話題:自衛隊について
今、日中戦争/太平洋戦争の歴史的見解についていろいろ議論がなされています。
私自身東洋史を勉強している身でもあるので非常に興味深いです。
と、いうわけで。
いま問題になっている『田母神論文』の全文を読んでみました。
一言で言ってしまえばすべてが全て的外れなわけじゃない。
少し引用してみると、
もし日本が侵略国家であったというのならば、
当時の列強といわれる国で侵略国家でなかった国はどこかと問いたい。
よその国がやったから日本もやっていいということにはならないが、日本だけが侵略国家だといわれる筋合いもない。
たしかに、当時の先進国の主流は帝国主義。
列強と呼ばれるすべての国がどこかしら植民地を所有していました。
その植民地はどうやって獲得したのか、と考えれば侵略以外の何物でもないでしょうね。
だって自ら「植民地にしてください」って申し出てくる国なんてあるわけがないんだから。
そういう点で見れば当時の列強国の全てが侵略国家だと言えなくもないわけです。
だからと言って戦争を肯定するわけでは決してないわけですけど。
この論文では「日本の植民地支配は素晴らしかった」的なこと書いてますけど、それはそれでどうかと。
結局は自分たちの支配下に置いているわけで、決して自由を与えてるわけではない。
植民地に教育の機会を与えたのは画期的で素晴らしいと言っても…ねぇ。
ここからは私の私見になりますけど、日本が皇族や華族の女性を朝鮮・満州の皇族たちに嫁がせたからと言って日本がそれらの国々を優遇していたとは言い切れないんじゃないですかね。
日本人ってのは結構体裁とかを気にする民族ですし。
そういう風にしといて周りの心証を良くしようとしたのでは。教育に関してもそう言えますね。
私が思うに当時の日本はアジアをすべて自分の領土にしようと目論んでいたのではないかと思います。
いや西アジアとか中東の方は分からないけども、少なくとも東アジア・東南アジアの方は自分たちのものにしようと思ってたんじゃないですかね。
後のことを考えると無理やり武力でめちゃめちゃに侵略するよりはそうやって懐柔したほうがやりやすいに違いないですもんね。
…ところでなんであたし敬語で語ってるんだろう。
妙に打ちにくいと思った。
東京裁判はあの戦争の責任を全て日本に押し付けようとしたものである。
そしてそのマインドコントロールは戦後63 年を経てもなお日本人を惑わせている。
日本の軍は強くなると必ず暴走し他国を侵略する、だから自衛隊は出来るだけ動きにくいようにしておこうというものである。
自衛隊は領域の警備も出来ない、集団的自衛権も行使出来ない、武器の使用も極めて制約が多い、また攻撃的兵器の保有も禁止されている。
諸外国の軍と比べれば自衛隊は雁字搦めで身動きできないようになっている。
このマインドコントロールから解放されない限り我が国を自らの力で守る体制がいつになっても完成しない。
アメリカに守ってもらうしかない。
ここの部分については一部賛同したい。
特に「日本の軍は強くなると必ず暴走し他国を侵略する」という周りの思い込みについては一言言ってやりたい。ぶっちゃけアメリカ軍もかなり暴走してるんじゃないの?
イラク戦争の捕虜に対する虐待、在日米軍による犯罪…これって暴走といえなくもないんじゃないかと。
アメリカも自軍を統制できてないってわけですね、わかります。
それにいつまでたってもアメリカに守ってもらうってのもどうかと思う。
そろそろアメリカから自立してもいいんじゃないの?日本はアメリカの属国じゃないんだから。
あ、でも「東京裁判は責任をすべて日本に押し付けようとしたもの」ってのには賛同できないけど。
押し付けるも何もどういう経緯にせよ日本が行ったことは許されることじゃないんだから責任を負うのは当り前じゃないかと思うし。うん。
日本軍が暴走したのは当時のいろいろな状況も重なってのことでしょ。
一番大きかったのはやっぱり世界恐慌だと思うのね。
日本は当時植民地は朝鮮くらいだったわけで…そこだけでその恐慌のダメージを回復できるほどの益を生み出せるわけがない。
私が思うに当時の帝国主義を肯定するわけじゃないけど、植民地いっぱい持ってるまあ、戦争で言う「連合国」の人たちが自国のことだけ考えずに少しくらい支援とかしてたら枢軸の人らはあそこまで暴走しなかったんじゃないかと思うわけです。
まあ、あれだけどね。WW2は世界恐慌が全ての原因じゃないしね…その前のWW1のときの禍根とかも引きずってるわけだし。ううん、難しい。
でも日本に限って見れば原因の大半はそれだよね。
ホント経済がやばすぎる状況に陥ったから満州に進出したわけだし。
まあ、あれです。
個人的に言ってみればたった一人の人がこういう論文出したくらいでごちゃごちゃぬかすな、と。
一億二千万も人口がいればそういう風に考える人の一人や二人いて当たり前なわけだし。
今回の場合は田母神さんが空自のお偉いさんだったから騒がれただけで、そこら辺の学生とか会社員が言ってても誰も注目なんかしないでしょ?
「文民統制はどうなってんだ」っていうけどさ、あたしからしてみれば文民統制がなんぼのもんじゃ、と。
文民だろうが軍人だろうが過激な考え持つ人は持つし、穏健な人は穏健なわけ。
文民がトップだからって軍(自衛隊だけども)が暴走しないとは限んないわけですよ。
言ってしまえばすべての人が「政府見解が正しいんだ!」と思いこんでしまう方が問題じゃないかと思うわけですよ。だってそれって洗脳みたいなもんじゃないですか。それこそ戦時中に「天皇は神様だ!」と信じ込んでいたような。
政府だって人間で成り立ってるわけだからすべてがすべて正しいわけじゃない。
それをちゃんと指摘しないとそれこそ昔みたいな暴走しちゃうんじゃないかと。
だってそうでしょ、政府が正しいって全部認めてしまったらそのうち「政府が言うから戦争しても間違いじゃないんだ」と思いこんでしまう可能性だって出てくるわけだし。
政府見解をすべて鵜呑みにするんじゃなくてちゃんとそれに対して自分なりの考えを持つことが大切じゃないかと思うわけです。
ううん、難しいですね。
ただアメリカとか中国・朝鮮の顔色窺って田母神さんを批判するのはいかがなもんかと。
全体的に他国の機嫌に左右されまくりだよね、日本って。
主体性を持とうぜ、うん。
ここら辺の話はホント難しいです。
いろいろ言いたいことはあると思うけど一つの意見として受け止めてもらえたらと思います。
意見がある方はコメとかでどんどんお願いします。