スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

思い出綴り 中学生編2

話題:運命

研修2日目。凌の後ろを大橋くんと一緒に歩いていると「凌さ、彼女と上手くいってないみたい」と打ち明けられた。わたしは「ああ、そうなんだ」と素知らぬ顔をした。
たしかにわたしは、凌と付き合っているその子が凌と一緒にいるところを見たことがなかったし、違うクラスだったから接点もほぼなかったように感じられた。目の前でひとりで歩いている凌は孤独に感じれた。だけれどわたしは、小学生のとき感じた使命感なんてのはただの自分の思い込みで、彼はわたしのことなんてどうでもいいんだと、そう思っていた。

6月7月、大橋くんとは付き合ったけれど、男の子としてみていたのに、異性として距離を縮めてくることか怖くなって冷めてしまい、わたしは別れを切り出した。中学なんてそんなものなのかもしれない。凌も彼女と別れたと噂で聞いた。

中1の秋、どういう運命か、凌とふたたび同じ班になった。その頃には普通に会話をするようになっていたけれど、わたしの傷付きは消えなかった。
けれどやっぱり彼は優しくていい人で、また好きになってしまった。2回目の恋だった。けれど彼は同じ班の子と付き合った。彼女はわたしと同じ名前だった。わたしは毎日見守るしかなかった。学校にいくのが本当につらかった。

思い出綴り 中学生編1

運命

中学入学式。わたしは髪もロングになり、見た目も女の子らしくなった。クラス発表で、わたしは愕然とした。同じクラスには凌がいた。
凌はわたしが告白した夜、好きだった子に告白し付き合ったという噂を聞いた。なんだわたしは二番手だったのかと気まずい思いをしながらクラスですれ違う日々が続いた。落ち込んでいた。そんな中、クラスの男子の大橋くんから階段でいきなりルーズリーフの手紙を渡された。初めて見る男の子の字だった。<いきなり手紙を渡してごめん。種田さんて、好きな人いるの?>そんな内容だった。ちゃんと話したこともなかったし、急だったから心底わたしは驚いた。男の子みたいだったわたしは誰かから好意をもたれたことがなかったし、戸惑いを覚えた。

それから大橋くんとは手紙をやりとりするようになった。大橋くんはわたしと凌の関係を知らず、凌とも仲良くなっていた。大橋くんはよく凌にわたしのことを相談していてたらしかった。わたしは凌とのことは忘れたかった。凌とはギクシャクしながらもふたたびクラスメイトとして言葉を交わすようになっていた。

中学1年、5月の宿泊研修のキャンプファイアーの夜、大橋くんに呼び出された。理由はなんとなくわかっていた。「好きです。付き合ってください」わたしが凌に言った言葉だった。わたしは頷いた。初めての彼氏だったし、優しい人だし、なによりわたしを好きになってくれたんだし、これでいいんだって思ってた。わたしたちを凌が遠くから見守っていた。
そのとき、凌は、この人にわたしを託したんだな、わたしのことは何とも思ってなかったんだな。そう思って少し哀しかった。

思い出綴り 小学生編

運命

昨日くずくんの送別会がありました。そこでまるで知らなかった空白の凌との時間、気持ちをくずくんと凌とも仲がよかった子(同じ中学、工業高校)に聞かされ、ああ、凌とのことを運命と感じていたのは、あながち間違いではないと、そう確信しました。裕子からも、運命なんじゃないといわれました。なんだか自分の視点と凌の視点が混ざりあってこんがらがったので、まとめてみたいと思います。

----------------

小学5年生、田舎の小さなわたしの小学校に、一人の男の子が転校してきた。
こんな時期に転校だなんて、なにか訳ありな感じだけど、明るくて活発な小柄なその子は、すぐに人気者になった。凌という名前だった。

小学6年生の秋、わたしは凌と同じ班になった。ただのクラスメイト、班の一人、ただそれだけだった。だけれどよく晴れた日、休み時間、なぜか彼はわたしだけに、離婚して会えなくなったお母さんとのプリクラが貼られたキーホルダーを見せ、「これ、お母さんとの最後の写真」と言った。いつも明るいのに、そのふいに寂しげな横顔をみて、わたしがこの子を支えてあげないと、と思った。

小学校卒業式の翌日、裕子と好きな人に告白することを約束してた。裕子は凌の親友、わたしは凌に告白した。わたしは夜、かけたこともない凌の家に冷や汗をかきながら電話をし、「好きです。付き合ってください」それだけ伝えた。凌はそのとき「・・・いいよ」と言った。わたしは有頂天で、嬉しくて浮かれながら晩御飯を食べた。そのあと電話が鳴った。とてもイヤな予感がして、出たくなかった。けれど取るしかなかった。相手はやっぱり凌だった。申し訳なさそうに、聴いたこともないような沈んだ声で「やっぱりごめん」言われたことはそれだけだった。

わたしは初めて失恋をした。天国から地獄だった。しばらく毎日毎夜泣いて過ごした。すごい恥ずかしかった。裕子も凌の親友にふられた。二人して泣いた。
でも中学校に入ったら、わたしは当時男の子みたいな外見だったけど、女の子らしくなってやるし、絶対変わってモテてやるし、凌なんかどうでもいい、見返してやる、そう思ってた。
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2015年03月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31