナルトもナルトだった。

「だって挨拶しなきゃってカカシ先生が、」
「だからって沸いて出た幽霊に話かけるか!?プロポーズするか!?」
「サスケは俺のモンごふっ!?」

サスケの見事なストレートがナルトを吹き飛ばし、サスケの恐怖心を更に加速させる。
夢に出ることはあっても現実で親と兄の霊を見るとは…サスケの混乱状態はピークに達しようとしていた。色々な意味で。

「ごめんなさい兄貴木の葉潰すとか言ってごめんなさい!二度と兄貴みたいな犠牲は出さないから枕元に立たないであああああああ」
「サスケがこんなに怖がるとは…思わず嫉妬して塩まいちゃったってばよ〜い!」
「人の家族に何さらす!?あぁぁ兄貴ごめんホントごめん…!」

マジで塩をまいたナルトをまたも吹き飛ばし、ひたすら兄に頭を下げる。
あの頃はもういっぱいいっぱいで、兄貴が守ろうとした木の葉を潰そうとしたのだ。
結局木の葉を共に立て直そう、と長い戦いの果てに和解したナルトと今頑張っているわけだが(子作りではないYO★)
それでもやはり後ろめたいというか何と言うか、兄には申し訳なかった。
兄も兄で、親を裏切っておきながらも護った弟は変な道に進むし挙句の果てには男と同棲してるし、あの世で親とかなりバトっていたのは弟の知る由もない。

「兄貴兄貴ってサスケはどんだけ兄貴が好きなんだよ!」
「兄貴とは色々あったんだよ!テメェにも話しただろ!」
「そーだけど!でも嫉妬しちゃうってば、よォ!!」
室内で螺旋丸ー!?てめ、人の家族に何やってんだコラァ!!」
「サスケが俺の事ほっとくからいけないのー!構って構ってくれってばよー!!」
「ウザい!!あぁあああ親父がどんどん怒った顔してるー!!」

幽霊に表情は無い、というのは間違いだ、と混乱した頭でサスケは思った。
それはもう父親は怒り狂った形相で、ミコトに踏みつけられている…あれ、幽霊って足あったの?(疑問)
兄貴はといえば、無表情でクナイを振り上げ――躊躇いも無くナルトに向けて放った。
クナイといっても、用は現実にサスケ達が用いる刃を模したチャクラの塊だ。
生前の癖というものは、抜けないらしい。ぼんやりとサスケは思う。
そんな事に意識が飛んでる間に、クナイもどきはナルトを直撃、ナルトは派手に吹っ飛んだ。

「ほぎゃらほえええ!?」
「あ」
「何、何だってばよ!?今の、何ー!?」
「に、兄さん…」
「何ィ!?てめ、自分で弟を頼むっつっときながらその旦那に何さらす!!うぉりゃー!」どんがらがしゃーん
「だっからテメェは何で室内で螺旋丸ー!?」ばちばちばちー
「そういうサスケも屋内で千鳥ー!!」

狭い部屋の中で、里でも二大奥義とされている術が炸裂した。
窓の外のうちは一家も臨戦態勢、木の葉のバカップルも臨戦態勢、何ですかこの図。
ミコトも、生前はフライ返し一つで強盗団を退治したとゆー伝説の調理器具を構える。上忍兼主婦は、強い。

「とにかく!サスケは俺がしっかり幸せにするってばよ!だからさっさと帰れー!!」
「帰れとか、酷ぇな…仮にも俺の家族なんだが」
「お前の家族は俺だろー!?」
「はいはい、お前もな」

段々冷静になってきたサスケは、ナルトの放つ術を悉く潰しに掛かった。
印を結ばせる前にサスケの手が出る足が出る。
さり気なく恥ずかしいセリフを叫ぶナルトを、これ以上家族の前で晒したくないとゆーのも本音だ。
あーそういやいつだったか、墓前できっちり誓ってくれた事もあったっけ…あれ最近?ぼんやりサスケの意識が漂う。
それでも何とかナルトを封じ込み、かつ兄の放つクナイを弾き返し、母のフライパンで父を殴り、中々カオスな現場となっている。
乱闘騒ぎは深夜の爆音によって駆けつけたサクラの鉄拳制裁によってあっさり幕を閉じた。






翌朝。
サクラと綱手の鉄拳制裁を食らった二人は、よろよろと自宅に戻った。
入院の勧めを断り、いのとネジに治療を頼み、傷は治ったが精神的にボロボロだった。
それでもナルトはぎゃぁぎゃぁ騒ぐ。

「何でサスケの父ちゃん達出てきたんだってばよ!?俺じゃダメですか!?そうなんですか!?」
「いや最後は何か偉い清々しい顔だったから認めたんじゃねーの?」
「俺は何が何でもサスケは手放さないからな!」
「…言ってろウスラトンカチ」
「ホントに、何があっても、手放さない、だから、」
「テメェはテメェの言葉は曲げないんだろ?」
「そうだってばよ!」
「ならいいじゃねぇか」
「…最近サスケは俺の事流すの得意になったよなぁ…」
「これだけ傍に居ればな」








一方、天国(曖昧概念)では

「しかしイタチよ…本当にあの小童にサスケを任せてよいのか」
「あぁ見えて彼は本当に強情というか駄々っ子というか…まぁ、宣言した事は実行します」
「お墓で誓ってくれた事は、信じていいのかしら」
「少なくとも俺は信じます。ナルト君は、サスケの事を、手放さなかった」
「そうよね、あなたが親を裏切ってまでして護った弟を信じてくれた子だものね
「………」
「ミナトの子だというからもう少し知的で落ち着いた子を想像していたのだが…やはりクシナの子だな」
「クシナちゃんに似て真っ直ぐなのはいい事じゃない」
「次に何か間違いがあったらその時はイタチ…解っているだろうな」
「えぇ、その時はまた父上を抹殺してでも弟を護りますから」
「……………」
「……………」
(どうしてこの親子は陰湿かしらねぇ…)










=============================
何をどうしてこんな話が出来上がった私(;´д⊂)

(2011.6.22)