颯雪ssです。重いです。
(サーッと書いたので適当な部分が(((
よければドゾ〜。
『もしもあの時』なんて後悔することはない。
だって俺は、主人やアイツが思うよりも、醜い。
家族と離れたのはとても小さい頃。兄弟がいたどころか、親の顔すら覚えてない。
毎日河川敷の高架下で隠れながら毎日過していた。
緑色の猫なんて稀だったし、人間に捕まれば保健所行きは確定で、物珍しさに引き取る人間はごまんといた。
まぁもっとも、反抗的な態度ばかり取っていた俺は1カ月もたたずに捨てられての繰り返しだったが。
そんな中、河川敷の茂みに隠れていた俺に毎日餌を持ってくるヤツがいた。
近くの中学に通う女子中学生。時々咳をしていた病弱なヤツだった。
物珍しく近づいて捕まえるかと思ったら、さっと茂みに猫用の餌を置いて帰って行く。
その時から俺は、草の茂みに隠れる緑色の猫として、「そうちゃん」と呼ばれていた。
その女と仲良くなるのは運命づけられていたものだったのか、俺は徐々に心を許していく。
女は友達がいないのかなんなのか、放課後決まって俺がいる高架下に来て、暗くなるまであやとりとか編み物とか俺の前でしながら話していた。
話を聞く限りでは、その女はまさに「薄幸の乙女」という言葉がお似合いだった。
小さい頃から病気がちで、小学校は3年〜6年入院してて卒業式も出席できなかったとか、地元の公立
中学に進学したがこれという親友ができないとか、苦笑いをしながら喋ってた。
しかし、誰かを恨む素振りや自分が不幸だとは一切口にしなかった。
それどころか、一生懸命生きてる彼女に不思議と勇気付けられて、このままずっと一緒にいたいって思えた。
でも、俺は、そういう人間を食い潰す生き物に違いなかった。
この世には、人を思える人間と、人を思えず自分だけ勝手に行動する人間がいるんだと思う。
俺は人のことを思える人間じゃない。いつも自分勝手で、悲しいほど、誰かを信用できない。
信用したくてもできない自分がいた。裏切られるのが怖くて怖くて、どうしても信用ができない。
愛してくれてるのに…俺のことを思ってくれているのに、上手く俺は見返りを返せない。
それはあんまりにも可哀想だ。損してる。
だから俺は、さよならを告げよう。あんまりにも可哀想だから。
ダメなんだよもう。俺はお前に面倒ばかりかけさせる。これ以上はもう甘えられない。
「――――幸せになってほしい」
星が流れた後の空に願う。お前のためなら毎日だって願おう。
大丈夫だ。お前は十分優しいし、真面目だ。頭もいい。きっと良い人が見つかる。
諦めたと人は笑うかもしれない。
それでも俺は俺でしかなくて、誰かを幸せにできる力がなかったまでのこと…。
きっとこの先、俺は他の誰かを愛することはないだろう。
少なくとも今は、お前を忘れられそうにない。
周りには優しい奴がいるが、俺が本当に愛している存在はお前だけだと思っている。誰も考えられない……。
「星、綺麗だよな」
「ああ…」
「中入らねぇのかよ」
「ん…そうだな…」
「……あんさ、颯雪」
「?」
「…いや、なんでもねぇ」
+++
あとがき)
颯雪は驕れないだけです。そして責任感が強くて、幼い彼にはまだ生きていく為の要領を掴みきれていません。
颯雪の中身は一番白いと思います。でも”醜い”部分もあると彼は言います。
そんな彼こそ、一番真っ白、謙虚なんだと思います。ゴソゴソ