おまじない。

なんて夢をみた。


望まない結婚。
だけど自分の子供はかわいい。
そんな中、一つ屋根の下で暮らすひとつの家族。
廊下からちらっと見える、仕事で悩む旦那。
子供とじゃれあう妻。

子供がきっかけで始まった夫婦の会話。
寝てしまった子供をよそに
旦那は箱から赤いハートのチョコレートを取り出した。
「ここに寝て」指定された場所は旦那のひざまくら。
妻は動揺し戸惑っていると、旦那が半ば強引に妻の頭を押し寝かせた。
「こっちむいて」横向きでねかされていた妻の顔を、旦那は片手でみつめあう形にした。
「半分食べて」
妻が見たのは、チョコレートを半分くわえ、まるでキスをせがむようなかたちの旦那。
またもや動揺する妻だが、割りと素直に唇を近づけキスをするかたちでチョコレートを半分食べようとした。
だが先に旦那がチョコレートを半分にしてしまった。
チョコレートの中には、トロッとした甘酸っぱいものが入っていた。
旦那は割れた半分のチョコレートを口に含んだまま、妻の手にキスを落とした。

「……バレンタインの、おまじない」

顔を赤らめながらつぶやく旦那。
そこに、愛を感じた妻。