2009.6.6.見えるものだけが全てじゃない。そんなことはわかっていた。でも見えなきゃ不安だった。見方を変えれば何でも見えるって心の底で思ってた。
だから不安で、だから苦しくて。仕方ないでしょ。見えないんだから。
変わることだけが全てじゃない。そんなことはわかっていた。でも進まなきゃ不安だった。周りから取り残されるのが怖かった。
だから不安で、だから落ち着かなくて。仕方ないでしょ。今は変わりたくないって言ってるんだから。
考えると不安で、もっと考えるともっと不安で。でももっともっと考えると開き直って心の整理がつく。このままでいいような気がしてくる。これっておかしいよね。見えるものが増えたわけではない。自分が進んだわけでもない。
何が正解なんだ…?
考えるだけで全てがわかるわけじゃない。そんなことは分かっている。でも考えたい。気がすむまで。多分命が尽きるまで考えたい。
だから考えて、寝るのも惜しんで。仕方ないでしょ。そうしたいって言ってるんだから。
仕方ないでしょ。それが一番自分を楽にさせる方法なんだから。
2009.3.17忙しいときってやりたいこといっぱいある…でもいざ暇になるとどれもつまんない。それをやって何の得になるんだろ。そんな言葉しか浮かばない
納得いくまで気がすまない。そんなこと言ったって、納得いったっていかなくったってそれをやめればやらなきゃいけないことは終わる。時間が経つにつれ、それが納得いったかいってないかなんてどうでもよくなる。だってそれは過去のことだから。それが納得いったっていかなくったって喜ぼうとすれば喜べるし泣こうと思えば泣ける。それがどうであれ未来の自分は同じ地点に立つことができる。でも納得いきたい。でもそれは何のためだ?過去の自分には、当たり前ながら今どうしたって影響を及ぼすことができない。だって過去は変えられないから。未来の自分にも結局、時間というやっかいなものがあるために忘れ去られてしまう。じゃあ何のためだ?自分のためだ。この自分。つまり今の自分のためだ。今悔しい思いをしたくない。ただそれだけだ。どんなにつまらないものでも中途半端に終わらすわけにはいかない。ただそれだけ。知ってたか?この自分っていうのは過去の自分でもなく未来の自分でもないんだよ。今の自分なんだ。この自分が今頑張ってんだ。この自分のためじゃなきゃいけないだろ?いくらやりたいことがいっぱいあったって、忙しかったってやめるな
よ。そんなもん大した価値持ってないよ。
自分のために頑張ろう。
2009.6.14.無秩序に乱立された塔
見上げても尖端は雲で見えなかった
子どものころから憧れてたのは
一番立派で一番高い塔を上がること
ここまで特に上がりたい塔もなかったから
それを目指してここまできた
あちこち見回ってその中で
一番立派な塔を見上げた
これなら高さも問題ないようだ
これに上がろう
扉を開けた先にあったのは螺旋状になった階段
ただそれだけだった
これが僕の望んだことだ
今さらやめることは許されない
一段ずつ上っていこう
これが僕の道なのだから
規則的に並べられた階段
進む先はいつも闇で見えない
足を進めても変わらぬ景色
足を動かすことさえやめたくなった
そこに上から微かな光
1段飛ばしで駆け上がった
そこは窓のある広場だった
窓から身を乗り出した
眩しさでめまいがした
そこにあったのは無数の塔
その中で見つけてしまった
高く立派でないでも大切な塔
ここが僕の望んだ場所だ
今さらやめることは許されない
1段飛ばしで上がっていこう
考えると進めなくなるから
どこまでも続く変わりのない階段
それも終わりに来たようだ
あと少しで尖端だってときに
どんどん足が遅くなる
これを上りきっていいのか
この選択で後悔しないのか
ついに着いた塔の尖端
外を見ればもう雲の上
そしてそこには鍵のかかった扉があった
鍵はあらかじめ持ってるはずだった
だけどのポケットにもなかった
あの塔を見たときになくしたんだ
ここは僕の望んだ場所だ
今さらやめることは許されない
1段飛ばしで下っていこう
もう休んでる暇なんかないぞ
見覚えある薄明かるい広場
見つけた鍵は錆びて折れ曲がっていた
この鍵はあの時に
もう使えなくなっていたんだ
ここにいる意味なんて
あの時からなかったんだ
なんて無駄な時間を過ごしたんだ
より道してる暇はなかった
でも気づけただけで
良かったことにしておこう
ここは僕の望んだ場所じゃない
今さらやめたって構わないじゃないか
1段ずつでいいから下っていこうあの塔を思い浮かべながら
あれが僕の望んだことだ
今さらだけど上がってみるよ
1段ずつゆっくりいこう
時間なんていくらでもあるさ
無秩序に乱立された塔
その長い影がさらに長くなっていた
人どころか鳥の鳴き声も
聞こえる気配すらない
ただその影だけが
赤く染まる地面に伸びていく
その中に扉を開ける音
微かな物音が響く
物音の持ち主の眼差しは
しっかり尖端を見つめていた
そしてゆっくりと足を動かすと
闇の中に消えていった