お店っていうのはねえ 行きたくなったときだけ行けばいいの 本屋では純粋に本を欲しがればいいの


お店に行くのにもタイミングってあるよねって。あと本屋ではやっぱシンプルに本の話が盛り上がるんだろうなって。

毎日本読むんですか?と聞かれるけどそんなわけないでしょ

小林豊『せかいいち うつくしい ぼくの村』

私が小学生だったときの教科書には載ってないんですが、いまは載っている作品です。
この前はじめて読んで、その衝撃的な結末に絶句しました。祈りの物語ですね。続編がないほうが、良かったかもしれない。ないと本当に救いはないのだけど、現実に救いはないから書かれた物語でもあるのだろうし。

此元和津也『セトウツミ(8)』

完結巻。意外と爽やかに終わってびっくりしました。そしてこの巻は途中から急に本格ミステリになります。よくある流れだと猫が死ぬんですけど(TO-Yなつかしいネ!)死ななくてよかったです。トーイがよくある流れというわけではないのですが、ニアちゃんのことが自分のなかで強く残っていたみたいです。
樫村さんあざとく可愛いですね。

青桐ナツ『flat』

むかし、良さがよくわからなかったんですけど主役ではなく周りの人を愛でるようになったら良さがわかりはじめました。flatな彼に対する周りの人間の行動をながめる物語だと思ってます。「気持ちにはこたえられない」と言われる場面を、たまに読み返したくなります。

高石宏輔『声をかける』

お店ではらはら読んで、もう少し読みたくなった……というか、いまの自分にとって、読んでみたほうがいい本なのでは?と思いました。

「あなたの物語の中にあたしを残して」
高橋葉介・みもり『押入れの少年(3)』

これも完結巻。予想外に淋しい結末になってしまいました。「見守り番」は、みもり先生から名前がきているのかいないのか気になります。
孤独だなあ。みことちゃんは元気だけど、心が人間からは遠ざかってしまった感じがせつないです。

有栖川有栖『46番目の密室』

きのう書いた、私がグレン・グールドを知ったきっかけとなる物語です。はじめから終わりまで、登場する人たちがちょっと調子がはずれているところが魅力的だなと思います。まともなように見せながら、すべてが少しずつ狂ってるんですよね。探偵も助手も犯人も他の人も、その背景に流れているグールドの音楽も。シリーズ通して読んでもこの物語だけがちょっと変で(まあ最初の話だからというのもあるだろう)、そこが好きです。