飴縁

夜中に彼から電話がありました。

飲んでたってことだけど、なんかいつもと様子が違いました。

酔ってないような感じ。
どこか落ち込んでるというかなんというか、暗い感じがして。

たわいない話と順調かどうかと話を聞いていたら、なにかを話そうかどうか迷っている様子。

そしたら、彼のプライベートを彼の知らないところで、まったく検討違いの解釈で話されたようです。

その話を聞いた人が、彼に話してきたとのことで。

彼は血が沸騰するくらい怒りが沸いたけど、話してきた人に怒るわけにもいかず、ショックを受けたようです。


彼にとって、とてもつらい話なのに。
彼が話すならまだしも、なんでそれを他人が話すんでしょう。

ましてや、すべてを見てたであろうその人が、その話を勝手にするなんて考えたくもありませんが、話してるという事実。

そのつらい経験があったからこそ、人に優しく仕事をしてるのに、そのつらい経験があるから人に当たってくると話すその人は、なんなんでしょう。

どれほど無神経なのか。
その人が、人のことをまったくわかってないし、なにも見えてない人だということはわかってたつもりだったけれど、まさかここまでとは思いませんでした。

彼自身も、その人にもう期待なんかしてはなかったけれど、今回の出来事に関してはかなり堪えたようです。
本当に、本当に彼にとっては触れられたくない、傷になってるようなつらい出来事なのに、それを軽々しく他人が他人に話すという。

彼の声は弱く、小さくて、彼の気持ちを考えれば悲しくて仕方ありません。


彼のすべてを否定したも同然です。


どうもその人は、社員みんな、それぞれを部分的に否定・ダメ出ししてたようなのですが、他の人に対しては仕事のミスややり方についてのダメ出しだったようです。

彼だけプライベートのこと。
それも本当に触れられたくないこと。


もう有り得ない。

どんな神経してたらそんなこと出来るんだろう。


私も、怒りと悲しみでいっぱいです。

彼は、私なんかと比べものにならないくらい怒りと悲しみに満ちているでしょう。



そんなときにそばにいてあげられないということに、やりきれません。




それでも彼は、電話を切るときにはいつものように戻ってました。

強い人だなと思います。



私はもっともっと頑張らないといけないと思います。



心配です。
これから会えそうなので笑顔で会ってこようと思います。



私が落ち込んでても、ね。