前回の続きです。
幼なじみって良いよね。
どこで切れば良いのか分からないのですが…うーん…
きちんと完結できたらずらっとひとまとめにしようかな…
では追記から…
1
「おーい! 魔法使いさーん!」
私が迷子になって、魔法使いさんの家に泊まってお世話になってから何年かたった。森の中に隠れ住んでいる彼の家にはあれから何度も訪問していた。入り口は魔法で見えなくなっているらしいけど、場所は分かる。この木の根元だ。
そこから魔法使いさんが顔を出す。
「……レッタ、また来たの?」
相変わらず長い前髪で表情は見えないけど、うんざりしている口調だ。でもそんな彼の様子にはお構いなしに、私は用件を伝える。
「魔法使いさんからもらった薬、早速ばあやに使ってもらったわ! 体がかなり軽くなったみたいで、とっても嬉しそうでね、お礼を言っておいてくれって!」
にこにこしながら早口で言うと、彼は小さくため息をついて一言答えた。
「そう」
そっけない言い方だけど、いつものことなので気にしないことにして、話題を変える。
「さあ、今日もいい天気よ。絶好の薬草探し日和じゃない?」
「僕は今日一日、薬の調合をして過ごそうかと思っていたんだけど」
「あら、それは雨の日だって、日が暮れてからだってできるわよ。こうして人手もできたことだし、それを最大限利用して、一人だと面倒な採取場所にでも行くのはどう?」
「はぁ……とても気が進まないけど、僕に拒否権は無いみたいだね」
『とても気が進まないけど』の部分だけ強調して言わなくても良いのに。私は少しむくれて頷いた。魔法使いさんは、何だかんだと言いながら折れてくれることが多い。私の方が子供みたいだといつも思うが、実際私の方が年下なのであまり気にしないことにしている。