話題:二次創作小説
特にネタもないので、
以前書いたのものを晒してみよう第3弾(くらい?)
TOAのジェイルク。
ジェイドは絶対、過保護なガイよりルクを心配してるよ!という妄想から生まれた産物。
時期は剥離が始まって最終決戦が近いだろう、時間軸。
場所はジェイドの故郷、ケテルベルグです。
やばい。
ルクが好き過ぎてどうしようw
二次創作でBL。
苦手な方はばっくぷりーず。
伝わる暖かさ
「何をしているんですか、貴方は」
そんな声がかけられたのは、ただ一心に絶え間無く降り続ける白に目を映していたときのこと。
ああ、やっぱり見つかったか。
ぼーっとした頭でルークは思う。
ここケテルブルグに着いたのはつい先程のこと。日も暮れる頃にホテルに辿り着いたので、今じゃ辺りは真っ暗だ。
それでも。
静かに降り続ける白が気になって気づけば一人外に出てきてしまっていた。
見つかるとは、思っていたけれど。
特に、冷たい眼差しを向けながらどこまでも俺に優しい彼には。
「雪、見てたんだよ」
「見ればわかります。私はこんなものを見に、何故この寒い中一人薄着で出てきたのか聞いてるんです」
ぱさ、とルークの肩に上着がかかる。
それは見慣れた自分のもの。
「だって綺麗だろ?」
その温かさと優しさにぎゅっと上着を握りしめ、背後に立つジェイドを笑顔で振り仰ぐ。
「全く貴方という人は…」
そこにあったのは予想通りの不機嫌顔。さらにつかれたため息まで予想通りで。ルークはさらに笑ってしまう。
「ガイでも連れてくれば良かったでしょう。単独行動はあれほど危険だと」
「……来てくれると思って」
「はい?」
「ジェイドが来てくれると思って」
「!」
「だから大丈夫かなって」
「私が来なかったらどうするつもりですか」
咎めるような口調にルークは再び前を向く。
「いいじゃん、来てくれたんだから」
来ないとは思ってなかったと告げると、ジェイドに再びため息をつかれてしまった。
呆れられちゃったかな、
本当はもう少しこの景色を、優しい彼が育ったこの場所を眺めていたかったのに、この様子じゃそれも無理そうだ。
ルークが諦めてホテルに引き返そうとした時。
「もう少し見たら帰りますよ。身体に障ります」
思いがけない言葉にルークは驚く。
「え、まだ見てていいのか!?」
「見ていたいのでしょう?一人でまた抜け出されるよりマシです」
そう言って眼鏡を上げるジェイド。その仕草にルークは笑う。
知っているよ。
そうやって眼鏡を上げて表情を隠す仕草が照れ隠しだってことぐらい。
「ありがと!ジェイド!」
「仕方のない人ですよ、貴方は」
呆れた表情を見せながらも、瞳の奥はどこか優しい貴方。
貴方と一緒にこの景色を見たかったなんて言ったら怒られるかな。
だから一人抜け出してきたのだと。
「…ありがと」
ルークはそっと、雪の音にさえ掻き消されそうな声でもう一度つぶやく。
聞こえるはずはないだろうに、背後から隣に並んだジェイドが、ふっと優しく笑ったような気がした。
end.