上越線と云って欠かせないと言えば…やはり「とき」だろう。
14往復有った往時を知っていれば当然だと思うし、L特急の面目躍如といったところだろう。
上越線のスターが「とき」だとすれば、他は脇役なのか?
否、そうではない。
「白山」と共通運用だった「はくたか」は485系だけでなく489系でも運用された、上越線の中でも特異な存在だ。
ボンネットをはじめとして貫通、非貫通、全ての車輌で運用していた事を考慮すれば、実にバラエティーに富んでいる。
そんな中、外す事が出来ないのが「いなほ」である。
キハ81系からスタートした「いなほ」だが、後に485系化したことにより、編成は一気にグレードアップした。
実はこの「いなほ」、運用を調べてみると各先頭車輌を全て使用実績のある車輌でもある。
尤も、1500番台や3000番台はJR移行化後の話になってしまい、自分の範囲を逸脱してしまうので今回は却下してしまうが。
青森運転所(以下、盛アオ)の管轄だった「いなほ」は、当時の盛アオ所属で「はつかり」や「やまびこ」等も担当していた事により、「いなほ」に使用する車輌もボンネットや当時まだ新鋭だった200番台(貫通)が多数集中配備されていたため、貫通をメインに稀にボンネット、と言った運用をしていた。
後に300番台(非貫通)も盛アオに集中配備された事により、「いなほ」にも非貫通を使用する場合が有った。
直後、秋田運転所に移管し、「つばさ」との共通運用する事になる。
(「つばさ」用に1000番台を新制配備予定だったが間に合わず、「いなほ」の200番台を使用したのは有名だろう。)
話は相変わらず長いのだが、今回は485系「いなほ」に関する話。
先程にも記したが「いなほ」は様々な先頭車輌を使用したが、一般的には一番時期の長かった300番台(非貫通)のイメージではなかろうか?
「ゴーナナ・イレブン」改正により上越線運用の無くなる前の「いなほ」のイメージなので、自分としては200番台(貫通)になる。
しかし、現在TOMIXで販売している485系(HG仕様)にはボンネット、貫通、非貫通とバリエーションは揃っているのだが、自分にとって肝心な200番台「いなほ」が完成しない。
…ヘッドマークが無いのである…文字のみのヘッドマークであれば、オプションで存在する…しかし、自分が欲しいのは「絵入り」である。
(実はヘッドマーク関連でもう1編成出来ずに手を出しあぐねている特急が…それはまた後日…)
我が鉄道管理局に所属する「いなほ」は、まだTOMIXから485系(HG仕様)が発表される遥かに前、まだ583系が漸くTOMIXからHG仕様での発売になる、そんな頃に苦労を重ねて12両編成を1本作成している。
無論、先頭車は200番台で絵入りヘッドマーク、パンタ車は車掌室付きの600番台、食堂車も連結している往時の編成だ。
当時のTOMIX製485系の製品を知る者なら、「あの」色合いで?…そう思ったに違いない。実は、当時のTOMIX製品に485系ラインナップに食堂車は存在していない…出来たのは短編成化後の姿が再現出来るのみ。
往時のいなほ編成を組成するには、幾つかのハードルが有った。
・200番台の先頭車を確保する
・200番台用にいなほの絵入りヘッドマークを確保する
・600番台のパンタ車を確保する
・食堂車を確保する
・上越線運用を考慮し、動力車は2両とする
先ず200番台の先頭車は、当時3両セットにてパンタ車の600番台も含まれており、取り敢えずクリア。
ヘッドマークはサイドパーティー(ペンギンモデル)から販売されていたヘッドマークステッカーを入手し、事なきを得ている。
同時に単品販売もまだ充実していた事も幸いし、動力車の2両化もすんなりと達成。
問題は485系ラインナップに存在しない食堂車の確保だ。
逆の発想により、24系25形「北斗星」が使用する食堂車スシ24は元サシ481である事を思い出し、非常に高価な食堂車だが、「北斗星」から捻出し、塗装の上に改番する事にした。
食堂車を国鉄特急色に塗色変更する関係ではないのだが、どのみちこの頃のTOMIX製485系の色合いは明る過ぎなので、編成の統一化を図る為に先頭車を含めて12両全て再塗装する運びとなった。
全車輌BMTN(ボディマウントTNカプラー)化し(食堂車は元客車のため、BMTN非対応を改造にて取り付け)、GMカラーではなくMrカラー(既に廃盤)のクリーム4号と赤2号で塗装、屋根も新制配備当初のシルバーとした。
室内灯を組み込む関係上、室内はシートを全て塗装、ボディ裏側も室内色を塗装してある。
しかし、この頃はLEDの室内灯はまだ存在しておらず、許容量をオーバーしてしまうため、一時的に室内灯装備を見送っていたが、LED室内灯の販売に合わせ全車輌LED室内灯装備とした。
200番台の先頭車もATS車上子や速度検出装置、乗務員扉ステップ等も取り付け、現代版スペックにも劣らないように仕上げた。
これにより我が鉄道に計画されているループ線もクリア可能な485系200番台「いなほ」がほぼ完成となり、残るは少々のウェザリングのみ、となった。
今でこそHG仕様の485系が存在する、というのに何を今更…とは思うだろう。
実際、レンタルレイアウトでの走行時では、反応は薄いのが実情だ。
しかし、我が鉄道管理局に所属する車輌は、「よく見てみると………!?」と言った車輌にするのが信条であり、単に車輌をコレクションしているのではない事を、少しでも垣間見れるなら本望だと思っている。