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雨×雪だるま<オリジナル小説>(依瑠)


この小説は擬人化であり、18禁表現を含みます。閲覧は自己責任にて、お願いします。






「なぁ、雪」

「何だよ、雨」

「そろそろさ、いいんじゃね?」

「何が?」

「あ〜・・・なんつうの?次のステップに進んでもさ〜」

「次のステップって?」

雨の言ってる事が理解、出来なくて、小首を傾げるオレに、雨は、ガシガシと頭を掻いた。

その様子を、髪、傷めそうだな〜、なんて、ぼんやりと眺める。

ふと、抜けた毛が目に入って、取ろうと、雨の肩に手を伸ばすと、がつり、手首を掴まれた。

「痛い、雨」

「雪が警戒心、無さ過ぎるから」

「言ってる意味が、わからないよ」

「無自覚なのが、たち悪いよな」

はぁ・・・と溜息をつかれ、むっとする。

「雨、おかしいよ」

いつも以上に、という言葉は抑えて、オレは、雨に言い返した。

「なぁ、前に俺が雪に言った言葉、覚えてる?」

雨は複雑そうな表情をしながら問い掛けてくるけれど。

「もちろん、覚えてるよ」

オレも負けじと答えてやる。

雨が2ヶ月前に『付き合って欲しい』と言ったから、オレは、こうして、雨が誘う度に付き合ってあげてるっていうのに。

毎回、大した用事もなさそうなのに付き合ってるオレは律儀だと、自分で思う。

「俺の気持ち、わかってるよな?」

「わかってるよ」

雨が淋しがり屋なのは、良く、わかってる。

じゃなきゃ、こんなふうに、毎回、毎回、ただ喋ったりする為に、オレを誘わないと思う。

雨はしょうがない奴だ。

「雪は無防備過ぎだろ」

雨が真顔で、ぺたり、オレの胸に掌で触れる。

「雨、オレ、胸ないよ」

「んな事は、わかってるよ」

「触っても気持ち良くないよ?」

「だぁ!もう黙ってろ」

途端に不機嫌になって、声を荒げた雨が、ぺたり、ぺたり、とオレの体を確かめるように触れていく。

「何?」

「・・・・・」

ついには返事すら返してもらえず、とりあえず、雨の好きなようにさせておく事にした。

胸から、お腹を過ぎて、太ももへ。

そこまで行くと、太ももから、上へ上ってきた。

胸を通り過ぎて、首へ。

首から頬へ。

雨の掌が、頬で、ぴたり、と、止まる。

あ、と思った時には、雨の顔が目の前にあって。

気付けば、雨とオレの唇が触れ合っていた。

ちゅ、と、軽い音をさせながら、すぐに離れたそこに熱が残っている気がして、パチリ、パチリ、瞬きを繰り返してみる。

雨は俯いてしまっていて、表情が見えなくて。

雨とキスをした戸惑いよりも、雨の顔が見たい気持ちの方が大きくて、雨を、じっと見つめてみた。

オレ、何か変だ。

雨とキスした途端に、今さっき、雨に触られた部分が熱を持っているように熱くなるなんて。

「ねぇ、雨」

「・・・何だよ」

少しの間があったものの、今度は答えてくれた雨に安堵と嬉しさを感じながら、オレは今、感じている事を口にした。

「何か身体が熱い感じする・・・」

オレが、言葉を言い終わるか終わらないかの内に、ばっと顔を上げた雨は。

「雪、意味、わかってる?」

妙に掠れた声で問い掛けてきた。

「雨、オレ、おかしいのかな?」

「どうして?」

「雨に、もっと触って欲しくなった」

がばり、苦しい程に、雨がオレを抱きしめる。

「・・・なぁ、ヤじゃねぇの?」

「嫌じゃないよ」

嫌なんかじゃない。

だから、早く、この熱を何とかして欲しいのに。

そんな気持ちが伝わるように、動かしにくい腕を、怖ず怖ずと雨の背中に回してみる。

すると、雨は更に、ぎゅうぎゅうと、腕に力を込めてきた。

まるで、オレを雨の中に閉じ込めるみたいに。

「あ、めっ。くるっしっ」

流石に耐え切れなくなって、そう口から零すと。

「シテ良い?」

さっきよりも力を緩めた雨が、オレの耳元で声を落とす。

「何を?」

オレの疑問に、雨は耳元で、ふと笑みを零すと。

「気持ち良い事」

そのまま、とさり、オレの身体が床に倒れて。

「雨?」

あまり見た事が無い、真剣な表情の雨に、少なからず、恐怖にも似た感情が芽生える。

「雪は、ただ、受け入れてくれるだけで良いから」

懇願するように、縋るように、オレの顔の横に手を付いて見下ろしてくる雨。

そんな雨を拒否するなんて出来なくて。

「うん」

雨の腕に手を添えながら頷いた。

雨は、顔を近付けて、今度は深いキスを落とすと、そのまま、首から順に舌を這わせて。

下へ、下へ。

時折、舐めるのを途切れさせては、口へのキスを繰り返していく。

気が付いた時には、もう、2人とも裸になっていて。

雨は舐めるのを止めると、オレを見下ろしながら、お尻に指を這わした。

「んぅ」

お尻の中心に指先が当たり、思わず、声が漏れたオレに雨は囁くようにして。

「痛くないようにするから、ちょっとだけ我慢して」

そう言うと、顔を少し、歪めさせる。

「な、に・・・?」

そんな雨に、不安になって、問い掛けたオレに雨は。

「大丈夫だから」

さらり、オレの髪を撫でた。

雨の声が、ぼんやり聞こえている状態で動けずにいると、お尻の中に、雨の指が入ってくる感覚がして。

「っ、あ、めぇ」

思わず、怖くなって、雨に縋り付いた。

「痛い?」

「くるっしいっ」

「辛かったら噛んで良いから」

そう言って、雨は、自分の手をオレの口元に当てる。

雨に言われたまま、オレが手を銜えたタイミングで、雨のお尻に入れていた指が増やされた感覚がした。

「気持ち良い?雪」

「わか、んなっ」

「ココは?」

「んあっ!」

雪が刺激したソコがビリリと、電流が走ったかのように感じて、オレの声が無意識に高く響く。

そんなオレに、雨は満足そうに笑みを浮かべると。

「ココが良いんだ」

そう言って、その行為を繰り返す。

「ぅあっ!あっ、あっ」

同じところを何度も摩られて、声を耐える事が出来ない。

「どう?雪」

「んぅっ、もっ・・・やっ、あぁ!」

刺激の強さで、身体が、どうにかなってしまいそうな感覚に、どうして良いか、わからなくて、雨に懇願するように縋り付く。

「雨、可愛い」

オレの願いが届いたのか、ようやく指を抜いてくれた雨に、乱れた呼吸を整えるかのように、ほっと、息を吐いた。

口元にあった雨の手がオレの頬に触れて。

「雪、好き」

「え、ぅああ!」

雨から、思わぬ告白をされたかと思うと、押し広げるような強い圧迫感を中で感じて、ぐっと背中が、のけ反った。

「雪、きっつい」

「んああっ!」

「でも、すごい良い」

「あ、めぇ、やぁぁ!」

雨の動きを受けるだけで精一杯で、雨に必死にしがみついて、声を上げるしか出来なくて。

自分が、今、どんな姿なのか、とか、何処にいるのかすら、わからなくなって。

ただ、雨だけがオレの中に存在していて、ドロドロに溶かされているようだった。

「なぁっ、雪っ。俺達、今、一つになってるの、わかるっ?」

「う、んっ、あっ!」

「このまま、離れなきゃいいのにっ」

「ん、あぁっ!」

雨の声が耳を通り、オレの中で響く。

「ゆ、きっ、もっ!」

「んっ、ぅんっ!」

雨に、ぎゅっと抱きしめられ、お尻の奥から中へ入ってくる熱いものを感じながら。

「雪、好き」

「んぅ」

オレは、このまま、雪と一つになれれば良いのに、と、強く願った。

鶏頭とタンポポ<オリジナル小説>(依瑠)


この小説は18禁表現が含まれます。閲覧は自己責任にて、お願いします。







「なら、慰めろよ」

きっかけは、たった一言。

恋人でも無い、ただ慰め合うだけの関係。

好きも愛してるも無いのに、何故、乗ってきたのかは、わからない。

ただ、男同士でも、案外、簡単に、そうなれるのだという事と、自分が慰めに対してでも、高ぶる事が出来るのかと、自分自身を自嘲した。








「んっ・・・そ、だっ」

「ここ?ここがいいの?」

「やめっ!」

ギシギシと鳴るベッドが卑猥さを誇張して、行為を更に興奮で煽る。

「もっ・・・」

「もう?もうちょっと頑張ってよ」

「ば、かっ」

「っ、ひどいなぁ」

余裕ぶってるように見せている割に、互いに限界が近いのは感じていて。

「ぁ、いっ!」

「っ、」

俺が達した後に、中で、生暖かい感触が広がっていく。

ずるり、と中から、圧迫感が無くなり、乱れた呼吸を整える前に、ずしりとした体の重みが伸し掛かってきた。

「どけよ」

汗ばんだ体が重なり合う感触が気持ち悪い。

「いいじゃん」

「重い」

「つれないなぁ」

俺の上に被さっていた体が、ごろりと横に寝転んで。

「律、シてる時は可愛いのになぁ」

「っ、うっさい」

むくり、隣の影が動いたかと思うと、顔が近付いてきた。

後、数ミリで、くっつきそうになった、その時。

「大悟」

俺が名前を呼ぶと、ぴたり、動きが止まった。

「・・・おしい」

「おしい、じゃねぇよ」

吐息が掛かる、その距離で止まったまま、互いに動く事は無くて。

「大悟」

再度、名前を呼ぶと。

「・・・あ〜はいはい。どきますよ」

さも、仕方ないといった雰囲気を、全面に醸し出しながら、大悟が俺から離れていく。

「何か飲む?」

「茶」

「相変わらず渋いな」

ぎしりと、ベッドを、わざとらしく軋ませながら降りて、台所に向かう大悟の背中を目線だけで追った。


大悟と俺は、所謂、腐れ縁ってやつで。

こういう関係になって決めたルールに、キスはしないというものがある。

俺は体さえ満たされれば満足だったし、それ以上は求める気も無い。

そのルールがあるから、大悟も名前を呼べば、キスをする事も無くて。

そんな大悟との関係も、もうすぐ一年程、経とうとしていた。

だけど、最近、隙あらば、キスを仕掛けてこようとする大悟に、正直、面倒臭さを感じ始めてきた。

「ほら」

ねっころがったままの俺の額に、こつり、冷たいペットボトルの角が当たる。

「どうも」

それを受け取りながら、体を起こして、茶を飲むと、幾分か体内がスッキリとしたように思えた。

「今日は帰るの?」

わざとらしく聞いてくる大悟に、若干、苛つきながらも。

「今日も帰る」

俺も、わざとらしく返してやった。

「泊まってけばいいのに」

「やだよ。お前、しつこいもん」

「それは律の中が良いのが悪い」

裸のまま、真面目な顔で答える大悟を、鼻で笑いながら。

「意味わかんねぇ言い訳してんじゃねぇよ」

俺はパンツを手に取り、着替えを始めた。

俺が服を着ていく様を、ねっころがりながら、両肘をベッドに付き、眺めている大悟に、何が楽しいのかと、疑問に思う。

「じゃあな」

完全に着替え終わったところで、別れを告げ、玄関に向かおうとすると。

「送るよ」

大悟が、のそり、と体を起こした。

「裸でか」

「着替えるに決まってるだろ」

「いらねぇ」

「もらっとけ」

会話をしながら、パンツを履き始めた大悟を横目に、俺は。

「じゃあな」

尚も着替えている大悟を無視して、一言、告げ、玄関を出た。

そのまま、自分ん家に向かいながら、歩いていると、疲れた体に当たる風は心地好いもので。

「そろそろ、終わらせるかな〜・・・」

独り言と溜息が、俺の口から漏れた。







「俺、気になる人が出来たから」

あれから、一週間程、経った頃、大悟からメールが来た事をきっかけに、大悟の家に行って、何気ない会話をしている時に、俺は大悟に、そう告げてみた。

「え?」

「だから、今日、大悟とはヤらない」

きっぱりと言った俺に、面くらったように間抜けな顔をしながら、大悟は暫く俺を見て。

「・・・そっか!律、良かったじゃん」

自分の頭の中で整理が出来たのか、笑顔を浮かべながら、そう言った。

「あぁ」

「どんな人?」

「何で大悟に教えなきゃなんねぇんだよ」

「固い事、言うなよ。気になるじゃん」

「言わねぇ」

「何でだよ。協力しようと思ってるのに」

「いらねぇ、失敗したくねぇし」

「失礼だな」

悪戯をする時の様に笑った後、大悟は。

「じゃあ、今日は、お祝いだな。赤飯は無いけど」

「いらねぇよ」

尚も笑いながら、俺の前のテーブルに酒を並べ始めた。

次々に並んでいく酒に眉を顰めながら。

「誰が、こんなに呑むんだよ」

問い掛けた俺に。

「律とオレに決まってるじゃん」

さも当然と言わんばかりに、大悟は答える。

「呑めねぇよ」

「呑んどけよ」

大悟は、ぷしゅ、と炭酸の弾ける音を立てて、缶を開けると、それを俺に差し出してきて。

「今日だけだからな」

仕方なしに、その缶を受け取りながら、一応、忠告をする。

「わかってるって」

本当かよ、と突っ込みたくなるような軽い調子で答えた大悟も缶を開けて、互いに酒を呑み始めた。

それから、俺の気になる人の話をする事も無く、大悟のドジ話やらを聞きながら、時間を過ごしていたものの、気が付くと、俺はベッドの上に居た。

どうやら余り酒に強くない俺は、呑んだまま潰れてしまったらしく、重い頭を動かして、携帯の時計を見ると、夜中の2時をさしていて。

「おい、大悟。帰るから、鍵」

ケータイの明かりで、大悟が隣に居る事に気付き、起こしてみたものの。

「・・・ん〜?律、今、何時?」

「2時。起きろよ」

「も、いいじゃん。泊まっていけよ」

半分、眠っているような声で答えたかと思うと、俺に腕を伸ばし、抱き締めるように体を横にして、寝転ばせてきて。

「お休み、律」

むにゃむにゃとした声で言った後、また寝息を立て始めた。

「勘弁しろよ」

そう呟いてみたものの、大悟の体を外す体力も無く、酒が残っているせいで意識も薄れてきて、閉じていく瞼に抗えず、眠りに誘われる事にした。






「あ、律。起きた?」

再度、目覚めた俺の目に飛び込んできたのは、タオルで頭を、がしがしと拭いている、裸の大悟だった。

「最悪だ」

「何でだよ」

「寝起きで大悟の裸なんて見たくもねぇ」

「シャワー浴びたから」

「パンツくらい穿けよ」

「見慣れてるだろ?」

「そういう問題じゃねぇ」

「良いじゃん。律も浴びたら?」

「いや、帰る」

未だ頭の重みを抱えながら、気怠い体を起こして、立ち上がろうとした俺の腕を、大悟が掴んできた。

「何?」

「フラフラしてるんだから、もう少し休んでいけよ」

それが、大悟の優しさとは理解出来ても、鬱陶しさは拭えない。

体調のせいもあってか、大悟が酷く面倒に感じて。

「前から思ってたけど、構い過ぎ」

つい、本音を零してしまった。

「律?」

「大悟と俺は、そういうのじゃねぇだろ」

「そういうのって何だよ」

「付き合ってる訳でもねぇのに、干渉し過ぎんなよ」

俺が、そう言葉を吐き捨てた瞬間、大悟が、顔を顰めて、手の力を緩めた。

そんな大悟から顔を逸らし、掴まれた腕を振り払った後。

「帰る」

一言、告げて、玄関に向かう俺の背後に。

「悪かったな」

そう小さく呟いた大悟の声が聞こえたが、構わず、俺は、玄関を閉めた。









それから、気が付けば、1ヶ月程、経っていて。

一週間に一度は必ずあった大悟からの連絡は、あれっきり無く。

当然といえば、当然な状況に、大悟とは、このまま終わっていくのだろうと思っていた。

もう少し、言い方があったかも知れない、と、最後の別れ方に若干の後味の悪さを感じながらも、遅かれ早かれ、大悟との関係を断ち切ろうとしていたのだから、これで良かったと思う自分も居て。

大悟の居ない日常に慣れてきた矢先、俺の携帯に一通のメールが届いた。

『家で待ってる』

短い文章の大悟らしくないメールを、始めは無視してやろうか、と思ったが、そのメールに、どことなく違和感を覚えた俺は、久しぶりに大悟の家を訪ねた。

呼び鈴を押した後、直ぐにドアは開かれ。

「久しぶり」

力無く笑う大悟が、少しやつれたように感じながら、招き入れられるまま、大悟の部屋に上がった。

「で?用事は?」

以前と同じ場所に腰を下ろした俺が、そう問い掛けると、大悟は俺の隣に座り。

「なぁ、律。慰めてよ」

以前、俺が言った言葉を、大悟が俺に投げ掛けてきた。

「は?どうしたんだよ、大悟」

「律、慰めてくれよ」

そう言うと、大悟は俺の体を背後にあるベッドに押し付けながら、抱きしめてきて。

「ちょ、待てって、大悟」

「無理。待てない」

「落ち着けって」

「落ち着いてる」

強引に、俺の体をベッドに引き上げ、馬乗りになって、両手と両足で、動きを封じ込めた後。

徐に、俺の首筋に舌を這わせた。

「んっ」

服の中で大悟の手が肌を撫でて、その勢いのまま、服が脱がされていく。

「大悟っ」

「我慢できない」

必死に止めようとする俺に、大悟が、急くように行為を進めて。

「ぅあ!」

乳首を捻られ、思わず、声が漏れた。

急速に、熱を上げさせられる体に、抵抗すら出来なくなり、口に手を当てて、快感に耐える事しか出来なくなっていく。

「律」

「んっぁ」

大悟は、舌での体への愛撫を止めて、俺の名前を呼ぶ行為を何度か続けるものの、久しぶりの感覚に、喘ぎ声だけが口から漏れていく。

気が付けば、お互い裸になっていて、大悟の指が、俺の物に触れて、後ろの穴に指が入っている状況で。

「だい、ごっ!キツ、いっ!」

くちゅくちゅ、という音が、前なのか後ろなのかも、わからない状態に、耳を塞ぐ事も出来ず、大悟の肩を必死に掴んでいた。

「律、気持ち良い?」

「もっ、むっ、んぁっ!」

大悟の上がった息と、汗ばんだ体が、少し離れたかと思うと。

「っ、うぁぁ!」

痛みを伴うような圧迫感が、俺を襲った。

「はぁ、律。いい?」

「っ!だっ、んぁ!」

俺の返事を待たずに、動きを再開した大悟に、がくがく、と揺さぶられるのを必死でついていきながら、大悟の物を覚えている体が、強い快感を与えて。

「も、むっ、あぁぁ!」

いとも、呆気なく達してしまった俺とは対照的に、大悟は収まる気配すらない。

「っ、ごめん、律。付き合って」

「だい、ごっ」

達した直後だというのに、尚も強い快感を引き出される感覚に、眩暈すら起こってくる。

いつまでも終わらない快感に、もういっそ気絶した方が楽な程に感じていた時、漸く、大悟が中で達した。

大悟の物が抜け、互いに息が乱れたまま、無言の状態が続く。

力が入らない体を、ぐったりとベッドに預け、指を動かす事すら億劫に思えるものの、このままでいる訳にもいかないと体を起こそうとすると。

「律、ごめん」

力無くうなだれた大悟が目に入った。

「どの意味だよ」

渇いた笑いを浮かべながらも、俺の頭には疑問しか浮かばない。

何で、襲われたのかも、大悟が、何で、こんなにしつこかったのかも、理解が出来ない。

「律が・・・好きなんだ」

「は?」

大悟からの、あまりにも急な告白に、思考が停止した。

「律から言われて、色々、考えた。律は、オレの気持ちに気付いてないし。確かに付き合ってないし。律には気になる人も居て、オレが迷惑になるかもしれないとか・・・でも、オレ、やっぱり律じゃないと無理だ。律の事、抱き締めたいと思うし、キスだってしたい。律、オレを彼氏にして欲しい」

「ちょ、待てよ、大悟」

「待てない。充分、待ったし。律は、オレが嫌いか?」

「嫌いじゃねぇけど・・・」

「なら、オレを選んでよ、律」

縋るような目線を向ける大悟に、言葉を発せずにいると。

「・・・嫌なら突き飛ばしてくれ。そしたら、もう律とは関わらないから」

そう大悟が言ったかと思うと、徐に顔が近付いてきて。

急な決断に、体が動かずにいると、大悟の顔が、後、数ミリでくっつきそうになったところで、ぴたりと止まる。

「今度は止めないからな」

大悟の呼吸が唇に当たる距離に戸惑いを隠せずにいると。

「っ、」

唇に柔らかな感触が当たった。

それは直ぐに離れ、大悟の真剣な瞳が、俺を射抜く。

「・・・本当に良いんだな?」

確かめるように問い掛けた大悟は、動かない俺に、再度、顔を近付けて。

今度は止まる事無く、唇を合わせた。

「んっ」

大悟の舌が、俺の舌を、からめとり、吸って、歯の裏側をなぞっていく。

抵抗しなければ、と思うのに、大悟の舌の動きに翻弄され、体から力が抜けていき、頭がくらくらとして、呼吸の仕方さえ忘れそうになる。

大悟と俺の唾液が混ざり合い、飲み込め無くなった時、漸く、大悟の唇が離れて。

「はぁ、んっ」

もう終わったかと思えば、今度は角度を変え、まだ貪ろうとする大悟に、力無く、拳をぶつけると、大悟は完全に、俺から離れた。

「も、苦し・・・」

息も絶え絶えに伝えると、今度は、俺を力強く抱きしめた後。

「だって、やっとキス出来た」

切なさを含んだ大悟の声が耳を擽って。

「っん」

思わず、上擦った声が漏れた。

「律、可愛い」

「っ!」

直後、頬に大悟の唇の感触がした後、耳に大悟の吐息が掛かったかと思うと。

「律は、もう、オレの物だよな」

少し掠れたような大悟の声が耳元で聞こえてきて。

大悟とは終わりだとか、俺は物じゃねぇとか、そんな言葉を返そうと思ったのに、嬉しそうな大悟を前に。

「・・・あぁ」

つい、ふて腐れたように返事をしてしまった。

「やっと、律を捕まえた」

それでも、嬉しそうな大悟に、まぁ良いかと思えてきた俺は、さっきから気になっている事を口にした。

「大悟」

「何?律」

「何か当たってんだけど」

裸のまま居たせいで、大悟の変化に、目敏く気付いてしまう。

「うん。律、もう一回しよ?」

「も、無理っ」

「今度は優しくするから」

「大悟!んっ!」

俺の言葉を塞ぐように口づけをした大悟は、肌を撫で、唇で体への愛撫を始めて。

「や、んぁ、あっ」

そうなると、もう喘いで流されるしか無くて。

大悟は、今までの分を取り返すかのように、体を刺激しながら、口づけを与えては。

「んぁ!そこっ、やっ」

俺の感じる所を責めていく。

「律、好き」

「も、いいっから、は、やくっ」

キスだとか、さっきの行為に、体が敏感になっていて、早く入れて欲しくて、ねだる俺に。

「もう?」

大悟は笑いながらも、後ろの穴に物を当てて。

「良い?律」

「んぅ、ああぁ!」

俺の返事を待たずに奥を犯した。

「律の中、凄く気持ち良い」

「あ!だ、いごっ!んぁ!」

奥を抉られる快感と、その合間に塞がれる口についていくのが精一杯で。

「んぁ!も、むっ!あぁっ!」

「律、一緒にイこ?」

「ああぁぁぁ!」

直ぐに達してしまった俺の奥で、大悟の物が震え、達した事を感じた。

「んぅ」

達した直後だというのに、大悟の物が抜かれる瞬間ですら、喘いでしまうほど体の敏感さが引いていかない。

大悟は、そんな俺を一度、抱き締めた後、体を離し、ベッドから降りて、どこかへ向かう。

もう、顔を動かす事すら億劫で、目を閉じて、ぐったりとしていると。

「はい」

頬に冷たい感触が当たって。

何だ?と目を開けると、茶のペットボトルを差し出している大悟の姿が映った。

「ありがと」

素直にペットボトルを受け取り、上半身を起こして飲むと、体の中に水分が浸みていくように感じる。

「律、大丈夫?」

「大丈夫じゃねぇよ」

心配そうに俺を見つめる大悟に、笑いながら答えてやると。

「ごめん。嬉しくて・・」

「馬鹿」

「うん。わかってる」

しゅん、と項垂れたように情けなく俯く大悟に笑ってしまう。

大悟は、怖ず怖ずと顔を上げて、俺を見上げて。

「・・・今日、泊まってくか?」

そう、問い掛けてきた。

俺が、どうするかな、と考えていると。

「律?」

不安そうな大悟の声が、俺を求めているようで。

「今日は・・・泊まってやってもいい」

体を動かすのも怠いし、キスもしたし、もう良いか、と、そう答えた俺に。

「本当か!?」

大悟が大袈裟に喜んだのを見て、笑ってしまう。

「嫌なら帰るけど」

「嫌な訳ないだろ!何か、夢みたいだ」

「何だそれ」

俺の言葉や態度に一喜一憂する大悟は、俺への想いを示しているようで。

認めて折れてやってもいいか、なんて思う。

「じゃあ、今日は、いっぱい律を感じられるな」

「・・・勘弁しろよ」

素直になんて、未だ、なれないけど、こんなにも、大悟が嬉しそうにするなら、少しずつ、受け入れてやってもいいか、なんて、顔が緩んだ。

焦れったい彼と想いの行方<オリジナル小説>(依瑠)


この小説は18禁表現を含みます。閲覧は自己責任にて、お願いします。








セックスする場所なんて、何処でも良いじゃないか、と思う。

例えば、今日は何処のホテルじゃなきゃいけない、とか、部屋のベット以外ではしない、とか。

そこまで拘る必要はないと思うけれど、彼は、そうじゃないらしい。

そんな彼のセックスも、やっぱり彼なりのこだわりがある。

何というか、言い方を変えれば丁寧だ。

キスから始まり、愛撫され、しっかりと解される。

早急にされた事など一度も無く、それが返って、焦らされているかのようで。

日常生活での彼も、また然りで、潔癖とまでもいかなくても、整然とされていた。

だからと言って、それを強要される訳では無いけれど、目の前で、そういう行動をされれば、こちらも、きちんとしなければ、と思うし、元々がズボラな性格の故、窮屈さすら感じる。

彼といると、時たま息が詰まりそうになる。

理不尽に喚き散らしたくなるけど、彼を見ると、そんな気持ちも萎んでしまう。

きっと彼は、こちらが取り乱そうが、平然な顔をして収めてしまうだろうから。

この状況を打開しようと、毎日のように逢ってセックスしてみたり、また逆に1ヶ月程、逢わずにいてみたりを行ってはみたものの、彼の行為が変わるわけでもなく、ただ単に空回っているだけのような気がして止めてしまった。

早急に入れてみたくなる事はないのだろうか。

ガッツかれる事が、決して、想いの象徴とまでは言わないけれど、たまには、そんなふうに求められてみたいとは思う。

彼が穏やかであればある程、焦りにも似た感情が、ぐるぐると渦巻いていく。

だから。

「しない」

「しない?」

「セックスは、しない」

いっそ焦らしてみようと思った。

「何故?」

そう問われても、本当の理由など言えるはずもなく。

「ん〜・・・気分じゃない?」

「そうですか」

するり、彼の手が髪から離れて、思わず、掴んでしまいたくなる衝動を、ぐっと堪えた。

「あ〜・・・怒った?」

「どうして?」

「いや、何となく」

「こんな事で怒るような器が小さい男では無いと自負していますが?」

至極当然のように言われて、謝ってしまいたいような気持ちになる。

いや、でも、ここで負ける訳にはいかない。

元々、負けも勝ちも無いのだけれど、引く訳にもいかない。

これは、自分のプライドの問題だ。

「そうだよな。知ってる」

「君が望むなら、この先、セックスをしないで付き合っても良いですけれど」

さらりと世間話をするように告げられた言葉に、絶句した。

彼にとって、セックスって何なのか。

「さて。今日はDVDでも観ましょうか」

くすり、笑った彼は、もう、その話題に興味が無いというように、DVDをセットし、テレビの前のソファーに戻ってきて、座っている真横に静かに腰を下ろした。

肩が微かに触れる距離が、焦燥を感じさせる。

DVDは、以前、彼に、観てみたい、と、話題に出していた物で、覚えててくれたのだと、嬉しい気持ちもあるけれど、今は観る気分じゃない。

だけど、彼と何を話していいのかわからずに、ただ流れていく映像と音声に集中する振りをしていた。








DVDが始まって、1時間程、経過した頃、肩が重くなった感覚がして、ちらり、目線だけで横を見ると、規則正しい呼吸をしながら、眠ってしまった姿に気付いた。

起こさないように、身体をなるべく動かさず、DVDの音量を少し下げる。

指先で頬に触れると、睫毛が微かに揺れた。

「はぁ・・・」

自身の口から溜息が漏れる。

「セックスしない、ねぇ」

自分自身が出した声が反芻する。

セックスに対し、何か不満があったのだろうか。

いや、でも、セックスの最中の反応は悪くはなかったはずだ。

それに、セックスに誘って、拒否された事など、一度も無い。

さっきは強がりも込めて、セックスしなくても良いなんて言ったけれど、やっぱり傍に居れば、触れたくなるのは当然で。

いつだって、愛しさを込め、苦痛を感じず、気持ち良くなれるように、自分の気持ちをセックスにも示してきたつもりだったけれど。

それは単なる驕りでしか無かったのだろうか。

実はセックスが嫌いとか。

いや、その可能性は低いと思う。

いつも、歓喜の声を上げていたし、体の相性だって悪くないはずだ。

それなら、何故?

一人で考えてみても、真意など解る訳も無く、ただ、セックスを拒否されたという事実だけが疑問として残る。

こうして欲しい、とか、こういうのは嫌だとか、欲求されたのなら、まだしも、これでは手も足も出せない。

「どうしろって言うんだ」

聞こえるはずもない歎きだけが口から漏れた。








ふと気が付くと、自分の頭が彼の肩にあって、眠ってしまっていた事を知った。

「目が覚めましたか?」

穏やかな声が頭上から聞こえて、もう一度、眠ってしまいたくなる名残惜しさを押し止めて、頭を起こした。

「あ〜・・・ごめん・・・せっかく用意してくれたのに、寝ちゃって・・・」

まだ、ぼんやりとする頭は覚醒せず、気を抜くと、また眠ってしまいそうになる。

「それは構いませんが・・・」

どこか遠慮がちに発しられた言葉に、聞かなくては、と思う気持ちと裏腹に、また瞼が重くなっていく。

彼の声は心地好くて、まるで子守唄のようだ。

「話し合いをしましょうか」

「話し合い?」

抑揚を感じない彼の声から聞こえた言葉に、おうむ返しをしながら、じわじわと自分の中で不穏な空気が広がっていって、その不安感から頭が冴えてくる。

別れ話でもするのだろうかと、青ざめて力の入らない体のまま、彼を見るものの、穏やかさを纏ったままの彼の表情からは、真意を読み取る事など出来ない。

「君は・・・」

そこで、一旦、区切られた言葉と共に、伏せられた瞼が、もう一度、開かれた後、真剣な表情の彼が、再度、口を開いた。

「君は、セックスをするのが嫌ですか?」

「は、え?何?」

寝起きの頭に、突如、発しられた疑問を上手く処理できず、戸惑いが口をつく。

「それとも触れられたくない、という意味ですか?」

「え?は?」

「先程は勢いもあって、ああ言いましたが、流す内容でも無いですよね。嫌いになったとか、そういう意味を含めていますか?」

「ちょ、ちょっと待って!」

いつもとは違い、矢継ぎ早に話す彼らしくも無い状態と、自分が眠ってしまう前に言った言葉も同時に思い出し、まさか、こんな風になるだなんて、と、思いも寄らない状況に、頭が上手く回らなくて、取り敢えず遮る事しか出来なかった。

「・・・すみません。早急過ぎましたね」

「あれは、そのっ、そういう意味じゃなくて」

「では、何故、したくない、と?」

「それはっ・・・」

彼からの問いに思わず口ごもってしまう。

何て言えば良いのか戸惑うし、聞こえようによっては飢えているようにも取られてしまう。

「それは?」

「だから、つまり・・・」

先を促す彼に答えたいと思っても、言葉が出てこない事と、率直に言う事への恥ずかしさで、中々、次が出てこない。

「・・・もしかして、不満があるとか、ですか?」

「へっ?」

「君に何か嫌な行為を、させているとか」

「や、別に不満とか嫌とかじゃ・・・」

どうしても、その先が言えなくて、彼を見れず、目線が定まらずにいると、彼の手が膝に置かれて、ふと彼を見上げた。

そこには、先程と同じ、真剣な表情の彼が、目線を合わせていて。

「・・・言ってもらわないと、わかりません」

困惑した声色で、言葉を漏らした。

「あ・・・」

「君が何を思っているのか、察しられる能力があったなら良かったのですが、そうでは無いから聞くしか無いんです。だから、教えてもらえませんか?」

彼の申し訳なさそうな声が、自分を責めているかのようで。

「・・・ごめん」

口に出来たのは謝罪の言葉だけだった。

「ごめん、とは?」

慎重に伺うように聞き返す彼に、言葉を選びながら、自分の思いを告げる。

「嫌とかじゃない・・・ただ、いつも、落ち着いてるから・・・何て言うか、こう、もっと・・・求めて欲しいっていうか・・・」

口にすれば、恥ずかしさも増長して、声も小さくなって口ごもってしまう。

それでも、聞き取れたらしい彼は、クスリ、一つ笑いを零すと。

「成る程」

たった一言、そう告げた。

俯いてしまった頭に、彼の掌が置かれ、びくり、肩を震わせると、その手は頭からゆっくりと下がり、頬で、ぴたりと止まる。

「実践してみましょうか?」

彼の言葉に、顔を上げた。

「・・・え?」

「君が望んでいるであろうセックスを、してみましょうか」

そのまま、とすん、とソファーに体が沈んで、彼が真上から見下ろしている体勢になった。

「ちょ、ちょっと、待って!い、今!?」

手首を掴んでいる彼の手を外そうと、捻ってみても、抜こうと動かしてみても、力強く感じられないはずの彼の手は、ぴくりともしない。

「『鉄は熱い内に打て』と言いますし」

「や、でもっ」

「シー」

口だけで黙るように伝えた彼は。

「、っ」

いきなり荒いキスをして反論を閉じ込めると。

「さて、頑張って鳴いて下さいね」

にっこりと笑って、首筋に噛み付くように歯を立てた。

「っ!」

彼の手が手首を離れ、服の中に入り、直接、素肌に触れ、乳首を捻る。

「や!いっ!」

痛みで、涙目になりながら、彼の腕を弱々しくも力を込め掴むと。

「この程度で音を上げないで下さい」

彼は、そう言い放ち、荒々しく、纏っていた衣服を破るかのように脱がしていく。

「あっ!んぅ!ゃあ!」

その間も与えられる刺激に、抵抗する事も出来ず、喘ぎ声を上げるしかなくて。

「っ!」

あっという間に全て脱がされたかと思うと、彼の指が、中に、いきなり入ってきた。

「これなら、君が無駄に暴れなければ、切れないので安心してなさい」

「っぅ、」

すぐに抜かれた指に、息を吐いた直後。

「足を広げて」

彼の容赦の無い指示が襲う。

「や、無理っ・・・」

恥ずかしさと力の入らない体で足を動かす事が出来ずにいると、彼の溜息が聞こえて。

「しょうがないな」

無理矢理に開かれた足を閉じないよう押さえつけたまま、蕾の中心に彼のモノが宛がわれたのを感じたかと思うと。

「っ、!」

「息を詰めるなよ?」

「あぁ!」

そのまま、彼のモノが狭い中に入って、奥まで突き進んでいく。

「っ、流石に狭いな」

「や!きつぃ!」

「キツい?気持ち良いの間違いだろ?」

彼の動きは止まらず、内部を擦り上げるように刺激され、もう、何も考えられず、上擦った声と乱れた呼吸のまま、彼の動きについていくのが精一杯で。

このまま、気を失ってしまうんじゃないかと思った頃。

「くっ、」

「んあぁ!」

彼のモノが一際、奥まで入り、同時に、温かい感触が広がっていく。

彼の体が覆いかぶさってきて、湿った肌の感触を、整えられない呼吸のまま、全身で感じていた。








後始末が終わった後、ソファーで膝を抱えながら、クッションに顔を埋めている隣に、足を組んで座っている彼が、飲んでいたコーヒーのカップを静かに机に置いた。

「どうでしたか?」

「・・・激しかった」

先程の行為に、敢えて感想を述べるのは照れ臭くて、拗ねているような声を出してしまう。

「激しくしましたからね。気持ち良くなれましたか?」

「・・・気持ち良かったよ。気持ち良かった、けど・・・」

確かに、彼の普段、見る事の出来ない姿に、興奮を覚えなかったと言ったら嘘になるけれど。

「けど?君の満足にいく結果では、ありませんでしたか?」

「そうじゃなくて・・・やっぱり、いつもみたいなのが良い」

彼が、いつも、ちゃんと愛してくれているのが伝わったから、無い物ねだりはしなくても良い、と感じた。

「そうですね。ベッドの上で、ゆっくり時間をかけてセックスした方が、もっと気持ち良くなれますしね」

「っ、やらしいっ!」

「やらしい事をしてますから」

それでも、偶には、あんな彼の姿を見たいと思ってしまうのは、心の奥に仕舞っておいて、今は、彼との、この穏やかな時間に意識を委ねる事にした。

彼は、額に軽いキスを落とすと。

「さて。君は達していないですし、今度はベッドの上でセックスしましょうか」

「・・・うん」

いつものように甘美さを携えて、セックスに誘うのだった。

童謡は子供の頃に聞いた時と大人になって聞いた時の感じ方が違う(依瑠)


沖「サブキャラが俺達より先に出てくるなんて、許せやせん」

土「別に良いじゃねぇか。今、出てんだしよ」

沖「頭ん中、マヨネーズで埋めつくされてるアンタには理解できねェかもしれやせんが、これは由々しき問題ですぜェ、土方さん。という訳で土下座してくだせェ」

土「何でオレェェ!?」

沖「マヨネーズが好きだからに決まってやす」

土「意味わかんねぇし!」

沖「大丈夫ですって。土方さんの存在自体が意味わかんねェですから」

土「八つ当たり!?これ、完全に八つ当たりだよな!?八つ当たり以外の何物でもねぇだろうが!!」

沖「いい加減にしてくだせェ、土方さん。じゃねェと山崎のミントンの球にしやすよ?」

土「・・・何で、俺は、いつも、こんな扱いなんだ」

沖「土方さんですから」

土「・・・・・」

女子会とか女子トークとか、『女子』を付けると、可愛く聞こえるけど、だからって何にでも女子を付ければ良いって訳じゃない(依瑠)


月「ぬしに一つ聞きたいんじゃが」

九「何だ?僕に、わかる事ならば答えよう」

月「接吻とは、どの様に行うのじゃ」

九「なっ・・・何を言うんだ!そっ・・・そんな事、僕の口から言える訳ないだろう!?」

月「わっちは、その様な事柄に縁が無くてな。ぬしなら、お妙と接吻の一つや二つ、経験してそうじゃと思うたんだが」

九「ぼ、僕とお妙ちゃんに、そんな体の関係なんてっ」

東「若!!接吻なら、私が教えて差し上げ、いや、して・・・若と思いっ切り接吻したい!!ハァハァハァ」

九「お前とは死んでもしたくない。僕に近寄るな」

東「若が居るなら地獄の果てまでも付いていきます!!ハァハァ」

九「迷惑だ」

月「ほぅ。浮気か。ぬしも中々やるな」

九「何故、そうなるんだ。僕は、お妙ちゃん以外に興味は無い」

月「隠さずとも良い」

九「だから、違うといっているだろう」

月「ふむ。ぬしとおると勉強になるな」

九「大体、何故、接吻の仕方なんて聞いてくるんだ」

月「聞かれたからだ。だが、わっちでは、その答えが出せん故、ぬしなら知っておるかと思うてな」

九「誰にだ?」

月「は?」

九「誰に聞かれたのかと聞いている」

月「それは・・・言えぬ。わっちには言えぬ事じゃ」

九「気になるじゃないか。心配しなくても、僕は口が固いから、安心して言えばいい」

月「その様な問題では無い。相手が誰かなんぞ、どうでも良いでは無いか。わっちは、ただ、接吻の仕方を問うておるだけじゃ」

九「ますます怪しいな。僕の知り合いか?」

月「わっちの事は、もう良い。だから、接吻の仕方を教えてはくれぬか」

九「わかった。交換条件を出そう。僕が接吻の仕方を教えるから、君は相手を教えてくれ」

月「もう良いっ。ぬしに聞いた事が間違いじゃった。この件は忘れてくれて構わん」

九「狡いぞ。逃げるのか!?」

月「もう良いと言っておるじゃろうがっ!!」

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